コイン投げの達人になる、一番大切なこと【しごたの2】
前回は「確固たる目標を持つことは、成功するために大切なことじゃない」ということを書きました。なので、今回は「じゃあいったい、なにが大切なのか?」ということを書いていきます。
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ビジネス書はさまざまな人が執筆していますが、彼らの共通項は「成功者である」ということ。なぜなら、ビジネス書を読む人は、その本の中に「ビジネスで成功するコツ」を求めているからです。であれば、実際に成功した人が実践したテクニックや哲学、思考法などを本から学ぼうとするのは、当然といえば当然です。
でも、本当にそういったビジネス書を読んで、その人のマネをすることは、意味があるのでしょうか?
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経済学者のバートン・マルキエルは、「仮想のコイン投げ競争」を想定してみました。ルールは「コインを投げて表が出れば勝ち、裏が出れば負け」という、非常にシンプルなものです。
1000人の人々がこのゲームに参加し、みんなでコインを投げました。すると、だいたい500人くらいの人が負けてしまいます。その人はそこで敗退です。続いて、勝ち残った500人がもう1度コインを投げました。今度は250人くらいが勝ち残ります。これを7回やると、勝ち続けて残った人は8人になります。
そのころになると、残った8人は周囲から注目されるようになります。いろいろな人から褒められ、いつのまにか生い立ちを聞かれたり、コイン投げのコツについてアドバイスを求められるような存在になるのです。
マルキエルの想定は以上ですが、このあと、残った8人はそのうち『私はこうやってコイン投げを勝った』という本を書くようになるかもしれません。いま、世の中に出回っている本は、もしかすると、こうした類のものなのかもしれないのです。
ただし、このエピソードから学べる大切な教訓は、「結局は運が大事」「努力や勉強は意味を持たない」ということではありません(もちろん、ビジネス書を読むことも無価値ではありません!)。ポイントは「才能」も「努力」も「運」も、成功のためのもっとも重要なキーではない、ということです。つまり、ビジネス書を読んで、そのあと、なにをするかのほうが大切なのです。
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ここからが本題です。『まんがで変わる 仕事は楽しいかね?』のなかで、登場人物のマックス・エルモアは次のように言っています。
「一番大切なのは、毎日違う自分になるということ。これは『試すこと』を続けなければならないということだ」
「そして試すことは、あっちにぶつかり、こっちにぶつかり、試行錯誤を繰り返しながら、それでもどうにかこうにか手当たり次第にやってみるということなんだ」
「覚えておいてほしい。何度となく“表”を出すコインの投げ手は、何度となく投げているのだということを。そして、チャンスの数が十分にあれば、チャンスは君の友人になるのだ、ということを」
そうです。コイン投げで成功するために大切なことは、「何度もコインを投げ続けること」。
もちろん、同じやり方を何度続けても、大して意味はありません。これをビジネスシーンに置き換えると、「日々、新しいことに挑戦し続けること」なのです。コイン投げゲームでは一度でも裏を出すと敗退してしまいますが、ビジネスの世界は一度失敗しても何度でも挑戦できるのですから、むしろ、コイン投げゲームよりも易しいルールになっています。
さて、あなたは今日、昨日までの自分がやらなかったことに挑戦したでしょうか?(つづく)
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『まんがで変わる 仕事は楽しいかね?』
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