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相手を意のままに操る方法

 ある行動をとって悪い、あるいは辛い結果になれば、普通はその行動をとらなくなる。

 台所のコンロで火傷した経験がないだろうか?
 たいてい一度やれば学習するものだ。熱いコンロの火に触れて痛い思いをすれば、ガチガチの石頭や度を超えて不注意な人間でも、二度と同じ行動はとらなくなる。

 同様に、望ましくない行動をとって良い結果が得られなければ、その行動をやめる。たとえば、もしあなたの配偶者が、すねたりかんしゃくを起こしたりしても、あなたの気を引けなければ、うまくいかなかったわけだから、そうした行動をとらなくなるだろう。

 こうした行動のメカニズムをそれとなく示している例は、無数にあるので、ここですべてをとりあげることはできないが、私が言わんとすることをわかってもらえただろう。



 たぶん、これまでに話してきたことの大部分は、あなたがすでに知っていたことだと思う。これはまだ簡単なところだ。

 難しいのは、あなた自身の人生で何が見返りになっているのかを突き止めることだ。見返りがわかれば、あなたの行動の因果関係を理解し、コントロールすることができる。
 何らかの行動をやめたいと思っているならば、その「見返りを断ち切る」必要がある。


 他の人の行動に影響を与えたいならば、まず、相手がその行動に対する見返りと思っているものを理解したうえで、できればその見返りをコントロールし、望ましい行動をとった時にその見返りを与えるようにしなければならない。

 他の人を意のままに操るための知識をつけようとしているように聞こえるだろうが、まさにその通りだ。

 たとえば、上司が異常なまでに自己中心的な人間であり、三度の飯よりも、フットボールチームのヒーローとして活躍した高校時代の思い出話をするのが好きで、おまけに、自分の話に熱心に耳を傾けてくれる人間がお気に入りなら、あなたは彼に気に入られる方法を少なくとも一つは知っていることになる。

 私は何も、あなたがそんな残酷で異常な罰を受けるべきだと言っているのではない。ただ、これは、あなたが相手をコントロールできる見返りだとわかってほしいだけだ。


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