体も心も悲鳴をあげる飢餓期【摂食障害のお話】 #6
14歳で拒食症になりました。
この先20年も苦しむことになるなんて
思いもしませんでした。
拒食期。
だんだんと食べ物にこだわりが出て
食べる量が減っていき、それが快感になり
普通体型だった私は、ひと回り痩せて、芸能人のように細く可愛くなった気でいました。
詳しくはこちら。
今回は、拒食についてもう少し掘り下げた話をしますね。
拒食期というのは、身体に必要な栄養が届かず
飢餓状態にあります。
深刻、危険な状態であることに本人は気づかないことがよくあります。
飢餓がもたらす恐怖
飢餓実験
皆さんは、ミネソタ半飢餓実験というのをご存知でしょうか。
この実験では、カロリー制限をしている時期と、回復期における状態を理解する目的で実験が行われました。
カロリー制限中、被験者たちの心身に変化が見られます。
・体温が下がり、常に寒けを覚える。
・心臓のポンプ機能が弱くなり、心拍数と回拍出量が減る。
・血圧が過度に下がる。
・活発な脳の代謝に必要なカロリーが少なくなるので認知機能が弱くなり、倦怠感を覚え、集中力が欠如する。
・体を動かすのに必要なカロリーが少なくなると、動けなくなり、身体活動が不活発になる。
・爪が割れ、髪が抜ける。
精神的にも悲惨な影響が見られます。
被験者は、強烈に食べ物に魅せられるようになり、集中力を失っていきます。
✴︎
経験した方や、渦中にいる方なら納得していただけると思いますが、これはまさに拒食期の症状です。
過食嘔吐でも栄養が足りなくなっている状態であれば同じような症状が起きるでしょう。
拒食期はまさに飢餓状態
私は約20年間も、自分のことを冷え性の寒がりだと思っていましたので、いろいろな方法で冷えを取ろうとしたり、人一倍重ね着をして過ごしていました。
これはカロリー不足の飢餓状態が原因だったということです。
もちろん被験者同様、私の心拍数は少なく、いつも血圧は低めでした。
倦怠感と集中力のなさも、なるほどです。
車の免許を取ってからは、ほぼ毎日運転をしていましたが、よく事故を起こしていた時期があります。
1年間に何度も、事故を起こしたり、車をぶつけていましたから、保険料はバカ高いものでした。
特に顕著に集中力に欠ける日、事故は起きます。事故の瞬間は毎度のように思うのです。
あぁ
やっぱりやってしまった。
過食嘔吐で身体はボロボロ、常に倦怠感がつきまとい、食べ物のことが頭から離れず、上の空で車を運転していたのです。
しばらくして、車は手放すことにしました。
怪我をして救急車で運ばれたこともありますし、
愛車は廃車になってしまいました。
幸いにも死なないで生きています。
拒食になって数ヶ月した頃には、体だけじゃなく髪の毛も痩せ細っていました。
卒業アルバムのその娘は、15歳には見えないほどのパサパサの艶のない髪をしています。
その後、パサついた髪は抜け落ちて、もっと悲惨な状況になっていきます。
艶々の髪にどれだけ憧れたことでしょう。
この話は長くなるので、またお話しますね。
こんな私ですが、拒食も過食も過食嘔吐も
ひた隠しにして生きていましたから、多くの人は気づいてないでしょう。
普通の女の子を演じていました。
今の私からしてみたら、ツッコミどころ満載なので簡単に見抜けると思うんですが。
あなたは、どこからどう見ても病気だよと。
これだけ、長い間つきあった病気です。
摂食障害だろうなという子は、見てわかる時があります。
それは整形した人が、どこを整形してるか見てわかるというのと似ているかもしれませんね。
リバウンドのメカニズム
1919年に行われたワシントンでの飢餓実験でも興味深い結果が出ています。
研究の対象となった被験者は、1日1400~2100キロカロリーの食事を摂ります。これは、通常の摂取カロリーより30%削減された食事です。
被験者の総エネルギー消費量も30%減少していたことが判明しました。
これは、摂取カロリーを減らした分だけ、体はバランスを取ろうと消費カロリーも減らすよう勝手に調整しているということです。
そして、厄介なことに、減った消費カロリーはなかなか元に戻らないという性質があります。
消費カロリーは減ったままなのに、食欲は抑えられない → 体重増加
そして、いつのまにか元の体重以上になってしまう、これが俗に言うリバウンドです。
現在のわたし
最後に少し補足しておきますね。
現在、あの極度の冷え性は改善しています。
しっかり食事を摂って、吐くことをやめて、心身をいじめることをやめた結果、あの病的な寒がりは嘘みたいに何処かへ飛んでいきました。
私たちの体は食べ物でできています。
体質は変わるということを身をもって実感しています。
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今渦中で苦しんでいる方やサポートする方へ。
少しでもこの病気への理解を深め
それに立ち向かう希望を与えることが出来たなら、なにかの糸口になれば、と願っています。
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