いいなり【摂食障害のお話】 #4
摂食障害になる人の多くは
幼少期に受けた心の傷や寂しさを持っているといいます。
前回の話はこちら。
幼少期の傷②
アダルトチルドレン
そのような言葉は当時知りませんでしたから、気づくのは大人になってからです。
父親はアルコール依存症でした。
何もフラッフラに酔っ払ったり、手が震えるのが依存症ではありません。
飲んでるうちに、いつのまにかアルコールの量が増えていくのは良くある話で、そのうちに依存性と耐性が上がっていくので、気づいた時には自分の意思ではやめられません。
これは否認の病と言われています。
否認とは、自分が依存症とは認めないこと。
とても厄介なこの病。
詳しくはまた別の機会にお話ししようと思います。
小学生の頃の記憶
何故か、その男は仕事に行ってるはずなのに、平日の昼間にちょこちょこと家に戻ってくるのでした。
学校から帰って家にいる私は、車のエンジン音がするたびドキっとします。
玄関のドアが勢いよく開けられ、ドタドタと足音を立てて入ってきます。
木造の一戸建ては、あの男の歩く振動や声を
2階の部屋にまでよく伝えました。
居間から大声で呼びつけられます。
それはとても大きな声なので、ドアが2つ隔てているというのによく聞こえてきます。
何事かと思うくらい怒鳴りつけられるので、慌てて降りて行くと、部屋が散らかっているだとか、食器を洗えと言いつけられるのでした。
私は黙ってその通りのことをしました。
友達が遊びに来ていてもお構いなしです。
怒鳴りつけられるので、友達を部屋に待たせておいて、私は居間の片付けや食器洗いをしました。
友達の前で、怒られたり殴られたりしてる自分がみっともなくて、皿洗いをしてる自分が恥ずかしくて、そんなことを見せつけてくる父親が嫌でした。
憎しみは募れど
力では敵わない相手です。
まだ小学生だったので
その家から出て生きていくことも出来ません。
うかつに家出などしたら、戻った時に何をされるかわからないし、家にいれてもらえるかもわからないので、下手なことは出来ませんでした。
帰る家があるのは愛されてる証拠じゃないでしょうか。
家出したとか言ってる友達を、それは家出ごっこだよって、口には出さないけど思ってた。
その頃できた精一杯の反抗
私は、家の中に落書きをしました。
部屋の壁の下の方。
大人は、なかなか見つけられない場所。
でも、もしかしたら発見されるかもしれない場所を選んで。
“おとうさんだいきらい〟
もし見つかったら
また自分が痛い目にあうというのに。
精一杯の反抗でした。
その頃できた精一杯。
✴︎
何も私の意見は通りません。
どうしたいか聞いてくるくせに
何も聞いてはくれません。
だんだんと自主性は奪われ
意思をなくしていくのでした。
どうせ言っても無駄。
現在も、そんな風なところは残っています。
何かをしたいとか決めたいとかはないです。
休日の予定も旅行のスケジュールも
決めたい人が決めてくれて、それに従うだけです。
やりたいのに出来ないとかじゃないので
苦ではありません。
ただそういう性格の人になった、という感じです。
✴︎
摂食障害は、単に痩せ願望とか誤解されがちですが違います。
原因はもっと深いところにあります。
食べ方とかいう単純な話ではありません。
時には死につながる病です。
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