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湊かなえおすすめ小説15選!イヤミスの女王が描く名作・傑作選
「イヤミスの女王」とも呼ばれる湊かなえさんの魅力的な小説を、15選でご紹介します。
人間心理を鋭く描き出し、ゾクゾクする展開で多くの読者を魅了してきた湊かなえ作品。代表作である『告白』をはじめ、映画やドラマ化された話題作や隠れた名作まで網羅しました。
次の読書の一冊に、湊かなえさんの小説を選んでみませんか?
『告白』
「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」
我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。
語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。
衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして、第6回本屋大賞受賞した国民的ベストセラー。
湊かなえさんのデビュー作にして、代表作とも言える『告白』。 2008年度「週刊文春ミステリーベスト10 」第1位、2008年度このミステリーがすごい!第4位、2009年度本屋大賞受賞と評価が高い作品です。2010年に松たか子さん主演で映画化されています。
はじめての湊かなえ作品にもおすすめです。
『贖罪』
15年前、静かな田舎町でひとりの女児が殺害された。直前まで一緒に遊んでいた四人の女の子は、犯人と思われる男と言葉を交わしていたものの、なぜか顔が思い出せず、事件は迷宮入りとなる。娘を喪った母親は彼女たちに言った──あなたたちを絶対に許さない。必ず犯人を見つけなさい。それができないのなら、わたしが納得できる償いをしなさい、と。十字架を背負わされたまま成長した四人に降りかかる、悲劇の連鎖の結末は!? 〈特別収録〉黒沢清監督インタビュー。
第63回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)候補、エドガー賞(最優秀ペーパーバック・オリジナル部門)候補になった本作。湊かなえさんの第3作目の作品です。2012年には小泉今日子さん主演でテレビドラマ化されています。重厚な人間ドラマが特徴で、読み応えがあります。
『落日』
わたしがまだ時折、自殺願望に取り付かれていた頃、サラちゃんは殺された──
新人脚本家の甲斐千尋は、新進気鋭の映画監督長谷部香から、新作の相談を受けた。
十五年前、引きこもりの男性が高校生の妹を自宅で刺殺後、放火して両親も死に至らしめた『笹塚町一家殺害事件』。
笹塚町は千尋の生まれ故郷でもあった。香はこの事件を何故撮りたいのか。
千尋はどう向き合うのか。そこには隠された驚愕の「真実」があった……令和最高の衝撃&感動の長篇ミステリー。
第162回直木三十五賞候補作。2023年、北川景子さん主演でテレビドラマ化されています。Amazonオーディブルの朗読も北川景子さんが担当されていて、評価が高いです。
『Nのために』
超高層マンションの一室で、そこに住む野口夫妻の変死体が発見された。
現場に居合わせたのは20代の4人の男女。
それぞれの証言は驚くべき真実を明らかにしていく。著者初の純愛ミステリー。
『Nのために』は、純愛とミステリーが絶妙に融合した作品です。2014年、榮倉奈々さん主演でテレビドラマ化、2023年朗読劇化されています。
タイトルに出てくるように、主要な登場人物は全て「N」のイニシャルが付いているという共通点があります。切なさと人間ドラマに重きを置いた作品で、湊かなえさんの新しい魅力を発見できます。
『豆の上で眠る』
小学校一年生の時、結衣子(ゆいこ)の二歳上の姉・万佑子(まゆこ)が失踪した。スーパーに残された帽子、不審な白い車の目撃証言、そして変質者の噂。必死に捜す結衣子たちの前に、二年後、姉を名乗る見知らぬ少女が帰ってきた。喜ぶ家族の中で、しかし自分だけが、大学生になった今も微(かす)かな違和感を抱き続けている。――お姉ちゃん、あなたは本物なの? 辿り着いた真実に足元から頽(くずお)れる衝撃の姉妹ミステリー。
湊かなえさん初の週刊誌連載作品。「週刊新潮」に掲載されていました。
幼少期に突然失踪した姉が、ある日突然帰ってきたことから物語が始まります。 しかし、戻ってきた姉には何かが違う…。
主人公の視点を通じて、読者は「姉は本当に姉なのか?」という問いと向き合うことに。 物語全体に漂う不安感と、家族の愛憎が絶妙なバランスで描かれています。
『リバース』
