第2話 日向三代の巻
【いっしょに〝記紀〟を旅しよう!】第2話 神話 日向三代
〝記紀〟の神代最後に描かれ、その後人代の 神武天皇につながっていく話し。神武天皇から見て、ひいおじいさん、おじいさん、おとうさん 三代の話しです。
神武天皇のひいおじいさんは瓊瓊杵尊と言って、天照大神の孫です。この瓊瓊杵尊が天照大神から三種の神器や稲穂を授かって高千穂峯に降り立ちます。これを天孫降臨と言います。
ちなみに天照大神の子とは、素戔嗚尊と誓約をして生まれた天忍穂耳尊です。そして天忍穂耳尊と高皇産霊尊の娘 栲幡千千姫との間に生まれたのが瓊瓊杵尊です。
瓊瓊杵尊は、大いなる山の神 大山祇神の娘 木花咲耶姫と結ばれて兄 海幸彦(火闌降命)弟 山幸彦(彦火火出見尊)が生まれます。弟の彦火火出見尊が神武天皇のおじいさんです。
山幸彦こと彦火火出見尊は、兄 海幸彦から借りた釣り針を無くしてしまいます。困り果てた山幸彦は 塩土老翁に教えてもらって 海神の豊玉彦のところに行って助けてもらいました。そしてその娘 豊玉姫と結ばれて神武天皇のお父さん鵜草葺不合尊が生まれるんですね。
でも、ちょっといろいろあって豊玉姫は海に帰ってしまいます。代わりに妹の玉依姫が来て、鵜草葺不合尊はおばである玉依姫と結婚します。そして生まれた4兄弟の末っ子が神武天皇です。長男は彦五瀬命、次男が稲飯命、三男が三毛入野命です。
後に兄弟揃って塩土老翁に聞いた「四方を青山に囲まれた東の美しい国」へ旅立ちます(神武東征)。
ざっとそういう話しで、つまり、 天照大神、素戔嗚尊、高皇産霊尊の血をひく天上界の貴公子 瓊瓊杵尊が、葦原の瑞穂の国を治めるべく降り立ちます。それから三代に渡って山の神、海の神ともつながって、人皇初代 神日本磐余彦天皇(神武天皇)が誕生するという展開ですね。
私の説明ではあまりに雑なので、神話についてもう少し詳しく知りたい方は↓
※「日本書紀」「古事記」で、登場する神や人物に使われる漢字や読み、内容も一部違うところがありますが、私の記述は基本「日本書紀」に従っています。
追記
「古語拾遺」に、天孫降臨で瓊瓊杵尊に高天原の神聖な稲の穂(種)を持たせたとあります。
昔から神武東征とは水耕稲作を各地に伝えた伝承だと言う見方があります。
神武天皇が奈良の橿原宮で即位されたのを「日本書紀」は紀元前660年とします。奈良盆地に稲作が伝わったのは現在わかっているのが紀元前500年頃。御所市の秋津・中西遺跡で確認されています。 この遺跡を見下ろす山すそには第二代綏靖天皇の葛城高丘宮伝承地もあります。
水耕稲作を大和に伝えたのは神武天皇だったのでしょうか?
次回はいよいよ神武東征お船出の巻です。お楽しみに〜!
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