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夏らしいことを始めた瞬間、人生が変わり始めた【Ep.1/全4回】
22歳の時、私は札幌駅の地下街の眼鏡屋さんでアルバイトをしていた。同級生はみんな就職し、慣れない環境で悪戦苦闘働く中、私はといえば大学生をまだ続けていた。
「オープニングスタッフ募集」の広告文章に心惹かれて札幌駅の眼鏡屋さんでアルバイトを始めることにした。環境を変えたくて。
札幌駅は北海道内で最も人の乗降客数が多い駅だ。駅ビル内にある商業施設に、老いも若きもやってきては買い物をしたり、食事を楽しむ。その駅の地下にある眼鏡屋さんで働いていた私だから、色んな友だちが私に会いにきてくれた。
高校時代の友だちがいる。今でも1番仲がいい友だち。私が家を追い出された時には「なら3ヶ月だな」と即決で居候をさせてくれたし、30歳を超えた今会うと政治の話やら何やらで意見交換できる数少ない友だち。この記事に登場する我が敬愛する友だちだ。ここでは名前をユウヘイとしておこう。
22歳の夏の私はまだ大学を除籍になっておらず、実家で暮らしていた。ある日の夕方、私が眼鏡屋でのアルバイト中、特にやることもないので、フロアに並んでいる大量の眼鏡を拭いていると、仕事の合間なのか、その彼がやってきて、私にこう言った。
「なぁ、今年、夏らしいことはしたか?」
「え?夏らしいこと?してないよ」
「そしたら週末の土曜日、空けとけ」
「…なるほど。わかった」
「じゃあ土曜、札幌駅で」
微笑をたたえたまま、これだけ言い残してユウヘイは札幌駅の人混みの中に消えてしまった。
思えばここからだ。
2013年の夏からだ。全てが変わったのは。
ここから私の人生の全てが変わったと言っても過言ではない。彼のこの一言があったから、工夫次第で人生を楽しむことを覚えられた。今日に至るまで何があっても人生を楽しんできたし、どんな局面でも何とかなると思ってやってきた。札幌という地方都市での話ではあるけれど。
今日から明日、明後日、明々後日の4日間に渡って、2013年夏のある1日の出来事を書こうと思う。大した話ではないし、満足できるものになるか分からないけど、でも書き残しておきたい。
明日は、札幌駅の北口ドトールで待ち合わせると、高校時代の男友達と、見知らぬ女の子がやってきた、というところから続きを始めようと思う。
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