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世界にはいろいろな人が生きている

 見える世界で生活していた時期と比べて、見えない世界の住人になったボクは、いろいろな人に出会うチャンスに恵まれているように感じます。

 それはそーですよねーー

だって、、、、ふらふらと白杖を振りながら歩いている
「半素人盲人」が目の前を通り過ぎたら、人の目を引きますよねー 笑
 とにもかくにも、見える世界では経験することのなかった出会いをかず多く重ねているボクなのです。「えっへん。」

 これらの出会いには、前回の投稿、(世界はまだまだ優しくて暖かいんだ!)の中でお話しした外人さんのように、とても暖かなものもありますが、残念ながら、とても悲しい気持ちになる出会いもあるのです。
 もし神がいるのなら、人には「よい出会い」を半分と、「残念な出会い」を半分ずつ与えているのかもしれませんね。
あとは、「残念な出会い」をいかにして楽しんだり、「よい出会い」だったと思えるように持っていったりできるかは、ぼくの考え方や次ぎの行動にかかっているように感じています。いやいや、なかなか難しいこともありますが、、、。 
 修行だ修行だーー!

 さて、今日は、昨日遭遇した「残念な出会い」についてお話したいと思います。


 昨日ボクは、用事を済ませるために最寄り駅まで向かっていました。駅までは、コミュニティーバスを利用する方法もありましたが、時刻を見ると、次のバスまで30分あり、仕方なく歩いて駅まで行くことにしたのでした。

 相棒の白杖(名前はまだない。←どこかの小説で見たような、、、。汗)を肩幅より少し広めに左右に振りながら歩いていると、さっそくボクの相棒が何か硬いものにヒット!!!
 ボクの脳内には、ドラク*のバトルミュージックが流れ始めます。

 「なんだなんだ?」

 敵の正体を探るべく、おそるおそる相棒と自分の手を使いながら前方の「硬いもの」を触って探索すると、

 それの正体は、

 なんと、、、、、


天敵の一つ、、、



 「ガードレールのない歩道上に駐車したトラック」だったんです。


 見える世界の皆さんにとっては、」だから?」、「天敵??」と、クエスチョンマークがたくさん浮かぶかもしれませんが、見えない世界の住人にとっては、駐車しているトラックはRPGゲームの中ボスクラスの威力があるのです。

なぜかって??


1 ゲームのように「たたかう」を選んでも、武器は「相棒」
しかないので、攻撃力が非常に低い、、、、。
2 「よし! 武器がダメなら魔法で攻撃してやるーーー!!! イ・オ・ナ・ズ・*」って叫んでみても、たぶん、、、何も起こらない、、、。
3 万が一、トラックに攻撃されたら、回復魔法をまだ覚えてないボクはすぐに戦闘不能になってしまう、、、。


 あ、

あは、

 あはははは・・・。


 すみませーん
 真面目に書きますね。


 見えない世界の住人にとってトラックが天敵の一つになってしまうのは、

1 トラックが道の端(今回は歩道上)に駐車していると、見えないボクは、車道の真ん中のお方まで出て、トラックを迂回しなければならない。これは、道を走る車がいるかどうか耳をそば立てるためにとても集中力を要し、聞き間違えると、トラックの前後から車道に飛び出す形になりかねない。走ってくる別の車に跳ねられる危険性がある。
 →これは、トラックだけでなく、道路の端に駐車した自動車でも同じです。
2 トラックは、運転席が高いところにあるので、サイドミラーがちょうど人の顔の高さくらいにある。トラックを察知して、横を通り抜ける時に、顔面をミラーに強打することがある。(ボクも駐車しているトラックに気付かず、左目付近をミラーにぶつけて「パンダの目」になったことがあります。メチャクチャ痛いっす。)


 こうして、歩道に駐車しているトラックを「スリルとサスペンス」を味わいながら、なんとか回避するボクなのです。


 ここまで読んだみなさんの中には、昨日のボクの「残念な出会い」=「歩道に駐車したトラック」になっている方はいませんか?



  チッ チッ チッ


  ちゃいますよーーー 笑


 駐車トラック如きで「残念な出会い」だなんて凹んでいたら、見えない世界で生きていくのはたーーーーいへんです。これ位は、「またかーー」くらいに流していくのも大切なことだと思います。
 まぁ、せめて歩道上の駐車は避けて欲しいなとは思いますが、、、。


 ここまで書いてきたことを振り返ると、ボクの「見えない世界の住人スッキル」は上がってきているなぁと、ふと感じます。おそらく数年前だったら、このような中ボス(トラック)に敗北して、」残念な出会いだった、、、。」
と、凹んでため息をついて自宅に引き返していたかもしれませんね。

 いやーーー、すこーしずつ、残念な出会いを「楽しめる」ようになってきたのかなー・・。

 「エライぞ! オレ。 よくやってるぞーー」って、久しぶりにセルフよしよししてしまいました。たまには自分を褒めるのもいいですよね。


 おっとっと、、。話が逸れてしまいましたね。

 さぁて、昨日の「残念な出会い」についてでしたね。


 トラックを回避したボクは、相棒を左右に振りながら順調に駅まで歩を進めていました。駅に近付き、、自転車置き場と、駅の建物の間の細い道(車は通れないくらいの路地)に差し掛かった時、それは訪れたのです。

 その道は、幅がやく3メートル弱で、駅を利用する人が行き交う細い道にも関わらず、ボクの前方からカラカラカランっと、古いママチャリのチェーンの音が近付いてきました。なのでボクは道の端のフェンスの側によってそのチャリが通り過ぎるのを願いながらゆっくりと歩いていたのですが、、、、


 次の瞬間、、、




 バキッ!!!


