深思庵 霜仙

煎茶道お手前や所作などの身体の使い方、動かし方を自分なりに勉強し美しい所作や姿勢を研究しています 煎茶道 黄檗売茶流 総師範

深思庵 霜仙

煎茶道お手前や所作などの身体の使い方、動かし方を自分なりに勉強し美しい所作や姿勢を研究しています 煎茶道 黄檗売茶流 総師範

最近の記事

音を立てない

お道具を扱う時の注意点に丁寧に扱う事があります。 当たり前のように思いますが、どうすれば丁寧になるのかわかっている人は少ないのではと思うのです。 お道具をゆっくりゆっくり移動する事が丁寧に見える訳ではありません どちらかと言えば「おっかなびっくり」に見えるのではないでしょうか? ではどうすれば良いのか お道具を扱う時に音を立てないという事です 取る時も勿論ですが特に置く時です 置く時にそっと置いて十分安全を確認して手を離すのです 置いてから手を離すまでに少し時間があります 移

    • 覆い被さって押さえ込んで取って吊り上げる

      お道具を扱う時にどの道具も同じ重さの様に扱うとあります 重い道具は軽く、軽い道具は重く扱うのです しかし、重い道具を軽そうにと言うよりも軽い道具を重そうにの方がわかりやすいかもしれません どんなお道具もその質量を同じに感じられる様に扱つかう事だと思います それの一つの方法が 「覆い被さって押さえ込んで取って吊り上げる」だと思います お手前で座った形から先ず、腰を入れて前傾になり道具の上へ覆い被さる様になり道具を上から押さえ込む様に取ります そして、道具は重そうに吊り上げて持ち

      • 玄関の作法

        玄関の作法 今回は、お手前から少し離れて玄関での作法、振舞いをお伝え出来ればと思います 今日、玄関は随分と狭くなり本当に出入口になってしまった様に思います その玄関に入りますと下駄箱があり下駄箱の上にはお花やら飾り物などが置かれています 例に漏れず私の家の玄関もこれと同じです 玄関の下駄箱のある方は下手、反対が上手になります 今ではいろいろな考えがあり下駄箱に花などが飾ってあったら上手と言うのもありますが、やはり飾っていようがいよまいが下駄箱は下手だと私は思います ただ私

        • 方向転換(反対の足で舵を切る)

          方向転換(反対の足で舵を切る) 前回は歩き出す時にどちらの足から進むか、または茶室等に入る時もどちらの足から入るかをお話しました 今回は止まっていて歩き出す時に方向を変えるやり方について説明したいと思います 黄檗売茶流では行く方向の反対の足で舵を切ります 例えば立っている所から左の方へ行く時は右足で舵を切ります 右足のつま先を左側に向けて次の一歩は左足で左の方へ出します この時舵を切る右足は最初揃えて並んでいる左足に触るぐらいの場所で方向を変えます 右足が内股の様になり次は

          足の運び(柱付き)

          足の運び(柱付き) 黄檗売茶流では立礼になり座って部屋に入る事が無くなりました ですから茶道口からお茶室に入る場合も立ったまま出入りします この時お茶室に入る時も出る時も敷居を越える足は柱付きです 例えばお茶室の壁に向かって左手に茶道口があればお茶室から出ていく場合は左足で超えます お茶室に入ってくる時は右足で超えます 向かって右側に有れば出て行く時は右足で超え入ってくる時は左足で超えるのです つまりどんな時でも柱付きの足で越えるのです これは、武士の礼法で柱付きの足で部屋

          足の運び(柱付き)

          目線

          お手前の中で大事な物の中に「目線」があります 目線はその場を支配するほど重要な要素で礼法の中では挨拶する時に相手の目を見ないとされています 相手顔の鼻から口元あたりを見て挨拶をします お手前の中でも「伏し目」または「半眼」と呼ばれ目線を上げません 一番高い目線の位置がボーフラの辺りです 正面からお手前を見ると目を閉じていように見えるのです 坐禅の時の目と同じです お手前の中では「目で取って身体で取って手で取る」ですから先ずは道具を見るのですがあまり大きく目線を動かすと言うより

          椅子に座るのは難しい

          日頃何気なく座っている椅子ですがお手前での座り方は苦手ですとある社中さんが仰ってました 生活の中に椅子はたくさんあります、今や椅子に座っている時間が一番長い人も多いと思います。 デスクワークの椅子、ダイニングの椅子、リラックスできるソファー、電車の椅子、公園のベンチ等等、正しい椅子の座り方は諸説あると思いますが私の思う黄檗売茶流でのお手前の時に座る座り方を説明したいと思います。 正座をした時には骨盤の位置や角度が決まり安いですが椅子に座るとそうはいきません お手前で使う椅

          椅子に座るのは難しい

          美しい構え

          お手前をしている中で構える場面はいくつかあります 最初に椅子に座って居住いを整え構える! この「構える」が難しいと思うのです 美しく座るの回にも通ずる所ですが美しく座るの回では下半身の話が多かったのでこの美しい構えの回では上半身に付いて話したいと思います しっかりと椅子に座り下半身が安定したら背筋を伸ばすように、胸椎を伸展します 胸椎を伸展すると言うと分かりにくいかもしれません 肋骨の真ん中のつなぎ目のような場所である胸骨を上に向ける感じです 肋骨自体が回転する感じでもありま

