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つづきが気になる話。

お昼後は毎日おなじカフェでコーヒーを頼むことにしている。だけど今日に限って黒髪ボブの女性店員さんがカウンターで何かをじっと見つめて動かない。

気になって注文の列で順番が来るのを待っていた私は彼女の視線の先を追った。しかしそこには何もない。変だなと思って周りを見渡そうとしたら後ろからトントンと肩を叩かれた。

え、だれ? と思って振り向こうとしたら、さっきまで微動だにしなかった黒髪ボブの店員さんが「お待たせしました〜!」と大きな声を出して私に会釈する。

ん、あれ、どうしよう、と思ったけれど肩を叩いてきたのは誰なのかが気になったので私はカウンターに進みつつ後ろを振り返った。

そこに立っていたのはたぶん、北欧の国、おそらくデンマークあたりの血が入っているであろう美しいハーフの若い女性で、手には「超図解!ひも理論」と書かれた本を持ち私にむかって微笑んでいる。


だれなんだ? あとでその人の名前は「エレナ(仮名)」であるということはわかったのだけど、私はとっととカウンターの黒髪ボブの店員さんにコーヒーを頼まなければならない。


なぜ店員さんが微動だにしなかったのか、なぜエレナが私の肩を叩いて本を見せてきたのか? 

事の顛末と、それからの超展開について詳細に書かなければならないのだけど、それを書くにはあまりに時間がなさすぎる。

だから書くことができない。


〈あとがき〉
話のタネとして100点のお話なのにそれを書く時間、それに割く労力のない自分が残念です。もしも自分が職業作家だとしたら今日起きた話はまずまずの材料になりうるはずですが、私は普通の人なのでムリでした。今日も最後までありがとうございました。

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