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民俗学ミステリーのおすすめ小説15選|不気味な伝承・因習×謎解きに夢中!

伝承や因習、古の文化が織り込まれた民俗学ミステリーは、単なるミステリー以上の深みを持ち、多くの読者を魅了してきました。

古くから伝えられた事象やそのエリア独自の歴史的変遷、村独自の文化などを研究する民俗学と推理小説は好相性!ぜひ、この不思議な怖さを感じる民俗学ミステリーのおすすめ小説を手に取ってみてくださいね。


奇譚蒐集録―鉄環の娘と来訪神―』清水朔

信州山間の秘村、十二年に一度の“奇祭” その因習の真の目的を解き明かす民俗学ミステリ
大正三年、帝大講師の南辺田廣章と書生・山内真汐は、信州・諏訪大社の麓に降り立った。伯爵家に代々伝わる「鉄環のお役」を果たすために。神域の山で禁足地を犯した二人は、山奥の秘村に“来訪神(オトナイサマ)”と遇され、そして囚われる。臥龍洞で風の神を祀るその村では、十二年に一度の“奇祭”が今まさに執り行われるところだった――。鉄環の謎と因習の裏に秘められた真実を暴く民俗学ミステリ。
神永学(「心霊探偵八雲」)、大絶賛!!「本作は単なる奇譚に非ず! 因習を断ち切り変わろうと足搔く人の物語」

Amazon公式紹介文より引用

ファンタジーを得意とする清水朔さんの民俗学ミステリー。シリーズ第三作目です。丁寧に描かれる世界観がミステリアスな雰囲気をぎゅっと濃縮しています。一作目が『奇譚蒐集録 弔い少女の鎮魂歌』、二作目が『奇譚蒐集録 北の大地のイコンヌプ』。


不村家奇譚 ある憑きもの一族の年代記』彩藤アザミ

一族に受け継がれる怪異の血脈。それは、忌むべき業か、或いは神が与えし恩寵か。血と畏れが織りなす、類稀なる因果律を見よ。
自らを水憑きと称する不村家。その繁栄の影には「一族に仇なすものを赦さない」とされる怪異・あわこさまが蠢いていた。異形の奉公人たち、狗神遣いの少女、生首で生き存える双子の姉妹――。昭和、平成、そして現代を貫く一族の悲劇は、やがて思いもよらぬ結末を迎え……。唯一無二の筆致で描く、戦慄のホラーミステリ。

Amazon公式紹介文より引用

『サナキの森』の著者としても有名な彩藤アザミさんのホラーミステリー作品。時系列順に並んだ七つの物語で構成された旧家の一族の年代記のかたちをとっています。帯の「恐ろしくも哀しい、悍ましくも美しい」という綾辻行人さんの言葉の通り、読後の切なさに浸りたくなる作品です。


カタリゴト 帝都宵闇伝奇譚』柴田勝家

私立探偵と美しき年少浪曲師が帝都に蔓延る怪事件を追う、大正推理奇譚!
世は大正。華族である堀井男爵が、何者かに殺された。
自称“ハードボイルド”私立探偵・平島元雪は、
「華族殺し」の犯人を突き止めるため独自調査を開始する。
未亡人となった堀井夫人の愛猫探し、噂の怪人“ムカデ伯爵”と失踪したバスガールの行方、
堀井家に現れる“黄金幽霊の首”の謎……
無理難題を突きつけられる平島の前に、美しき年少浪曲師・真鶸亭湖月が現れる。
湖月は平島から投げかけられる事件の手がかりと、実在の説話・伝承を元に、
即興で創り出す奇想天外な物語〈カタリゴト〉を披露していくが――。
その〈謎解き〉は単なる騙りか、はたまた真相への糸口か?
帝都を舞台に繰り広げられる大正推理奇譚、ここに開幕。

Amazon公式紹介文より引用

SFの作品が多い柴田勝家さんの大正時代の描写が美しい怪奇ミステリー。年少浪曲師・湖月と自称「コロシ専門」の探偵・平島がバディが活躍するバディものでもあります。浪曲師の湖月と探偵の平島が繰り広げる独特の掛け合いも見どころのひとつ。


予言の島』澤村伊智

瀬戸内海の霧久井島は、かつて一世を風靡した霊能者・宇津木幽子が最後の予言を残した場所。
二十年後《霊魂六つが冥府へ堕つる》という――。
天宮淳は、幼馴染たちと興味本位で島を訪れるが、旅館は「ヒキタの怨霊が下りてくる」という意味不明な理由でキャンセルされていた。
そして翌朝、滞在客の一人が遺体で見つかる。しかしこれは、悲劇の序章に過ぎなかった……。
すべての謎が解けた時、あなたは必ず絶叫する。
再読率100%の傑作ホラーミステリ!

