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連載「菌活ボーイがゆく」⑤

こうじの魅力にはまった猫サラリーミャンの菌活実践記です。
「育て上げた醤油こうじを食べてしまうのが心苦しくて」の心境で菌との触れ合いの日々を送る。
さっちー師匠ににゃんだかんだ巻き込まれながら菌活ステップアップに邁進中。

文/菌活ボーイ
イラスト/ちぐ

⑤便利なボトル育菌


ボトルでの育菌は便利だ。


「混ぜるとき、雑菌が入らない。使うときもスプーンがいらない」

さっちー師匠のありがたいお言葉。

忘れないよう、僕はノートにペンを走らせる。


うちのボトルは透明だから、こうじ菌が熟成する様子も観察できる。

米粒が日ごとに小さくなり、芳香が漂い始める。

これが「育てる楽しみ」というやつなのか。


台所に行くたびに、彼らを手に取りシェイクする。

気分は、もはやバーテンダー。

ここは夜のニューヨーク?

それとも、カリブの浜辺?


映画「カクテル」のトム・クルーズみたいな笑顔でシャカシャカ。

ボトル内に新鮮な酸素が行き渡り、歓声が巻き起こる。

トム(僕)はニコッと笑って、親指を突き出す。


もっと効率的で、クールなシャカシャカの技とは。

キジトラ流菌道の門下生として、修業する日々だ。


「混ぜるのは1日1回でも良いにゃー」と師匠は言うけれど、ついつい振ってしまうのが世の習いというものではないだろうか。


がまんできない。

たぶん、ラッコなら分かってくれる。

(続く)


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