 木の枝が折れる
ような乾いた音と、掌への衝撃をボクは感じたのです。


 さーて、読者のみなさーーーん!
 クイズの時間ですよーーー。

 問題。
 この音と衝撃の正体はなんでしょーーか?

1 ボクに自転車がぶつかって、腕が折れた音と衝撃。
2 自転車のドライバーが、通りすがりにボクにラリアートをくらわせた時の音と衝撃。
3 自転車がボクの相棒を踏んでへし折った時の音と衝撃。
4 自転車に気を取られたボクが、道端の側溝に足を突っ込んで足首を捻った時の音と衝撃。


 さて、答えは何番でしょうか?

 正解は、




1番



でも



2番



でもなく、




3 自転車がボクの相棒を踏んでへし折った時の音と衝撃。

でした。

 白杖は、釣り竿のようにグラスファイバー繊維などでできており、強い力で踏まれると割と簡単に折れてしまうのです。
以前にも何回か白杖を折られた経験があるボクは、「バキッ」っという音と掌への衝撃で、すぐに相棒が折れたなと認識して立ち止まり、杖を触って状況を確かめ始めました、、、が、、、、、。


 待てど暮らせど、ボクの相棒を自転車で踏んづけた方の声は聞こえてきません、、、、。もしかしたら、少し離れた場所に止まっておられたのかもしれませんが、見えないボクには分からないので、声をかけてもらえないと「いないのと同じ」なんですよね。


しばらくその場で様子を伺ったものの、誰も声をかけてくれる人はいなかったので、


あーー。「轢き逃げ」、ではなく、「折り逃げ。

に出会ったことを理解し、とても悲しく残念な気持ちになりました。

 きっとボクの相棒を踏んづけた自転車のドライバーは、何かを踏んだ自覚はあるのではないでしょうか??白杖を振ってあなたの自転車の近くを歩いていた人がいたのを覚えていますか?
 白杖を踏んでしまった後にボクに声をかけられなかったあなたは、今頃、モヤモヤした気持ちでいるのではないでしょうか?


 白杖を踏んでしまったのは「事故」なので仕方がないことです。ただ、その後に黙って立ち去るという行動は、私にとっても自転車のドライバーにとっても「残念な出会いの極み」になってしまうように感じます。


 さて、白杖が折れてしまうと、見えないボクにとっては身動きがとれなくなってしまうんですよね。
 見える世界で例えると、「新月の夜、街の街灯を頼りに歩いていると、突然、周囲が停電になり真っ暗になった。」ような感じです。もちろん、懐中電灯とかスマホのフラッシュライトは使っちゃダメですよ。
 さぁ、どうですか?歩くのきっついですよね?


 それでも、白杖が折れた状況で何とかしなければなりません。
 折れた杖をなでなでしながら、しばらくその場で「チーーン」っとなっていたボクですが、しばらくして再起動し、頭を回転させ始めました。

 対処しなければいけないことは、
1 白杖が折れた状況で、どうやって移動するか。
2 折れた白杖を修理する手配をする

の2点です。

 まず、1点目ですが、、、

 なんということでしょう!


この日に限って、予備の白状をリュックに入れていたのを思い出しました。
 この予備の白杖は、使い込まれたもので、近々修理に出そうとこの日に使っていたリュックにあらかじめ入れていたんです。

 ホント、ラッキーですよね。

 っと同時に、いつ何時、白杖は壊れてしまうかもしれないので、外出するカバンには、いつも予備の杖を入れておくべきだなぁと改めて感じた次第です


 ということで、ラッキーにも移動を継続することが可能になったボク。


 次の課題は、

2 折れた白杖の修理の手配

です。

 ちなみに、白状は一本いくらすると思いますか?

1 3000円
2 6000円
3 9000円
4 11000円


 正解は、

4 11000円です。(ボクガッ使っている白杖の場合)

 今ボクが使っている白杖は輸入品なので、円相場の変動で価格が変わってきます。国産の白杖もあるので、次に買い換える時には国産にしようかなぁなどと考えてもいます。


 今回は、白杖の一部がポッキリと折れているので、一部のパーツ交換を依頼することになります。修理を依頼するところはいくつかありますが、ボックは、
高田馬場にある「日本点字図書館」にお願いすることにし、すぐに電話をかけました。すると、壊れた部品の交換
には、3500円程度かかるとのこと。
 急ぎの修理なので実費負担になり、まったくトホホな出費です。(時間に余裕があれば、居住の区市町村に修理申請をして公費負担してもらう方法もあるのですが、手続きに一ヶ月ほどかかってしまいます。)



 こうして、予備の白状で移動手段を復活させ、折れた白杖を修理する段取りを付けたボクは、本来の用事を済ませるべく、また歩き始めましたとさ、、、、。

 いやいやいやいや、昨日は濃いーー1日でしたわ。

 明日は、どんな「出会い」が待ってるっかなー?

 たーーのしみだーー!

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