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読書感想文 10(新版 思考の整理学)

新版 思考の整理学(2024)
外山滋比古著 筑摩書房編

私の疑問

 こんにちは、アニオタアラサーです。書店で、東大生、京大生の必読書!というキャッチコピーが目に入り、衝動買いしてしまった本です。ちなみにあとがきによると、1983年の初版の時から東大生に大人気だったそうな。

bookwalkerのリンクはこちら。

この本から以下の6点について、お話しします。
1. 情報のメタ化
2.メモ取るの大事
3.スクラップ
4.忘れる
5.すてる
6.思考と知識のハイブリッド


1.情報のメタ化(p76-p81)


 最近のニュースは、起こった事やそこに関わる人間関係等しか報道しない。まあ時間制限と文字制限があるから仕方ないかもしれない...
 そこから、より抽象的に、ここの地域では若者が多いからとか工業地帯があるからと言ったことまで考える人があまりいなくなった。
 このニュースで報道される情報のことを第一次情報、そこの背景まで考えるのが第2次、よりメタ的に歴史とつなげたりするのが第三次という解釈があると著者は述べています。
 第1次情報から第2次メタ発想、第3次メタ・メタ発想へ広げていくのが、思考の深め方だそう。
 東大入試には、あるバスの時刻表を見せて、地方か都市部かどっちでしょうという問題があるとのこと。普段バス停でボーとしてると気付きませんが、都市部の方が通勤ラッシュの時間は本数が多いや、1時間に何本バスが来るかという違いがあります。これに答えれた受験生は著者のいう第二次の発想ができていたのでしょう。
 この頃のsnsではニュースで言ってたからといって、そっくりそのまま引用して、内容を勘違いしてる人がいますが、やはり、情報発信するのなら裏付けは必須でしょう。こう思ったー、感じたーくらいの感想ならいいですが(ここで私も似たようなことしてますし🤪)、誹謗中傷につながることは、裏付けした上で責任持てる人が覚悟をして、発信してほしいところです。私も気をつけたいと思います。

2. メモ取るの大事    p.100-106

 著者は、素晴らしいアイデアというものは、寝かしてから、熟すのを待つ必要があると別の章で述べています。そのためには、いつでも思いついたことを書けるように、その場でメモをつける癖が必要。いつでも手が届くところに置くことを推奨しています。著者は手帖をお勧めしていますが、スマホがあればいつでもできますね。しかし、著者がお勧めしているメモを書き込む時には、ちゃんと日付と見出しとページ数を振っておくことは、スマホでも一緒なので真似したいと思います。

3. スクラップ p82-87

 このスクラップブックという考え方は、私がオーストラリアで中学生だった頃に現地の授業の一環として習ったものです。自分の興味のあることの記事や本の切り抜きを集めることで、著者の意図であるアイデアの幅を広げることはもちろんのこと、英語の習得にも役立ったと今思い返しています。

  著者は、スクラップブック作成方法を以下の2つ紹介しています。
 a.ノートに貼り付ける方法と
 b.スクラップブック用の貼り付け用紙に貼っていく方法

 著者のおすすめは、気になったところをコピーして切り抜き、封筒に入れておく。この封筒はタイトルをつけて関連した記事を入れておく方法です。
 
 私はaの方法を学生時代に使っていましたが、最近は気になった記事をスマホのリーディングリストやお気に入りに追加してます。

4.忘れる

 著者は、睡眠の機能は、頭の中を整理して、必要な情報を残し、不必要なものをなくすというものであるとして、倉庫式教育、つまり詰め込み教育は、うっかりすると脳爆発させなかったとのべている。情報を与えすぎていたのだ。   
 脳の忘れる機能にも限界があるため、記憶するだけが得意の人間だけが生き残ってきたのでしょう。まあ、爆発する前に防衛本能として反抗期と学内抗争があったので、結果的に爆発することはなかったのですが。
 しかし、今は情報過多の時代、詰め込み教育でなくとも、SNSやYoutubeで脳が爆発するまで情報が強制的に詰め込まれます。
 この脳の忘却機能を働かせなければ、アメリカで流行りの燃え尽き症候群やうつ病にも繋がってしまうのではないでしょうか。
 みなさん、忘却機能がよく動く、睡眠を大切にしましょー。
 著者は、自分の興味あることしか脳は覚えないと言っているので、忘れたことは自分が無意識に興味がなかったということで気楽にいきましょー。

5.すてる


収穫逓減の法則

"一定の土地で農作物を作るとき、それに投じられる資本と労力の増加につれて生産高は上がっていくが、ある限界に達すると、今度は生産が伸びなくなって行く現象"

p133

 興味のあることについて、ある程度の知識が貯まると最初の興味が薄れ、新しく学ぶことがなくなってくる現象に、この法則が似てるということだ。興味がなくなったものは、すぐに捨てていかないと部屋がものだらけになってしまいます。今流行りの断捨離を進めていきましょう。

 これまで、主流だったコンピュータ人間つまり言われたことだけがものすごく良くできる人、そして、コンピュータ人間を教育してきた教育機関は変革が必要である。なぜならAIという記憶も計算も人より数万倍早くできるものが来たから。
 この本の初版は、1983年発行、詰め込み教育全盛期。
 それから日本の教育は、詰め込み教育、ゆとり教育、脱ゆとり教育ときましたが、経済、文化の面において、平成の時代に何一つ新しいものが生まれず、低迷するだけの結果となってしまいました。
 しかし、今はAIやデジタル改革が叫ばれている令和。ここには教育が含まれてはいますが、コンピューター、タブレットを導入しようや電子黒板、プログラミングを教えようなど、著者が提唱するグラインダー人間ができてしまいそうな気がする内容です。いわば教育において、著者の述べる記憶と再生の能力が重視された時代の産物ですね。飛行機のような、自立飛行のできる人が育つ教育改革は、果たして起きるのでしょうか?

 以下の東大特別講義の著者の言葉は、これからの生き方のヒントになると思います。

コンピュータが普及した現在、完全な知識を記憶することに固執する必要はない。より速く情報を入れて、不要なものはどんどん忘れる。その上で必要なものを残す。そうすることで新しい発想が生まれる。

p239

6.思考と知識のハイブリッド

 著者、今後の若者には、ぜひ知識と思考を活かして、新しいことに挑戦してほしいと述べていた。
 考え方としては小説家がそうなのではないか?あまりに現実からかけ離れた物語では売れない。ある程度現実にある事を書かなければ面白くない。
 ちょっと前の流行りのハーレムアニメでも、1人の男子に複数の女の子が告白するということは、あまりないが、各女の子の性格は現実味がある、といった感じだ。
これぞ現実味を残しながら、思考した結果の体現といえる。

まとめ

 まとめとして、やはり東大生が読む本だけあって、いろんな生活のヒントが書かれていたと思います。昔から忘れっぽい性格の私としては、ただただ、無意識がものごとに、興味がなかったから記憶できなかったのかと実感できました。やはり睡眠が脳には大事ということを再確認できたので、無理せずさっさと寝ることを、ここに宣言します。
 この本の続編があるそうなので機会があれば読みたいです。

 ここまで読んでいただきありがとうございました。よければいいねをお願いします。興味を持った方は、リンクを最初に貼りましたのでそちらから買ってみてください。

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