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連載「菌活ボーイがゆく」⑤便利なボトル育菌
こうじの魅力にはまった猫サラリーミャンの菌活実践記です。
「育て上げた醤油こうじを食べてしまうのが心苦しくて」の心境で菌との触れ合いの日々を送る。
さっちー師匠ににゃんだかんだ巻き込まれながら“菌友”(菌活友だち)づくりに励む。
文/菌活ボーイ
イラスト/ちぐ
![](https://assets.st-note.com/img/1726211056-7ng1RBJop0cC8zrf5jLahbHI.png)
ボトルでの育菌は便利だ。
「混ぜるとき、雑菌が入らない。使うときもスプーンがいらない」
さっちー師匠のありがたいお言葉。
忘れないよう、僕はノートにペンを走らせる。
うちのボトルは透明だから、こうじ菌が熟成する様子も観察できる。
米粒が日ごとに小さくなり、芳香が漂い始める。
これが「育てる楽しみ」というやつなのか。
台所に行くたびに、彼らを手に取りシェイクする。
気分は、もはやバーテンダー。
ここは夜のニューヨーク?
それとも、カリブの浜辺?
映画「カクテル」のトム・クルーズみたいな笑顔でシャカシャカ。
ボトル内に新鮮な酸素が行き渡り、歓声が巻き起こる。
トム(僕)はニコッと笑って、親指を突き出す。
もっと効率的で、クールなシャカシャカの技とは。
キジトラ流菌道の門下生として、修業する日々だ。
「混ぜるのは1日1回でも良いにゃー」と師匠は言うけれど、ついつい振ってしまうのが世の習いというものではないだろうか。
がまんできない。
たぶん、ラッコなら分かってくれる。
(続く)