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航西日記(11)

著:渋沢栄一・杉浦譲
訳:大江志乃夫

慶応三年正月二十二日(1867年2月26日)


煙雨が、朦朧もうろうとしている。香港ほんこん

ホテルからの眺望は、すでに新緑となった。

横浜から乗って来た船は、ここまでであった。

午前十時ごろ、小艇で、仏国の郵船、アンペラトリス号に乗り換える。

アルヘー号の二倍もある、大きな船で、たいへん清潔である。

正午に出帆する。

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