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邪馬台国は見つかっていた【2】倭人伝の漢文読みをやめると正しい意味がわかる


レン:
そんな。バッサリ半分にするなんて、植木屋じゃあるまいし無理でしょう。

おじ:
いやー。それができるんだな。

レン:
だったら早く教えてください!

おじ:
じゃあ、順を追って説明させてもらうよ。倭人伝の「水行十日 陸行一月」の部分について、原文ではこう書かれている。

原文 「南至邪馬台国 女王之所都 水行十日 陸行一月」

おじ:
そしてこれは次のように訳されている。

訳 「南 邪馬台国に至る 女王の都する所 水行十日 陸行一月」

レン:
ほら。読み方を変えれば、「水行十日または陸行一月」にも「水行十日と、さらに陸行一月」にも読めるでしょう?

ゆい:
そうね。まあ漢文の読み方だから意味がよく分からないのは仕方がないんじゃない?私も漢文は苦手科目だな。

おじ:
今、ゆいちゃんが重要なことを言ったね。この訳は「翻訳」というより「漢文読み」なんだ。「漢文読み」は中国語の原文を日本語に近い形にしただけだから、中国語本来の意味が正しく理解できないんだよ。結果として、「水行十日または陸行一月」と「水行十日と、さらに陸行一月」で解釈が分かれてしまうのも仕方のないことさ。最初にレンくんが「倭人伝の書き方があいまいだ」って言ったけど、僕は研究していてその点に疑問を持ったんだ。長い歴史を持つ中国語が、読む人によって意味が変わるような中途半端であいまいな言語なのだろうか?いや、そんなはずはないだろう、ってね。

ゆい:
つまり邪馬台国が見つからない原因は、倭人伝の「漢文読み」だとおじさんは言いたいのね。

おじ:
うん。倭人伝は昔から主に「漢文読み」で研究されてきた。けれど、中国語はあくまでも外国語だ。「漢文読み」だけでは理解できない部分も当然ある。それなのに漢文読みに頼って邪馬台国を探そうとしたら、なかなかできないのは当然だよ。

レン:
歴史部の部員たちの意見がまとまらなかったのも、倭人伝の解釈が読む部員によってバラバラだったからでした。

おじ:
放射説と連続説についても同じだよ。2つの解釈があるけれど、本当の意味は1つだけなんだ。そこで僕は、「中国語を外国語としてきちんと習得した人」に倭人伝を翻訳してもらうことにしたんだ。さあ、これがその訳文だよ。

レン:
フムフム……。

ゆい:
これ、長いし読むのがしんどいなー。

おじ:
読み飛ばしても大丈夫だよ。重要な点は、あとでちゃんと解説するからね。

【3】につづく

魏志倭人伝  出典:宮内庁ホームページ


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