Amazon公式紹介文より引用

ぼぎわんが、来る』の著者としても有名な澤村伊智さんのホラーミステリーです。「霊魂六つが冥府へ堕つる」という予言を中心に物語進みます。「初読はミステリ、二度目はホラー」と帯に書かれるように、こういうことかとわかってからも面白い作品です。


呪殺島の殺人』萩原麻里

遺体と、この手のナイフ──犯人は、まさか僕? 秋津真白は、伯母・赤江神楽の遺体の前で目を覚ました。だが、全ての記憶がない。ここ赤江島は、呪術者として穢れを背負った祖先が暮らした島。屋敷には、ミステリー作家の神楽に招かれた8人が。真白の友人で民俗学研究マニアの古陶里の他に、顧問弁護士、ジャーナリスト、担当編集者、旧知の三姉弟たち。伯母を殺めた犯人はこの中に……。真白と古陶里ペアが挑む、新感覚密室推理。

Amazon公式紹介文より引用

呪い、遺産、遺言状、嵐で閉ざされた館、密室、連続殺人と王道ミステリーのテーマがたっぷりと詰め込まれた本作。重苦しいテーマですが、ライトな読み口なので、さらっと読み進められます。


まほり』高田大介

大学院で社会学研究科を目指して研究を続けている大学四年生の勝山裕。卒研グループの飲み会に誘われた彼は、その際に出た都市伝説に興味をひかれる。上州の村では、二重丸が書かれた紙がいたるところに貼られているというのだ。この蛇の目紋は何を意味するのか? ちょうどその村と出身地が近かった裕は、夏休みの帰郷のついでに調査を始めた。偶然、図書館で司書のバイトをしていた昔なじみの飯山香織と出会い、ともにフィールドワークを始めるが、調査の過程で出会った少年から不穏な噂を聞く。その村では少女が監禁されているというのだ! 謎が謎を呼ぶ。その解明の鍵は古文書に……?

Amazon公式紹介文より引用

図書館の魔女』の著者としても有名な高田大介さんの作品です。言語学が専門の高田さんらしい知識を張り巡らした意欲作です。閉鎖された集落に残された因習の謎に鋭く切り込む独特の推理が光ります。


凶笑面―蓮丈那智フィールドファイルI―』北森鴻

ミステリの名手・北森鴻の代表作、再始動! 民俗学×本格ミステリ
「異端の民俗学者」と呼ばれる蓮丈那智の研究室には数々の依頼が舞い込む。助手の内藤三國と共に那智が赴くと、なぜか調査は事件へと変貌する。激しく踊る祭祀の鬼。凶々しい笑みの面の由来。丘に建つ旧家の離屋に秘められた因果。三國が遭遇した死亡事故の顛末。才能と美貌を兼ね備えた那智の推理は深淵に潜む真実を炙り出す。過去と現代を結ぶ殺人事件に民俗学的考察が冴え渡る5篇。北森鴻の代表シリーズ、待望の再始動!

Amazon公式紹介文より引用

花の下にて春死なむ』の著者としても有名な北森鴻さんの民俗学ミステリー。本作は『蓮丈那智フィールドファイルシリーズ』の第一作目です。『凶笑面』は2005年木村多江さん主演でテレビドラマ化されています。


准教授・高槻彰良の推察 民俗学かく語りき』澤村御影

「怪異は、現象と解釈によって成り立つんだよ、深町くん」
人の嘘がわかる耳を持ち、それゆえに孤独になってしまった大学生・深町尚哉。
なんとなく受講した「民俗学2」のイケメン准教授・高槻になぜか気に入られ、
怪異に出会うとついテンションが上がってしまう彼の「常識担当」として助手をすることに。
高槻のもとには、奇妙な事件が次々と持ち込まれ――?
このアパートは、幽霊物件?! 隣の空き部屋から聞こえる奇妙な音の正体は…。
――「第一章 いないはずの隣人」
ふと気づくと、周りにいつも針が落ちている……。これは呪い?それとも…。
――― 「第二章 針を吐く娘」
肝試しに出かけた少女が消えた。しかし数日後、彼女は帰ってきた。足の裏はきれいなままで…。
――「第三章 神隠しの家」
ちょっぴり残念なイケメン准教授と、常識担当の大学生の凸凹コンビが
民俗学の知識を使って、怪奇事件や都市伝説の謎を「解釈」する軽快なミステリ、開講!!!

