ひとつだけの澄み切った青空があるだけなんだ
飛行機が飛んだ。
窓の外はしばらく真っ白の雲しか見えなかった。
人生3回目の飛行機に乗った次男に聞いてみた。
「雲の上には、何があると思う?」
次男は少し困ったように言った。
「うーん、わかんないな…。何があるの?」
私は意味深ににっこりして言った。
「青空。雲の上には必ず、雲ひとつない青空が広がっているんだよ」
次男は、ふぅーんという感じで聞いていた。
私がなぜ意味深に言ったのかは、まだ次男には話さないことにした。
数年前に読んだ本の中に、このお話はあった