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知っているようで知らない!?日本の教育制度について

知っているようで、案外知らない!?

日本の教育・学校制度についてまとめていきます。今回は義務教育について、まとめてみました。

私も、オランダの教育現場に視察に行くようになって、オランダの教育制度を知り、学校について学びを深めました。その対比で、日本の教育制度について、学ぶ機会に繋がっています。

進路の選択肢が増えた時代にはなりますが、すべてにおいて制度がおいてついているわけではありません。日本に住んでいる以上、日本の教育制度を理解した上で、進路選択を考えていくことが大切であると思います。

あらためて、日本の教育制度を一部ですが、確かめてみましょう。

そもそも義務教育って何なんだ?

日本国憲法では第26条で「国民は教育を受ける権利を有する」こと、【義務教育の無償】であるとされていて、教育を受ける権利があります。

第二十六条
1、すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
2 、すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

(引用元:日本国憲法(条文抜粋)|文部科学省


義務教育年限は、小学校6年間、中学校3年間、合計9年間と定められています。日本では、義務教育を学校以外で行うことは、認められていません。そのため、就学が義務になっています。

義務教育の目的

義務教育の目的は、学校教育法の第5条2項に記されています。

第五条
2、義務教育として行われる普通教育は、各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い、また、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的として行われるものとする。

(引用元:学校教育法|電子政府の総合窓口

社会の一員として、自立し生きていくための基本や基盤にな力を養うことを目的にされていますね。

▼小学校の場合

小学校では、普通教育の基礎的な教育を行うという目的です。普通教育=義務教育ですので、心身の発達に応じて、一生涯に渡る学習や学ぶということの基礎、基盤の習得すること。また子どもがこれらを活用して課題解決するために必要な思考力、判断力、表現力等の能力を育むとともに、自分の人間性の基盤を養うサポートがされています。

小学校における義務教育の目的は、学校教育法第29条により定められています。

第二十九条 
小学校は、心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育のうち基礎的なものを施すことを目的とする。

(引用元:学校教育法|電子政府の総合窓口

▼中学校の場合

小学校での基礎の上に、より自分と社会との繋がりや、学問を活用して課題解決するために必要な思考力、判断力、表現力等の能力や将来を見据えた人間性の基盤を育むサポートがされています。

中学校における義務教育の目的は、学校教育法第45条により定められています。

第四十五条 
中学校は、小学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育を施すことを目的とする。

(引用元:学校教育法|電子政府の総合窓口

学習指導要領について

学習指導要領は、文部科学省が定めている学校教育における教育課程の基準です。全国のどの地域で教育を受けても、一定の水準の教育を受けられるようにするために定められたものです。教科書や時間割などは、学習指導要領を元に作られています。10年に一度、改定されています。

どのような学校も、学習指導要領に従った教育を行うことが求められています。学習指導要領は、幼稚園、小学校、中学校、高校、ぞれぞれの段階別に作成されています。各教科、科目について、履修すべき単位数や履修方法などが定められているものです。

ちょうど新学習指導要領へ移行のタイミングです。スタートのタイミングは、小学校:2020年度~ 中学校:2021年度~ 高等学校:2022年度~です。

(詳細:文部科学省/新学習指導要領「生きる力」)

就学の際の学校選択

公立学校の場合は、通学区域が定められています。近年は、通学区域を越えて学校が選べる学校選択制を取り入れる地域も増えてきています。

国私立学校の場合は、通学区域などの設定は特にありません。

ホームスクーリング(家庭教育)について

学校教育法にて就学義務を規定されています。日本では、学校でしか義務教育は受けられてないとされています。そのため、義務教育を家庭で行うことは、認められていません。

義務教育を受けない場合

法律では、学校での就学が義務だとされています。しかし親の教育方針や宗教などにより、就学をせず、違う教育機関で教育を受けるを選択する場合があります。それは、義務教育を受けないということになります。代表的な例が、国内のインターナショナルスクールに通わせる(日本の国籍を有する子ども)の場合です。また親の教育方針で、オルタナティブスクールやフリースクールへの進学を選ぶ場合も同様です。

学校教育法第1条に、文部科学省における学校を幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校とするという記載があります。そのため、インターナショナルスクール・オルタナティブスクール・フリースクールなどの各教育機関は、無認可(文部科学省管轄外、国が学校とは認めていない)の教育機関となります。

日本国籍を持つ子どもを、科学省が認める学校以外へ無断で通わせると「義務教育違反」となるため注意が必要です。インターナショナルスクール・オルタナティブスクール・フリースクールへ通学するには、教育委員会へ事情を説明し、手続きが必要となります。手続きが受理されると、公立の小学校または中学校において「在籍」扱いとされ、「不登校扱い」となります。

