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いろんな詩

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詩のまとめ
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#猫がいる生活

お日様

お日様

お日様は好きさ。
当たる時に、
僕は少し丸くなって、
ふわふわにすきまを作る。
あっという間にぽかぽかだ。
いつもは優しくさわるお日様が、
夏はちょっと様子がへん。
DJみたいにノリノリで、
セミがミンミン奇声を上げる。
捕まえても捕まえても、
奴らはノリノリ。
頭がおかしくなって、
パーティは終わらない。
まだやるのかな。
早くトンボが来ないかな。

追い噛み様

追い噛み様

やって来た
やって来たぞ
追い噛み様が
噛み様の
居場所に
居座る
不届き者に
妖刀たずさえ
一撃二撃で
ひらりと離脱
尾を垂らして
ウロウロと
ここで諦めては
追い噛みの
名が廃る
眼光鋭く
追撃の
機会を狙う
ソファ前

人間釣り

人間釣り

狭いキッチン
忙しそうな
君のそば
自慢のしっぽ
仕舞わず伸ばして
ぶんぶんゆらゆら
動かして
ほんの少しでも
触ったならば
君の負け
僕が猫らしく
ニャア
と言うから
謝らなければ
ならないよ
うんざりするまで
甘やかし
美味しいもので
ご機嫌とって
僕が喉を鳴らすまで
謝らなければ
ならないよ

修行僧

修行僧

エアコンキンキン
不満顔
みてるみてると
暑い昼寝を見せつける
日向で
ゴロン
ポカポカルーター
抱え込む
人間も
熱源よ
抱かれる君は
宙を見る
見てるようで
見てない目
修行僧は
瞑想中
これが終われば
いいことが
可愛いねぇ〜
心頭滅却
いい子でちゅね〜
人間滅却

言ったもん勝ち

言ったもん勝ち

こんなに貴重なものはありません
テレビの宝石売りが言う
さぁ早く早く
ここまで来れば着いたも同然
渋滞後の遠い町であなたが言う
さぁ早く早く
僕は何も貰ってません
ご飯後の猫が言う
さぁ早く早く
僕は今日雨が降ってるのを知っている
さっきベランダで濡れたもの
この後天気は大荒れで
水があふれて電車も止まって
電気も止まって電話も止まって
帰れなくなると僕のひげが教えてくれた
だからその
バタバタや

もっとみる
立て膝

立て膝

落ち着くの、立膝が。なんでかな。
身体が曲がったねじれ体。
右が好き。左に猫がよじ登る。
ネジレテテ
倒レチャウ
重シハイカガ
いいのいいの、ねじれてて。美しい螺旋を目指すもの。
アアアレダ
ネジリ花
ねじり花! よく知ってるね。小さい頃好きだった。懐かしい。
ボクモ
懐カシイ
え君、ペットショップに居たよね。
知ッテルヨ
ネジリ花
猫ハ全テヲ
知ッテルノサ
若イ頃
螺旋ヒゲニ
憧レタモンダ
身体

もっとみる

風奉行


やいやい
起きろ起きろ
と風奉行
ピッと中風
ブーンブーン
ピッと強風
ゴウゴウゴウ
ピピッと停止
ミーンミーン
起きろったら
起きろったら
ガブガブガブ

あなたと過ごすより猫と居たい
急げば間に合うけど
猫と居たくなっちゃった
だってあなたより猫がいいんだもん

君はプシュケ16歳

君はプシュケ16歳

太陽大好き
日向の子
一番星の
尊き猫
無修正で
上玉で
空舞うボールと
空中戦
家伝の龍拳
繰り出して
じゃらしを飲み込む
武勇伝
胆石
宝石
試金石
君の吐くもの
竜涎香
猫草代わりの
髪の毛と
舌仕舞わぬとも
16周年
執念深く
あと数周年
折り返しの
無謬伝

宝石

宝石

猫の目の色
ペリドット
朝日にあたって
虎目石
東京の空は
アクアマリン
iphoneは
ブルートパーズや
ラピスに変える
ミスティックトパーズの
カナブンが
うちのバジルを食べてった
雨上がりの水溜まり
覗き込んだら万華鏡
紫水晶
黄水晶
薔薇水晶に針水晶

日常

日常

こちらを見てくる
うちの猫
私は名前を呼びながら
ひたすらに手を振っている
猫はキョトンと不思議そう
振ってみる?振ってみる?
世にも珍しい猫になるよ
このたわけが
見よ
このしっぽの振り方を
心優しい君だから
いつか付き合ってくれるはず
私は今日も手を振っている

ソファ

ソファ

部屋に大きなソファなる
僕のベッドがやってきた
右も左も僕の場所
両手すりも僕の場所
背もたれは
僕が爪とぎダメージ加工
君らには
真ん中の溝をあげようか
断りもなく座ったら
僕怒るからね
噛んじゃうからね

貴族

貴族

甘噛みしたり
本噛みしたり
人間操縦
人間の躾は大変だ
猫語をちっとも
覚えやしないし
それに比べて
僕の読解力は最高レベル
お風呂の予定も
病院も
先読み楽勝
憐れに思ってお付き合い
ノブレス・オブリージュ
ってやつなのだ

ごはんごはん

ごはんごはん

人間に真剣に
ごはんごはんと要求するのも
等価交換
真剣シャキンと牙使い
おはようさんおはようさん