#75 なぜ縦書きは左利きに優しいのか?歴史的な視点から考える
右利きという多数派社会では、左利きは肩身の狭い思いを常にしています。
左利きの子自体は特別支援教育の対象ではありませんが、個別支援は必要です。
さて、今回は小学3年生から始まる習字について考えてみたいと思います。
お子さんが左利きで自分は右利きという親御さんはぜひ知っておいたほうがよい情報かと思います。
その前に、縦書きの方向がなぜ右から左なのかについて考えてみます。
作文など書く際、右利きの人は、小指側の手の側面が書いた字にあたり、真っ黒になります。横書きのノートなどでの場合は逆で、左利きの人の手の側面が真っ黒になります。
この世は、右利き多数派社会なのに、どうして縦書きだけ左利きに優しいのか疑問になり調べてみました。
すると昔の筆記用具は毛筆及び巻物を使っていたことと関係があることがわかりました。
右から左に書く理由
①筆が紙にひっかることもなく文字が書きやすい。
②巻物の丸まっている部分が右側にあると、右手がふさがってしまい字が書けない。
つまり、巻物を左から右に動かすよりも、右から左に動かす方が滑らかに行うことができるからだということがわかります。
さらに、実際に筆に墨をつけて書くことを考えると、右利きの人にとって硯は、右側にないと書きにくいです。
ちなみに、左利きの子が左手で筆をもつ場合には、硯は左に置かないと書きにくいので、左側に置くよう指導が必要です。
西洋文化が入るまでは、縦書き文化だったことを考えると、やっぱり昔から右利き多数派社会だったことがわかります。
その縦書き文化が、国語の授業だけ踏襲されているため、鉛筆をつかってノートを書くときや、原稿用紙に作文を書くときにだけ、左利きに優しくなるというからくりがあるのです。
では、左利きの子が習字するときってどうすればいいの?
今日はこのへんでおわります。
続きはまた次回に。それではまた。
参考になる方がいたら幸いです。