短編小説:【真夜中の独り言】《金魚》
学(まなぶ)とはもう付き合って2年になる。
地味でお世辞にも可愛いとは言えない私が、学と付き合えるなんて夢にも思わなかった。
学の周りにはいつもキラキラした人達が沢山いたし、学はいつもその中心にいた。
いっぽう私は、初対面の人と話すのも、大勢で連んであーだこーだ言い合うのも苦手だった。常に1人で自由に、周りに感化されず過ごす事がとても楽だった。
お昼は、もっぱらお弁当か購買のパンだったが、学食も講堂も人の笑い声で溢れ、中庭でさえ1人で静かに過ごす事もできなかった。
キャンパ