邪馬台国は見つかっていた【7】各国の説明を比較すると、どこまで足を運んだかわかる
ゆい:
誰が書いたのかは、わかったけど ②どこまで足を運んだのか は難しそうね。
おじ:
その答えを出すために、こんな表を作ってみたよ。邪馬台国までのルートに登場する8つの国の説明を、分類してまとめたんだ。記載の有無が〇と-で書いてある。
おじ:
ここで注目してほしいのは
(1)距離
(2)戸数
(3)特記事項の字数
の3つの項目だよ。
ゆい:
(1)距離 は、さっきおじさんが言ったとおり対馬国から不弥国は里数、投馬国と邪馬台国は日数になっているね。
おじ:
うん。投馬国と邪馬台国だけ表示の仕方が明らかに違う。もしも帯方郡使が邪馬台国まで行っていたら対馬国から不弥国と同じく、里数で記載されるはずだ。
レン:(2)戸数 も同じ特徴が見られますね。投馬国と邪馬台国だけが推定表現になってる。
おじ:
倭人伝にはこのように書かれているんだ。
対馬国~不弥国 有○餘戸 (人家は○戸以上ある)
投馬国と邪馬台国 可○餘戸 (人家は○戸以上あろう)
ゆい:
じゃあ最後の(3)特記事項の字数 は?
おじ:
方角や距離などの「基礎項目」を除いた、説明文の字数だよ。
レン:
前半4つの国と比べると後半4つの国は明らかに説明が少ないですね。
おじ:
最初の国「対馬国」と、最後の国「邪馬台国」の説明を例に挙げて比べてみよう。次の説明文の中の太字の部分だよ。
〇対馬国についての説明文
始渡一海千餘里 至對馬國 其大官曰卑狗 副曰卑奴守離 所居絶島 方可四百餘里 土地山險多深林 道路如禽鹿径 有千餘戸 無良田 食海物自活 乗船南北市糴
文字数 31
〇邪馬台国についての説明文
女王之所都
文字数 5
ゆい:
邪馬台国の説明は、たったの5文字?ずいぶん少ないね。
おじ:
もし帯方郡使が邪馬台国まで足を運んでいたら「女王之所都(女王の都する所)」という、たった5文字の説明だけで終わらないはずだよ。
レン:
ちょっと待ってください。倭人伝には邪馬台国に関する説明がちゃんとありますよ。例えば「卑弥呼は鬼道につかえ、よく衆を惑わせる」とか、「高齢だけど夫がおらず、弟が卑弥呼を助けて国を治めている」とか。
おじ:
さすが、よく知っているね。レンくんの言うとおり倭人伝には卑弥呼や彼女の住む宮殿の様子が書かれている。でも、それらは全て邪馬台国ではなく卑弥呼についての説明なんだ。帯方郡使が実際に足を運んでいたら、邪馬台国の地理や人々についての具体的で新しい説明がもっとあるはずだよ。
ゆい:
うーん。卑弥呼の情報は現地に行かなくても倭人から聞くことができるもんね。
おじ:
(1)~(3)の内容を見る限り、やはり帯方郡使は邪馬台国には行かなかったと言える。さらにもう一つ、最大の証拠が倭人伝に書かれているんだ。
レン:
えっ。何だろう?
おじ:
ここまでに何回も出てきたけどわかるかな?
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