          手首

          お手前で指先に続いて大事な所が手首です 手首はお手前のお道具を持つ形を決める重要な箇所だと思います 肘から中指の先までが真っ直ぐになっているのが大事です 自分では真っ直ぐだと思っていても曲がっている事があります 日頃の生活で肘から中指の指先まで真っ直ぐを意識する事はほとんど無いと思います ですから日頃から意識をする必要があります 真っ直ぐの感覚を覚えていつでも直ぐに真っ直ぐ出来る様になる事だと思います どんなお道具を扱う時もどんな所作を行う時も手首は曲がる事はありません これ

          指先

          お手前を行う時に大事な事はいくつかあります。 中でも指先には神経を集中させます。 お道具を取扱うのですからとても大事です。 その時の指先は揃えます。 人差し指から小指までの4本はミトンのグローブのように揃えて離れる事はありません。 また、構えた時やお道具を取るまでの動きの中では親指も揃えます。 丸いお道具を持つ時にはそのお道具に指は添いますがそれぞれの指は離れない様にします。 よくやってしまうのが小指を一本離してしまう事です。 これは良くありません。 ただ、男性など手が大きい

          力を抜く

          お手前では力を抜く事が大事です 私が一番言われたのは「肩の力」 姿勢を良く胸を張ってお手前をしているとついつい身体に力が入ります 中でも肩には終始力が入っていた様に思います 肩に力が入るといかり肩になり肩や腕の動きに影響を与える様です しかし分かっていても肩の力を抜く事は難しく中々抜けませんでした 今でも抜けていない事も有るかもしれません それほど力を抜く事は難しいと思いますした 肩の他は「奥歯」 奥歯を噛み締めるのも良く無い様です 奥歯に力が入っていると目線や顔がキツくな

          ボヤーっと見る

          目で取って身体で取って手で取る 目で取ると言う事は見ると言う事です これから取るお道具を見る事です 見ずに取る事は絶対にないですよね しかし、見ると言っても凝視する事は違います キツイ目で見てはいけません お道具を見る時はボヤっと見るのです 目の焦点がお道具の向こうにあるぐらい または、お道具を見ながら周りも見えている様な そんなボヤっとした視線で、優しく見ます お手前中ボヤっとした視線で全体も視野に入れて所作を行います そうする事によってお茶室全体が感じられるようになり本当

          ボヤーっと見る

          目で取って身体で取って手で取る

          黄檗売茶流のお手前で最も基本的な動きに「目で取って身体で取って手で取る」です 先ずこれから扱うお道具を見る そして身体が入り その後に手が出てお道具を取ることです 普通の動きでは取りたい物を見たら先ず手が出て取りたい物を取りに行くいきます それで届かないと身体を寄せて取りたい物に近づいて取るのです それを見たら次に身体を近づけてその後手で取る この事によってお道具を取る所作が安全に行えるとともに見ている人には安心感が伝わると思います 目・身体・手と言う順番ほ中々身に付きません

          目で取って身体で取って手で取る

          美しく座る

          美しく座るといっても私たちは座礼ではなく立礼です 正座ではなく椅子に座ります 前々回の「美しく立つ」前回の「お辞儀」にも通ずるところですが椅子に座る場合も背筋は真っ直ぐ、胸骨を上に向け方の力は抜いてすわります 椅子の座面には引っ掛ける程度に浅く腰を掛け膝は90°から90°以上が望ましです 骨盤は立てて軽く腹筋にも力が入っているぐらい背中が丸くならないように背筋にも意識して首が前に出ない様にします 反り腰の方は反り過ぎない様に腹筋で背骨を後ろへ押して反り過ぎを防ぎます 胸骨をし

          お辞儀

          黄檗売茶流では35年ほど前から立礼のスタイルでお手前をします テーブルと椅子でお手前する事が正式としているのです その為、前回の「美しく立つ」にも書きましたように立っている事も多いですし、立って状態でお辞儀をします 美しくお辞儀する事も中々難しい事です 立つ時と同じように真っ直ぐに立ち身体が折れ曲がる所は股関節です その他の関節は曲げません 「く」の字のように折れ曲がります この時に股関節(お尻)を後ろへ移動する、お尻を後ろへ引きます これで「く」の字になる訳です お尻を後ろ

          美しく立つ!

          お稽古を始めて最初に難しいと思ったのは、美しく立つ!美しく座る!です。 お手前の中では、手は前に出すのに肩は前に出さない! 姿勢が悪く猫背気味の私にはとても難しい事でした。 美しく立つ! それまでは、あまり考えた事がありませんでした。 美しく立つにはどうすれば良いのか? 知り合いのピラティスの先生に相談をして教えてもらったのが、腹筋で背骨を伸ばす! 腹筋の力で背骨を上へ上へ伸ばして行く。 実際にら身長が伸びる訳ではありません。 イメージして伸びて行くのです。 すると、首が立

          美しく立つ!