深瀬和久は平凡なサラリーマン。唯一の趣味は、美味しいコーヒーを淹れる事だ。そんな深瀬が自宅以外でリラックスできる場所といえば、自宅近所にあるクローバーコーヒーだった。ある日、深瀬はそこで、越智美穂子という女性と出会う。その後何度か店で会ううちに、付き合うようになる。淡々とした日々が急に華やぎはじめ、未来のことも考え始めた矢先、美穂子にある告発文が届く。そこには「深瀬和久は人殺しだ」と書かれていた――。何のことかと詰め寄る美穂子。深瀬には、人には隠していたある”闇”があった。それをついに明かさねばならない時が来てしまったのかと、懊悩する。
第37回吉川英治文学新人賞の候補作。2017年に藤原竜也さん主演でテレビドラマ化されています。ドラマ版は原作の続きを描き、オリジナルストーリーの結末を原作者である湊かなえさんが書き下ろしたことでも話題となりました。
『夜行観覧車』
高級住宅地に住むエリート一家で起きたセンセーショナルな事件。遺されたこどもたちは、どのように生きていくのか。その家族と向かいに住む家族の視点から、事件の動機と真相が明らかになる。『告白』の著者が描く、衝撃の「家族」小説。
家族をテーマにしたミステリー。2013年に鈴木京香さん主演でテレビドラマ化、漫画化されています。家庭内の崩壊や、表面的な幸せの裏に潜む闇をリアルに描いています。 湊かなえさんの5作目の作品です。
『白ゆき姫殺人事件』
化粧品会社の美人社員が黒こげの遺体で発見された。ひょんなことから事件の糸口を掴んだ週刊誌のフリー記者、赤星は独自に調査を始める。人々への聞き込みの結果、浮かび上がってきたのは行方不明になった被害者の同僚。ネット上では憶測が飛び交い、週刊誌報道は過熱する一方。匿名という名の皮をかぶった悪意と集団心理。噂話の矛先は一体誰に刃を向けるのか。傑作長編ミステリー。
本作は人々の証言とSNSを通じて物語が展開されるミステリー。噂や憶測が真実を歪めていく過程が恐ろしく描かれており、情報社会の問題を考えさせられる一作です。 2014年に井上真央さん主演で映画化されました。
『ユートピア』
【第29回 山本周五郎賞受賞作】
善意は、悪意より恐ろしい。
足の不自由な小学生・久美香の存在をきっかけに、母親たちがボランティア基金「クララの翼」を設立。
しかし些細な価値観のズレから連帯が軋みはじめ、やがて不穏な事件が姿を表わす――。
湊かなえが放つ、心理サスペンスの決定版。
地方の商店街に古くから続く仏具店の嫁・菜々子と、夫の転勤がきっかけで社宅住まいをしている妻・光稀、移住してきた陶芸家・すみれ。
美しい海辺の町で、立場の違う3人の女性たちが出会う。
「誰かのために役に立ちたい」という思いを抱え、それぞれの理想郷を探すが――。
第29回山本周五郎賞受賞作品。「善意は悪意より恐ろしい」がキャッチフレーズです。村社会の閉鎖性や価値観の違い、そこに潜む人間心理の闇がリアルに表現されているのが印象的です。
『母性』
事故か、自殺か、殺人か――。母の手記と娘の回想が交錯し、浮かび上がる事件の真相とは。圧倒的に新しい、母娘ミステリー!
女子高生が自宅の中庭で倒れているのが発見された。
母親は言葉を詰まらせる。「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」。 世間は騒ぐ。これは事故か、自殺か。
……遡ること十一年前の台風の日、彼女たちを包んだ幸福は、突如奪い去られていた。
母の手記と娘の回想が交錯し、浮かび上がる真相。これは事故か、それとも――。
圧倒的に新しい、「母と娘」を巡る物語(ミステリー)。
第26回山本周五郎賞候補作品。2022年に戸田恵梨香さん主演で映画化されました。
本作は、親子関係に焦点を当てた作品。母親と娘、それぞれの視点で語られる物語は、表面上の愛情の裏に隠された心の葛藤を鮮烈に描き出します。 累計120万部を突破するヒット作。
『花の鎖』
毎年届く謎の花束。差出人のイニシャルは「K」――。 驚きのラストが胸を打つ、感動のミステリー。 両親を亡くし、愛する祖母もガンで入院中、さらに講師として働いていた英会話スクールが破綻し金銭的に困っている梨花。 建設会社で働いていたが、伯父夫婦のすすめで営業職の和弥と結婚した美雪。 公民館で水彩画教室の講師をしつつ、和菓子屋でバイトをしている紗月。 そして、3人の女性の人生に影を落とす謎の男・K――。 舞台は、東京から新幹線で一時間以上かかる地方都市から、さらに在来線で三〇分ほど行った田舎町。小さな町の中心は「アカシア商店街」。渓谷を有した風光明媚な土地柄です。第一章から第六章まで、「花」「雪」「月」の節に分かれ、それぞれのヒロインの物語が進められていきます。 大ベストセラー「告白」でのデビューから数々のベストセラーを世に放ち進化し続ける作家・湊かなえが放つ、感動のミステリー。
『花の鎖』は、3人の女性を主人公にした連作ミステリーです。 それぞれの視点から描かれる物語が、最後にひとつの真実へと繋がる構成が見事。2013年に中谷美紀さん、松下奈緒さん、戸田恵梨香さんのトリプル主演でテレビドラマ化されています。
『高校入試』
悪意は拡散する――。衝撃の結末が待ち受ける、『告白』以来の学校ミステリ!
