あらゆる世代に欠かせないSNSやインターネット。便利で楽しい一方で、その裏には思いもよらない危険や闇が潜んでいます。
今回は、そんなSNSやネット社会をテーマにした作品を10冊厳選しました。身近なテーマだからこそ引き込まれ、ゾッとするような恐怖を味わえる作品ばかりです。
次に読む本を探す際の参考にしてくださいね♪
『何者』朝井リョウ
第148回直木三十五賞受賞作。2016年佐藤健さん主演で映画化、2017年に阿部顕嵐さん主演で舞台化されています。
就職活動に奮闘する若者たちの間で、SNSを通じて暴かれる本音と建前。朝井リョウさんの『何者』は、SNSでの自意識と実生活のギャップに焦点を当てた作品です。読んでいるうちに、自分自身のSNSの使い方や他人との距離感を考え直すきっかけになるかもしれません。
第15回『このミステリーがすごい!』大賞で最終候補に残るも落選し、隠し玉として話題になった作品。2018年に北川景子さん主演で映画化されています。続編は第2弾『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』、第3弾『スマホを落としただけなのに 戦慄するメガロポリス』、第4弾『スマホを落としただけなのに 連続殺人鬼の誕生』があります。シリーズ累計100万部を突破する人気作です。
。
SNSを介して徐々に追い詰められていく麻美の姿に、現代のテクノロジーの利便性と危険性を強烈に感じます。この作品を読めば、スマホやSNSのセキュリティ意識がぐっと高まるはずです。
2014年井上真央さん主演で映画化。本作はSNSでの拡散力がもたらす恐怖を鮮やかに描いたミステリーです。 美人社員が惨殺される事件を追う中で、SNS上で流れる噂話が一人歩きし、真実を歪めていきます。
SNSに投稿される情報の多くは匿名の意見や憶測。その内容が急速に拡散し、犯人像が勝手に作り上げられていく様子は、現実のネット炎上問題にも通じるものがあります。
人間の悪意や無責任さ、そしてそれが引き起こす悲劇に背筋が寒くなる一冊です。
『女王はかえらない』の著者でもある降田天さんの長編ミステリー。 ネット掲示板やチャットに残された痕跡を読み解いていく過程がスリリング。読者をハラハラさせながら、事件の真相が徐々に明らかになっていきます。人と人とのつながりが希薄化する現代社会の闇も垣間見えるこの作品。 「ネットの向こう側にいるのは本当に信用できる人なのか?」という問いが突き刺さります。
宮部みゆきさんの『R.P.G.』は、ネット掲示板を中心に繰り広げられるミステリー。2003年、後藤真希さん主演でテレビドラマ化されています。家族の秘密が暴露され、掲示板に巻き込まれる形で、物語が進行します。
匿名の投稿が現実世界に波及し、家庭崩壊や犯罪へとつながる展開が恐ろしいほどリアル。ネット上での発言がどれほど影響力を持つかを物語の中で実感できます。
『リカ』五十嵐貴久
第2回ホラーサスペンス大賞受賞作品。本作が五十嵐貴久さんのデビュー作です。リカ・クロニクルシリーズとして、続編の『リターン』、『リバース』など8作が刊行されています。2003年に阿部寛さん主演で、2019年に高岡早紀さん主演でテレビドラマ化されています。
リカという女性の執念深さと、SNSやメールを駆使したストーキングが恐怖を倍増させます。 彼女の狂気が日常に侵食していく様子は、ページをめくる手が止まりません。
第164回(2020年度下半期)芥川龍之介賞受賞作品。2023年本屋大賞第9位、累計発行部数は80万部を突破している人気作です。物語を通じて、現代の「推し文化」の光と影が浮かび上がります。推し活がもたらす自己肯定感と、それが崩れたときの虚無感がリアルに描かれています。
第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作品。主人公がサイバーセキュリティーの専門家という現代的な職業なのがユニークです。
登場人物たちが語る自殺願望と、彼らを操る黒幕の存在。 一見ただの都市伝説かと思える話が、次第に恐ろしい現実として立ち現れてきます。ネットの匿名性がもたらす危険を鮮やかに描いたこの作品は、SNSやインターネットサイトに潜む影に目を向けさせてくれるでしょう。
第13回山田風太郎賞候補、ほんタメ文学賞2022年上半期【たくみ部門】大賞受賞。第36回山本周五郎賞候補作品です。2022年「週刊文春ミステリーベスト10」第9位にランクインしています。
主人公が身に覚えのない投稿のせいで犯罪者扱いされ、世間から追い詰められる展開は迫力満点。SNSで顔写真や実名が拡散される恐ろしさを描きつつ、現代のネット社会が抱える問題を浮き彫りにします。 「自分に起こったらどうしよう」と考えさせられるストーリーです。
第61回メフィスト賞受賞作品。地下アイドルの闇、SNSの暴走、運営との軋轢など現代社会の片隅で今も実際に起きていそうなリアルさがある作品です。200ページほどの作品でさらっと読みたいときにもおすすめです。
まとめ|SNS・インターネットがテーマの小説おすすめ10選|身近すぎて怖い!
SNSやインターネットをテーマにした作品は、現代社会の問題点を鋭く描き出しています。今回ご紹介した10作品は、どれも身近なネット社会に潜む恐怖や闇をリアルに感じられる内容です。
気になる作品があれば、ぜひ手に取って、思わずぞわりとする体験をしてみてくださいね♪