マガジンのカバー画像

エッセイ集

190
エッセイをまとめました。
運営しているクリエイター

#ラジオ

【エッセイ】言葉が滲み入る時(800)

【エッセイ】言葉が滲み入る時(800)

先日聞いたNHKラジオの「絶望名言」のアーカイブは遠藤周作だった。放送の最後に遠藤周作の名言として「滅入った時に読書量が増え、そういう時にこそ書物に書いてある問題が実感として迫ってくる。自分の人生観などはそういう時に考えたことを元に形成されている」というような内容のことが言われていた。

20年以上前に読んだ国語の問題文にこんな一節があった。「若い人が小説を読まないのは実生活が小説よりも充実してい

もっとみる
【エッセイ】引き算(500字)

【エッセイ】引き算(500字)

またまたラジオネタ。今日はラジオ深夜便「明日へのことば」から。

歌手で俳優の石橋凌のインタビューだった。Googleで顔写真を検索してみると彼を俳優として知っているのは人気刑事ドラマ「相棒」の三雲判事役として何度か拝見したことがある。うまい役者さんだなと思っていた。

松田優作から影響を受けて俳優になった元ロックシンガーっていうのが意外だった。インタビューの話の内容から受けた印象としては表現者と

もっとみる
【エッセイ】心配事に火をつけろ(900字)

【エッセイ】心配事に火をつけろ(900字)

今回もラジオネタ。最近ラジオネタが多い。マスメディアの中でラジオは新聞と並ぶましな媒体だ。だからよく利用する。

昨日NHKの「ちきゅうラジオ」という海外の最新文化をポップに紹介するものを聴いた。生憎聞き逃し配信なし。おそらく音楽中心なので著作権の関係と思われる。その中でパキスタンの音楽番組から人気に火がつき、今やYouTubeで7.2億回も再生されているというウルトラヒットのPasooriという

もっとみる
【エッセイ】読書はメガネを取り替えるようなもの(1000字)

【エッセイ】読書はメガネを取り替えるようなもの(1000字)

月曜日に聴いた「絶望名言」の安部公房アーカイブをらじるらじるで何度も聴いている。こんなにも心に響いた内容のものはここのところなかった。今まで一度も読み切ったことがなかった安部公房作品を今度こそ読み切ろうと意気込んでいる。

20年ほど前に父の蔵書から手に取った安部公房の「カンガルー・ノート」を途中で諦めて以来読んでいなかった。しかし、「絶望名言」の影響で読み始めた「方舟さくら丸」は読み止まらない魅

もっとみる
【エッセイ】不思議な昆虫ユープケッチャ(500字)

【エッセイ】不思議な昆虫ユープケッチャ(500字)

昨日聴いた絶望名言の中で語られていた「ユープケッチャ」という安部公房が考えた架空の甲虫。小説「方舟さくら丸」作中に登場し、肢が退化し動き回れない代わりにその場でぐるぐる回り、自分の排泄物を食べ、1日かけて1回転するので時計虫とも呼ばれるとのことだ。そのゆっくりとした回転の中で食べた排泄物を消化管内で発酵し栄養を強化するので食べるのには困らないらしい。

ラジオの中で文学紹介者の頭木弘樹さんはこのユ

もっとみる
【エッセイ】解読不能な石板(700字)

【エッセイ】解読不能な石板(700字)

今朝、いつもよりも早く家を出てカーラジオをつけると、NHKのラジオ深夜便のワンコーナー「絶望名言」の安部公房の再放送が流れていた。安部公房は実にすばらしい方である。

素晴らしく良い回だった。若者風に言うと神回である。

絶望名言のすばらしい内容は私などが解説するよりは実際に聴くのが一番いい。40分ほどあるがぜひ聴いて欲しい。必ず損はしない人生の40分になる。今日、いつもより早く起きて職場に向かお

もっとみる
四股名【エッセイ】五〇〇字

四股名【エッセイ】五〇〇字

NHKの相撲中継を観ていたら「湘南乃海」という力士が出て来た。

父と観ていた。

私 「湘南乃海って音楽グループおらんかったっけ?」

父 「知らんでそんなん。こいつは神奈川県出身やから湘南の名をつけたんや。」

(グーグルで「湘南乃海 相撲」と検索して大相撲協会のHPにアクセス)

私 「湘南乃海の好きなアーティストが湘南乃海やって!やっぱりこの人、音楽グループの湘南乃海から名前とったんやで!

もっとみる