Amazon公式紹介文より引用

2020年漫画化、2021年、2022年伊野尾慧さん、神宮寺勇太さん主演でテレビドラマ化している作品。2025年1月現在、11巻まで刊行されている人気シリーズです。怪異や都市伝説を現実的な視点で解体する過程は興味深く、初心者にも親しみやすい軽快な文体が特徴です。


フォークロアの鍵』川瀬七緒

羽野千夏は、民俗学の「口頭伝承」を研究する大学生。“消えない記憶”に興味を持ち、認知症グループホーム「風の里」を訪れた。出迎えたのは、「色武者」や「電波塔」などとあだ名される、ひと癖もふた癖もある老人たち。なかでも「くノ一」と呼ばれる老女・ルリ子は、夕方になるとホームから脱走を図る強者。ほとんど会話が成り立たないはずの彼女が発した「おろんくち」という言葉に、千夏は妙な引っ掛かりを覚える。記憶の森に潜り込む千夏と相棒の大地。二人を待っていたものは……!

Amazon公式紹介文より引用

法医昆虫学捜査官シリーズ』、『仕立屋探偵桐ヶ谷京介シリーズ』などの著者としても人気の川瀬七緒さんの作品。デザイナーと作家を平行して行っているというユニークな作家です。ほんわりした雰囲気の始まりですが、ラストに向けて徐々にミステリー要素が強くなっていくところが見どころのひとつ。


『アガシラと黒塗りの村』小寺無人

「裏山の神社で見つかった古文書を解読してくれ」
親友から依頼を受け出向いた先は、巨人伝説の残る奇妙な村だった…
古文書オタクの黒木鉄生は、大学時代の親友・八重垣志紀に頼まれ、村で発見された「沼神文書」と呼ばれる古文書を解読するために巨人伝説が残る農村を訪れた。村に到着したその夜、セイタカ様と呼ばれる巨大な地蔵の前で、議会議員の息子・島田光男が殺害された。さらに2日後には、こしかけ山と呼ばれる場所で八重垣の義妹・咲良の幼馴染が首を吊った状態で見つかる。
「沼神文書」の解読作業を進める黒木は、村と村人の秘密、2人の死の真相に迫ることになり…。第2回黒猫ミステリー賞受賞! 一気読み必至の民俗伝承ミステリー。

Amazon公式紹介文より引用

第2回黒猫ミステリー賞受賞作品。小寺無人さんは本作がデビュー作です。難しくなりがちな民俗学の部分についても読みやすく、さくさく読める一冊です。


猿丸幻視行』井沢元彦

奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞くときぞ秋は悲しき――百人一首にも登場する伝説の歌人、猿丸大夫が詠んだ歌に秘められた謎。そして“いろは歌”に隠された1000年の暗号とは? 友人の不可解な死に遭遇した、後の民俗学の巨人・折口信夫の若き日の推理が、歴史の深い闇をあぶりだす。江戸川乱歩賞受賞の永遠の傑作! (講談社文庫)
”いろは歌”に隠された千年の秘密とは? 猿丸大夫、百人一首にも登場するこの伝説の歌人の正体は? 友人の死の謎を解き明かす若き日の折口信夫の前に意外な事実が姿を現す。長編伝奇ミステリーの傑作。

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第26回江戸川乱歩賞受賞作品、1980年「週刊文春ミステリーベスト10」第1位。『逆説の日本史』などの著者としても有名な井沢元彦さんのミステリー作品です。SFの味わいがある歴史ミステリーといった雰囲気です。暗号解読の過程もしっかり楽しめますよ。