不登校がなぜ問題になるのか

現在、日本では不登校が大きな問題になっています。日本は、原則、義務教育は学校でのみ受けることができると定められているため、通学しないと受けることができないものになっています。そのため、通学ができない不登校の状況になると、子どもが義務教育を受けることができない状況になり、子どもの教育を受ける権利、義務教育の履修が行えないため、大きな問題として考えられています。そのため、不登校の子どもをいかに学校へ戻れるようにするかというアプローチが行われてきました。

不登校サポートの現在(2020年5月現在)

学校生活において、様々な要因で通学を継続することが難しくなった場合の子どもたちの教育について、様々な動きが出てきています。近年子どもが学校へ戻る・戻すことよりも、子どもの教育の機会をいかに守れるかという動きが進んできています。子どもの心身を守り、教育の機会を守る動きが認められてきています。

1、特例校の設置

平成17年7月から、特例が認められることとなりました。特定の学校において教育課程の基準によらず、特別の教育課程を編成することができるという特例です。不登校の子ども達の実態に配慮した、特別の教育課程を編成する必要があると認められる場合、特定の学校にて教育課程の基準によらずに特別の教育課程を編成することが可能になりました。現在、特例校は全国で12校あります。

特例校の設置状況

2、不登校児童生徒への支援の在り方

令和元年10月25日に、文部科学省から通知された「不登校児童生徒への支援の在り方」により、不登校児童生徒に対する多様な教育機会の確保が実施されるようになりました。いくつかの条件を満たした場合、学校外の学習や指導やが出席扱いと判断されることになりました。

(引用:文部科学省/「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」)

学校における児童生徒の評価方法

学習指導要領の示す目標に照らしあわせて、「目標に準拠した評価」(いわゆる絶対評価)で評価されています。学習指導要領に示す目標がどの程度実現したか、その実現状況を見る評価のことです。また、学習指導要領の目標・内容・実現状況の把握のために、全国的な学力調査(全国統一テスト等)も実施されています。

学校の学期性と長期休暇

日本の小・中学校は、4月に始まり翌年3月末までを1年間としています。学期は2学期制、3学期制の学校がありますが、現在3学期制の学校が多くみられます。

<3学期制>

4月~7月  1学期
7月下旬~8月下旬  夏休み
9月~12月  2学期
12月下旬~1月上旬  冬休み(約2週間)
1月~3月  3学期
3月下旬~4月上旬  春休み(約2週間)

小学校について

6歳~12歳の子どもたちは、小学校へ通学します。6歳の誕生日を迎えたらあ、次の4月に小学校に入学します。年齢に達していない子どもは、入学することはできません。支援が必要な子ども達も、別の教室やクラスが用意されており、一緒に学ぶ環境が整えられています。学校は、公立と私立があります。

1、学校の種類

公立小学校、私立小学校、国立小学校に分かれます。

私立小学校と国立小学校は、入学する際は受験があり、合格すれば入学することができます。

2、小学校の科目について

国語
社会(3~6年)
算数
理科(3~6年)
生活(1,2年)
音楽
図画工作
家庭(5,6年)
体育
外国語(5,6年)
特別の教科 道徳
外国語活動(3,4年)
総合的な学習の時間(3~6年)
特別活動

音楽や家庭科、体育などは、専門の先生により行われます。それぞれの専用の教室で行われます。音楽室には楽器、家庭科室には調理器具、体育館やグランドには運動器具があります。

その他の活動

クラスではクラス運営に必要な作業を各係で分担して行います。またいくつかの班に分かれ、クラス運営に必要な活動を分担して行います。活動の内容には、授業中のグループ学習をはじめ、そうじ当番や、給食当番などがあります。また、日替わりの日直などがあります。そのほか、学年に応じて、委員会活動など学校全体の活動に参加します。クラスや学年を超えて参加する、放課後のクラブ活動などもあります。

また、兄弟学級などの設定を行い、1年生と6年生、2年生と5年生など、伊学年での活動を実施している学校も増えています。

学校行事

日本の小学校には年間を通じて多くの行事があります。例えば、始業式、入学式、運動会、遠足、参観、学芸会、連合音楽会、林間学校、修学旅行、終業式、卒業式等があります。(地域によって異なります。)

中学校について

12歳~15歳の子どもたちは、中学校へ通学します。小学校卒業後、次の4月に中学校に入学します。年齢に達していない子どもは、入学することはできません。支援が必要な子ども達も、別の教室やクラスが用意されており、一緒に学ぶ環境が整えられています。学校は、公立と私立があります。