この作品を書けたことで、小説家として次のステージに一歩進むことができました。
――湊かなえ
県下有数の公立進学校・橘第一高校の入試前日。新任教師・春山杏子は教室の黒板に「入試をぶっつぶす! 」と書かれた貼り紙を見つける。迎えた入試当日。試験内容がネット掲示板に次々と実況中継されていく。遅れる学校側の対応、保護者からの糾弾、受験生たちの疑心。杏子たち教員が事件解明のため奔走するが……。誰が嘘をついているのか? 入試にかかわる全員が容疑者? 人間の本性をえぐり出した、湊ミステリの真骨頂!
湊かなえさんが手掛けたテレビドラマのシナリオをもとにあらためて小説として書き下ろされた作品。テレビでは表現できない心理描写に注力したと言われています。結末はテレビドラマのシナリオとは異なります。2012年、長澤まさみさん主演のテレビドラマが先に登場しているという珍しい作品です。
『少女』
親友の自殺を目撃したことがあるという転校生の告白を、ある種の自慢のように感じた由紀は、自分なら死体ではなく、人が死ぬ瞬間を見てみたいと思った。自殺を考えたことのある敦子は、死体を見たら死を悟ることができ、強い自分になれるのではないかと考える。ふたりとも相手には告げずに、それぞれ老人ホームと小児科病棟へボランティアに行く──死の瞬間に立ち合うために。高校2年の少女たちの衝撃的な夏休みを描く長編ミステリー。
湊かなえさんの2作目の作品。2016年に漫画化、本田翼さん主演で映画化されています。出版部数100万部を超え、ミリオンセラー作品となりました。
本作は、女子高校生の好奇心と残酷さを描いた青春ミステリーです。純粋さと残酷さが紙一重で描かれる物語に胸が痛くなります。
『ブロードキャスト』
湊かなえが描く、青春小説の新境地!!
中学時代、駅伝で全国大会を目指していた圭祐は、あと少しのところで出場を逃した。高校入学後、とある理由によって競技人生を断念した圭祐は、放送部に入部。新たな居場所で再び全国を目指すことになる。
湊かなえさんが初めて執筆した学園青春小説。ミステリーではない珍しい作品です。山田風太郎賞候補作品になっています。2024年には新正俊さん主演で舞台化されています。豊島岡女子学園中学校、獨協中学校など多くの学校の入試問題にも使われている作品です。
『山女日記』
こんなはずでなかった結婚。捨て去れない華やいだ過去。拭いきれない姉への劣等感。夫から切り出された別離。いつの間にか心が離れた恋人。……真面目に、正直に、懸命に生きてきた。なのに、なぜ? 誰にも言えない思いを抱え、山を登る彼女たちは、やがて自分なりの小さな光を見いだしていく。新しい景色が背中を押してくれる、感動の連作長篇。
さまざまな悩みを抱えて山を登る女性たちの複雑な心理を、山々の風景とともに描写した山岳小説。2016年、2017年、2021年にテレビドラマ化されています。もともと登山が趣味だった湊かなえさんが、編集者の提案を受け、登山を再開し、その取材体験をもとに執筆されています。
まとめ|湊かなえおすすめ小説15選|イヤミスの女王が描く名作・傑作選
湊かなえさんの小説は、緻密な心理描写と意外性に満ちたストーリーで多くの読者を魅了してきました。
今回ご紹介した15選には、デビュー作の『告白』から、映画化やドラマ化された人気作『リバース』『白ゆき姫殺人事件』、隠れた名作『豆の上で眠る』など、多様な作品が含まれています。
それぞれの物語は、人間の心の奥深さや社会問題を巧みに描き、深い余韻を残します。ぜひ、あなたのお気に入りの一冊を見つけてくださいね。