見出し画像

#74 「算数障害の克服への第一歩」~ 数処理の基本から、算数障害克服のアプローチをご紹介~

算数障害には、次の4つの領域があると言われています。
①数処理(数字・数詞・具体物の対応)
②数概念(基数性と序数性)
③計算(暗算・筆算)
④推論(文章題)

算数障害といえば、この4つのうちのどれかの理解に著しい困難を示します。
詳しくしりたい方は↓

このうちの数処理について、今回は説明していきたいと思います。
この数処理とは、具体的に言うと、1年生の1学期に学習する内容にあたります。
算数の学習積み上げ教科なので、ここで躓くと、これからずっと躓くことになるので、早めに気づいてあげないといけません。
知らないでできないのと、習ったのにやっぱりできないのでは大きく支援の方法は異なります。

子育て世代のみなさん、子どもの宿題をやっている姿を見たことありますか?
ちゃんとできていると信じてチェックしたことなんかないという方がいたら、1度宿題の様子をご覧ください。

1,2年生のうちは面倒であっても、家庭で宿題を困難なくできているのかチェックをし、必要に応じて支援をしていくことは大切です。

「1年生だから、まだいっか!」
では手遅れになります。

①数処理(数字・数詞・具体物の対応)
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10のように表される数字(アラビア数字)が数を示します。
この数字は次の数詞とともに理解することで、順序と量の理解ができます。

数詞とは、いち、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち、く、じゅうのように、数量は順序を数える言葉のことを表します。

具体物とは、りんごやぞうさんなどの身近な食べ物や動物などのこと。
実際のリンゴなどは、授業での使用は難しいので、教科書の挿絵にあるリンゴなどを具体物として取り扱うことになります。
具体物だからといって本物を用意しなければいけないわけではありません。
ですが、本物があった方がより理解は深まることは間違いありません。

1年生の算数の学習では、数図ブロック(算数ブロック)

算数ブロック

という半具体物を使用し、教科書の具体物(絵)とブロックを1つ1つ対応させていきます。

1年生のお子さんがいる方なら、一度は算数の教科書を見たことがあるかもしれませんね。
一番はじめに学習するのは、
「なかまづくりとかず」という単元で、
教室を上からみた絵があり、クラスの生徒はみな動物。
きつね、かば、パンダ、ねこ、ぶた、いぬなど。
先生はなぜかライオン。
強いイメージがあるからなのかな…
教室にいる生徒が何人いるのかを指で数えさせたり、数図ブロックを使って対応させたりするなどの具体的な操作活動を取り入れながら数感覚を養っていきます。

さて、自分の子どもや、クラスの子がこの数処理に課題があるかどうかをどう判断するか?
という問題です。

例えば
〇〇〇〇〇〇〇〇〇
「ここにおだんごあるよ、いくつあるかな?」
「いち、に、さん、し、ご、ろく、なな、はち、きゅう」
「9個」
となればいいのですが、
「いち、に、さん、ご、ろく、なな、はち、きゅう、じゅう」
「10個」
のように数えとばしをしたり、
「いち、に、さん、し、ご、ろく、なな、はち、きゅう、じゅう」
「10個」
のように同じおだんごを2回数えてしまったりして、正しく数えられない場合があります。

このような状態だと、ブロックでの1対1対応もうまくできず、数処理で躓くことになります。

また、
「先生が今からいう数を数字でかいてみよう」
「はい!」
「にじゅういち」
「201」
と書く子がいます。
このように書いてしまう子は数字を読む時にも
201を「にひゃくいち」でなく「にじゅういち」と読んでしまいます。

このように躓くと、これから数が大きくなったとき、数字の表記が理解できないことになります。

では、どうしてつまずいてしまうのか?

継次処理能力に課題があると考えられます。
これは、「いち、に、さん、し、……じゅう」
のように数を順番として理解する能力のことです。

他にも、不注意から間違う場合が考えられます。

また、短期記憶力が弱いために数えたおだんごがいくつだったか忘れてしまっているのかもしれません。

このようにいくつかの原因が考えれます。どれにあてはあるのかは実際に学習している様子を見ないことにはわかりません。
だから、宿題をやっているところをチェックする必要があるのです。
プリントやテストの結果だけみてできないことをなげいていたら、手遅れになります。

ではどうしたらよいのか?

数え歌などを流して一緒に歌う。
おそらく、保育園や幼稚園などでもやっているのではないでしょうか?

家庭で楽しみながらできるものもあります。
すごろくです。

すごろくはサイコロを使用します。
サイコロの目とコマを動かす数を対応させるのはこの、数処理理解にピッタリ。
数処理が苦手な子でもすごろくは大好きです。
一緒に数を唱えながら、コマを動かしていきます。
そうすれば、自然と数感覚を養うことがでます。

以上、数処理についてでした。

次回は、数概念についてです。
それではまた!

参考になる方がいたら幸いです。







いいなと思ったら応援しよう!