1、学校の種類

公立中学校、私立中学校、国立中学校に分かれます。

私立中学校と国立中学校は、入学する際は受験があり、合格すれば入学することができます。

2、中学校の科目について

国語
社会
数学
理科
音楽
美術
保健体育
技術・家庭
外国語
特別の教科 道徳
総合的な学習の時間
特別活動

自分のクラスがあり、担任の先生がいる場合が多いですが、少しずつ教科センター方式(生徒が自ら授業を受けに行く教室デザイン)などの学校も増えているようです。授業は、教科専門の先生が、それぞれの科目の授業を行います。

その他の活動

クラスではクラス運営に必要な作業を各係で分担して行います。またいくつかの班に分かれ、クラス運営に必要な活動を分担して行います。活動の内容には、授業中のグループ学習をはじめ、そうじ当番や、給食当番などがあります。また、日替わりの日直などがあります。そのほか、学年に応じて、委員会活動など学校全体の活動に参加します。クラスや学年を超えて参加する、放課後のクラブ活動などもあります。

学校行事

日本の中学校には年間を通じて多くの行事があります。例えば、始業式、入学式、体育祭、校外学習、参観、文化祭、連合音楽会、林間学校、修学旅行、終業式、卒業式等があります。(地域によって異なります。)

進級と卒業について

日本は「年齢主義」という考え方をもとにして義務教育を行われています。年齢主義とは、子どもの年齢と学級をそろえるという考え方になります。そのため、同じ学年には、同じ年齢の生徒が集まり、同じ年齢の子どもたちでクラスが作られます。

※「同じ年齢」とは、同じ学年の生徒同士の生年月日に1年以上の差がない状態のことです。

そのため、実際に就学している、していない、理解している、理解していない、などの理解度や出席日数に大きな差があっても、基本的に時期が来たら進級し、時期が来たら卒業します。

留年がありませんが、同時に飛び級がないのも同じ理由のためです。

一部例外はあるようですが、ほぼないようです。(校長判断と相談の上、合意があって決定されるようです。)

※私立の場合は、公立学校よりも留年の可能性は存在するようです。

教科書について

教科書は、民間の会社が学習指導要領に従って制作します。(小・中・高校のもの)作成後の教科書は、政府が検定を行い、合格した教科書のみが使われます。義務教育(小・中学校)の教科書は無料で配付されます。

給食

日本の小中学校の多くでは、昼食に給食が用意されています。子どもたちは、学校で先生やクラスメートと一緒に給食を食べます。給食は「学校給食法」という法律によって実施されています。この法律は、義務教育の学校における給食と、給食を活用した食の指導について定めています。学校給食は、第二次世界大戦後、国民全体の栄養状態が十分でなかった時に、子どもの栄養を補うために導入されました。現在は、子どもの心身の健全な発達を助け、食に対する正しい理解や食習慣を身に付けさせるとともに、配膳することを通じて仲間と協力することを学ぶという教育的な目的もあります。また、家庭で十分な食事を取ることができず、給食が拠りどころとなっているような子どものケースもあり、今も昔も子どものセーフティネットとしても機能しています。給食費は保護者負担の場合が多いようです。

学校給食実施状況について平成30年度(2018年度)調査結果の概要を発表した。国公私立学校の給食実施率は、小学校が99.1%、中学校が89.9%。学校給食費の平均月額は、公立小学校で約4,343円、公立中学校で約4,941円です。

引用:文部科学省

宿題

学校から、毎日何らかの宿題が出されることがあります。その多くは、家庭学習の習慣をつける目的のようです。そのため、教科書や文房具等は、毎日持ち帰ります。内容は、教科・科目の内容によっては様々です。長い休み(夏休みや冬休み等)にも宿題が出されます。

学用品・活動費について

勉強に使う文房具などの学用品は、個人で購入したものを学校に持参します。絵具・習字道具・裁縫道具・上履き・体操服・ジャージ・リコーダー等、学校から準備するように指示された備品は、保護者が準備します。ノートなどは学校が指定し、配布される場合もありますが、その場合も後ほど備品代として、保護者が支払います。

また学校における活動費用においても、保護者の負担です。

まとめ

学校は何のため?学校に行かなくてもいいんじゃないか?いろんな考え、選択ができる時代になりました。少し前では考えられないほど、選択肢がある時代だと思います。その上で学校や義務教育は、世界中にあり、世界は繋がりながら、教育の指針が創られています。義務教育が担う役割、学校という場所の存在、教育そのものの力。日本に「ある」ものに目を向け、そして生きる力の基礎になる「教育」を考えていければと思います。

ホームスクーリングやオルタナティブ教育についてや、教育を受ける権利と義務について等、テーマをわけて、それぞれまた別記事にしてまとめていきますね!

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