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皮から手作りの不恰好な餃子〜レシピで作ってみた〜
最後に餃子を口にしたのはいつだっけ?思い起こそうとしてもそれが出来なかった。
今までの30年間で、サンパウロで餃子をいただくとしたら、私にはこの二択しかなかった。
⒈東洋人街のスーパーで、焼くだけになっている出来合いの餃子(お好みで中身が牛肉、豚肉、野菜がある)を手に入れて家で焼いて食べる。
2.同じく東洋人街のラーメン屋さんで、サイドメニューとして餃子を頼む。
手作りなんてとんでもない。皮が近所では手に入らないこともあるけれど、具を用意してそれを皮に乗せて一つ一つ包むあの作業がとても面倒に感じられて、この30年の間ずっとずっと敬遠して来たのだった。
餃子の存在すら忘れそうになっていたある日のこと、この方の記事で、餃子を食べたい熱が突如湧き上がってしまったのだ。しかも今までの、可もなく不可もなくの「ありきたりの餃子」ではなくて、皮から手作りの「とびきり美味しく、特別な餃子」を。
かなこさんは記事中にお友達のnoterさんの餃子レシピをご紹介されながら、皮から手作りする餃子を作っていらした。
元々大のお料理上手なかなこさんが、レシピ通りにお料理すれば素晴らしい一品が出来るのは当然のこととして。私のような不器用な者にもに同じように出来るのか?一抹の不安はあった。
でも、かなこさんの躍動感溢れる文章や美しい写真についつい引き込まれてしまった。冷静な判断より好奇心がまさった。何とかなるかも?いてもたってもいられなくなった。
幸い、その日(金曜日)は朝市で買い出しをしたばかり。冷蔵庫の中身は豊かだった。加えて、普段なら午前中は大学の授業の聴講、午後はリモートでの仕事と忙しい娘が、この日に限って午後からは比較的に時間に余裕があると言う。授業がないので午前中にリモートで仕事、午後は先週末の休日勤務の代替で午後休という話だった。
料理のための助っ人をひとり確保!これは手作り餃子にチャレンジするに絶好のチャンス!餃子作りで一番の懸案事項だった、「孤独な修行」にはならないのは何よりもありがたい。
娘にその旨オファーすると、快くOKが出た。但し午後に美容院の予約を入れたので、その後なら、とのことだった。カットだけだから16時位には戻ると思い「皮の生地の準備」、「野菜を切る」などの作業に一人で取り掛かった。
しかしながら娘は一向に帰っては来なかった。これは最も恐れていたひとり修行か⁉︎と思った頃に娘から一枚の写真が送られて来た。
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餃子作りに手間暇かかることが分からないのかね。。結局娘が帰ってきたのは18時過ぎ。お土産にカフェのプレッツェルを持ち帰ってくれたので許すとしよう。
孤独な修行で生地を切り分け丸く伸ばす作業が途中まで進んでいた
し、夕飯までには何とかなるだろう。こうして二人での共同作業が本格的に始まった。
皮から手作りの餃子
レシピ
1.皮(50枚分)
薄力粉 200g
中力粉 200g
塩 小匙 1
熱湯 200ml
2.豚肉餡
ブラジルのリングイッサ(生ソーセージ) 500g
白菜 1/8個くらい
塩 適宜(白菜の水気を絞る用)
細ネギ 5本
パクチー 適宜
味付けとして
醤油少々
料理酒 大匙2
すりおろし生姜 適宜
ニンニク微塵切り 適宜
コーンスターチ 適宜
オリーブオイル 大匙1
レシピにある塩はリングイッサに既に入っているために入れず
3.タレ
醤油
ライムの絞り汁
お好みで辣油や七味唐辛子などの辛味
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ブラジルでは、薄切り肉を入手するのと同じくらい、牛肉以外のミンチ肉を手に入れるのが難しい。今回は豚ミンチの代わりとして、ブラジルの生ソーセージ、リングイッサの中身を使用。肉は豚だし、粗挽きなのでよりレシピに近い感じになるはずだ。
一緒に買って来てくれたのは鶏胸肉、豚フィレ肉。これらは全て小分けにして冷凍庫へ。いつもの作業。
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レシピにあるエノキは見たことがなく、朝市でシイタケも買わなかったので今回はキノコ類はなし。朝市の買い物でオマケでいただいた細ネギ、最近大好きになってリピート買いしているパクチーを代わりに入れることにする。
ジャズピアニストの大江千里さんのレシピでたびたび登場して日常的に使うようになったパクチー。NYCではスペイン語風にcilantro(シラントロ)というそうだが、大江屋さん風には「知らんトロ」!
ブラジルではcoentro(コエントロ)なので、密かに「肥えんトロ」と命名。パクチーのその爽やかな香りと味は、慣れるとクセになる。パクチー、ルッコラ、フェンネル、イタリアンパセリは私のお気に入りのervas(ハーブ)だ。
作り方
1.粉と塩を合わせ、熱湯を少しずつ注ぎ混ぜる。
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2.捏ねてよく纏ったら、丸めて30分休ませる。
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3.中身の餡を作る。白菜、パクチー、ネギは細かく切る。白菜には塩をして水気を出す。
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4.白菜にコーンスターチをふって、余分な水分が出ないようにする。
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⒌肉に調味料生姜、ニンニクで味付けしたら、餃子の種を全部混ぜ合わせる。野菜が入ったらあまり混ぜすぎないこと。
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6.生地を皮の枚数分に切り分けて、丸く伸ばしていく。この作業中に娘が帰宅。孤独な修行からからようやく解放された。
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7.皮で餡を包んでいく。不慣れで不恰好でも気にしないこと!
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8.あとは普通に餃子を焼く要領で。裏にも焦げ目がついたら水を入れてしっかりと蒸し焼きにすること。
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9.出来上がり。餃子にかかりっきりだったが、前日の残り物を動員させて何とか夕飯らしくなる。陸上の練習に出かけていた息子もいい時間に帰ってきて(21時半頃)、久しぶりに家族全員で食卓を囲んだ。
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色々あって食欲不振気味の家族もこの日はまぁまぁ食べてくれてひと安心。餃子は日本人にとってのソウルフード。皆さんのように上手にはできず、見かけは不恰好極まりないのだけど、味は天下一品だった(自画自賛)。頭を忙しくせず、何かに集中、没頭できたことも今の私には最良のセラピーとなった。
カリっ、モチっ、ジュワは苦労した後の最高のご褒美だった。
【オマケ】
サンパウロの秋の植物たち。
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暑いけれど秋。
エラとサッチモバージョンのAutumn in New York。