厭魅の如き憑くもの』三津田信三

戦慄の本格ホラー推理!山深い村に蔓延る恐怖の連続! 神々櫛(かがぐし)村。谺呀治(かがち)家と神櫛(かみぐし)家、2つの旧家が微妙な関係で並び立ち、神隠しを始めとする無数の怪異に彩られた場所である。戦争からそう遠くない昭和の年、ある怪奇幻想作家がこの地を訪れてまもなく、最初の怪死事件が起こる。本格ミステリーとホラーの魅力が圧倒的世界観で迫る「刀城言耶(とうじょうげんや)」シリーズ第1長編。
憑き物の恐怖 カカシ様の戦慄 連続する人死にの謎
戦慄の本格ホラー推理!山深い村に蔓延る恐怖の連続!神々櫛(かがぐし)村絵図、現場見取り図を追加、待望の文庫化!
神々櫛村。谺呀治(かがち)家と神櫛(かみぐし)家、2つの旧家が微妙な関係で並び立ち、神隠しを始めとする無数の怪異に彩られた場所である。戦争からそう遠くない昭和の年、ある怪奇幻想作家がこの地を訪れてまもなく、最初の怪死事件が起こる。本格ミステリーとホラーの魅力が圧倒的世界観で迫る「刀城言耶(とうじょうげんや)」シリーズ第1長編。

Amazon公式紹介文より引用

2007年「本格ミステリ・ベスト10」第3位。作家の刀城言耶を主人公としたホラーミステリシリーズ「刀城言耶(とうじょうげんや)」第一作目の作品です。おどろおどろしい雰囲気がたっぷり漂う世界観が素晴らしく、ホラー寄りの作品を読みたいときにおすすめの一冊です。


遺跡発掘師は笑わない ほうらいの海翡翠』桑原水菜

「鬼の手」を持つ天才発掘師・西原無量の事件ファイル!
永倉萌絵が勤める亀石発掘派遣事務所には、絶対的エースがいる。世紀の発見を繰り返し、天才発掘師と名高い西原無量、その人だ。奈良の古墳から出土した宝玉をめぐり、無量たちの周囲に暗い影が迫る!

Amazon公式紹介文より引用

コバルト文庫の『炎の蜃気楼(ミラージュ)』の著者としても有名な桑原水菜さんのライトミステリー。2025年1月現在、19巻まで刊行されている人気シリーズです。遺跡発掘の現場での事件を描き、歴史の謎や遺物が物語を彩ります。軽快なキャラクターとスリリングな展開が魅力です。


絡新婦の理』京極夏彦

理に巣喰うは最強の敵――。
京極堂、桜の森に佇(た)つ。
当然、僕の動きも読み込まれているのだろうな――2つの事件は京極堂をしてかく言わしめた。
房総の富豪、織作(おりさく)家創設の女学校に拠(よ)る美貌の堕天使と、血塗られた鑿(のみ)をふるう目潰し魔。連続殺人は八方に張り巡らせた蜘蛛の巣となって刑事・木場らを眩惑し、搦め捕る。中心に陣取るのは誰か?シリーズ第5弾。

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百鬼夜行シリーズ第五弾。2015年に漫画化されています。昭和20年代を舞台に、母系制や性風俗といったテーマを含む膨大な知識が盛り込まれた作品。民俗学的知見と深い人間ドラマが魅力です。


黒祠の島』小野不由美

「そう――ここは黒祠なのですよ」近代国家が存在を許さなかった“邪教"が伝わる、夜叉島。式部剛は失踪した作家・葛木志保の姿を追い求め、その地に足を踏み入れた。だが余所者を忌み嫌う住民は口を閉ざし、調査を妨害するのだった。惨事の名残を留める廃屋。神域で磔にされていた女。島は、死の匂いに満ちていた。闇を統べるのは何者なのか? 式部が最後に辿り着いた真実とは。

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十二国記シリーズ』の著者としても有名な小野不由美さんのミステリー作品。閉鎖的な島で繰り広げられる群像劇。島民の信仰や邪教的要素がストーリーを進める鍵となります。宗教的知識や倫理観の探求は読みごたえがあります。


まとめ|民俗学ミステリーのおすすめ小説15選|不気味な伝承・因習×謎解きに夢中!

民俗学ミステリーは、日本の伝承や因習を背景に持つ、独特な魅力を持つジャンルです。それぞれが異なる文化的背景やミステリーの要素を持ちながらも、人間の本質や社会の暗部を深く描いています。

初心者でも楽しめる軽快な作品から、考えさせられる深いテーマを持つ作品まで幅広く揃えました。ぜひ、これらの作品を通じて、民俗学ミステリーの奥深さと面白さを体験してみてくださいね。


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