サンパウロ散歩
今日は朝から良いお天気でした。どうせ午後からは雨になるのだろうし(実際そうでした)、こんなにキラキラと輝く晴天の日は暫くないかも⁉︎と思ったら、家に閉じこもって過ごす時間がもったなく感じられました。
ちょうど薬局に用事もあることだし、そのついでに近所をぐるっと回ってみようと家を出ました。薬局までは自宅アパートから徒歩10分程の道のりです。いつもの、比較的安全な公園内ではないので、気をつけて歩きますよ。
以前はこの木の下でテント暮らしをする人々を見かけましたが、何処かに移動したようで、今日は誰もいませんでした。薬局から程近く、薬局前で買い物客に話しかけて、必要な物を買ってもらう姿をよく見かけたものですが。
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目的地である薬局に着いて買い物を済ませたら、来た時とは違う道を選んで歩きました。サンパウロの街では、意味のない落書きに混じってストリートアートもちょくちょく見かけます。これは、うちのアパートの裏通りにあるお店の壁に描かれた作品。
これから先のアートは今日撮影した写真ではないのですが、ちょっとご紹介しますね。
これら3作品は私が通う歯科医院のある大通り沿いにあるビルの壁に描かれたものです。
しかしながら、サンパウロ出身のストリートアーティストで今最も注目を浴びているのは何と云ってもこの方ではないでしょうか。
エドゥアルド・コブラ(サンパウロ出身、1975年生まれ)。
コブラについての詳細は、サンパウロのフリーペーパーである『ピンドラーマ』でライターをされているこの方の記事を読んでいただければと思います。(おおうらともこさん、お元気かな?)
コブラは昨年、サンパウロ市のブラス地区にある移民博物館の壁に新作を披露したそうです。世界6ヵ国からサンパウロにやって来た8人の難民、移民をモデルに描いたそう。
私は残念ながらまだ実物を見に行ったことはないのです。でも写真から移民、難民の方々の、希望に満ちた生き生きとした表情が感じられますし、コブラがその作品たちに込めた想いを知るにつけ、なんとも胸が熱くなりました。
作品のタイトルは『世界に開かれた窓』と云うそうです。その絵の一つ一つを上のリンクから是非味わっていただきたいと思います。
記事の中でもう一つ興味深く思ったのは、コブラの友人の一人で、シリアから難民として渡伯、帰化された方のお言葉です。
これは昨今の難民、移民にだけ当てはまるのではなく、古くからの移民、すなわち家族で渡伯した私の夫の祖父母や両親、そして30年ほど前に単独でやって来た私にももちろん身に覚えのある話です。長い年月をかけてなんとかこちらの生活に馴染んで来たように感じる今でさえ、ふとした瞬間に感じるアウェイ感。でもかといって、もう「普通の日本人」では無くなってしまったような感覚もあって。
コブラの作品でもう一つ私が見たことがあるのは、ヘッダーの写真にある超大作です。サンパウロの田舎に向かう幹線道路で見たその作品には、チョコレートの川をカカオを乗せた小舟で進む、カカオ農民が描かれています。チョコレート工場を取り囲む壁にダイナミックに描かれているその絵の写真を、移動中の車窓から撮りました。車ではまぁまぁ一瞬で通り過ぎてしまいますが、その前を歩くとどれだけスケールの大きな作品であるかが分かります。(↓コブラのインスタリールより。)
サンパウロ市内のオスカル・フレイリー街には、コブラが描くアルベルト・アインシュタインの壁画があったそうです。でも、他のアーティストに作品披露の機会を譲るということで今は消されてないのだとか。その代わりに、ニューヨークに同じポーズのアインシュタインを描きに行ったそうです。(780, 3rd Ave, NY)ストリートアートの寿命がどれくらいかは分かりませんが、いつかこの作品を見に行ってみたいものです♡
☮️=❤️² 、アインシュタインのE=mc²
相対性理論の式を模して。
ストリートアートに想いを馳せながら帰宅、ふとアパートの窓から外を見たら、身近にもコブラの作品が⁉︎