感想
このシリーズならでは!
事件を未然に防ぐために、またしても「ホテル コルテシア」で潜入捜査が行われて~という展開!
今回のお話では、大きな事件やホテルの宿泊客からの無理難題をどう対応するかという部分は、この「マスカレード」シリーズの中では控え目、少ない作品でした。
考えてみたら、同じ場所(ホテル)で、同じ登場人物がいて、それでいて、これまでの話とは違う事件(物語)を設定することの難しさがありますが、別の切り口で、違う事件、物語に仕上げるその発想力に、いつもながら凄いなあと感動します。
大掛かりなトリックや大どんでん返しがある話ではありませんでしたが、被害者家族の感情や「ゆるし」、また、加害者の更生と刑罰の意味などがテーマとなっている、ちょっと重たい、難しい話だと感じました。
刑罰などについて、次のような文が書かれていました。ちょっと長いですが引用してみます。
被害者遺族や加害者、加害者の家族の思いが錯綜して、それぞれの立場や思いを考えると何が正しいのか、どんな答えが出せるのか、いろいろと考えさせられました。
今回、主人公の新田浩介は警察を辞めることになりましたが、再びホテルマンとして、山岸尚美と一緒に、今後の活躍が期待できそうです。
皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです