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学生起業家のピッチは「原体験」の宝庫~世界学生起業家アワード大阪大会
世界の学生起業家を表彰するアワード
EO(Entrepreneurs' Organization)という、アメリカで生まれた起業家ネットワークがあります。そのEOが世界の優れた学生起業家を表彰する「世界学生起業家アワード」というコンテストがあり、先日その大阪大会が行われました。
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大阪大会は5社で争われ、上位2社が来年行われる日本大会に出場。それを勝ち抜けば、世界大会への出場権が得られます。ピッチに登壇する経営者は、みんな現役の大学生です。
特徴的なのは審査基準。多くのピッチイベントは資金調達や大企業とのマッチングなどを目的としているので、ビジネスモデルや将来の成長性が重視されます。
しかし、このアワードは学生ならではの熱い想いや事業に向き合う姿勢などが重視され、「起業家精神が7割:ビジネスモデルが3割」という配点で審査されるとのことです。
ピッチに先立って行われた基調講演でも
「『なぜ自分は起業するのか』という原点を大切にしてほしい」
とエールが送られました。
そんなスタイルもあって、5社それぞれのプレゼンテーションには起業につながる原体験と、そこから生まれた熱い想いが盛り込まれていました。
勉強で自己肯定感を失う子たち
その中で特に印象的だったのが、takeforest株式会社というスタートアップのピッチです。
同社が発表したのは「たった10分・1問だけのオンライン学習」ができるサービス。ごく短時間の学習を繰り返すことで成功体験と自信を積み重ね、勉強習慣の定着に結び付けるというものです。
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このサービスを開発した代表の竹森さんが起業した背景には、勉強にまつわるひとつの原体験があったそうです。
もともと私は塾の講師のアルバイトをしていました。
当然、生徒の中には勉強が苦手な子もいます。
そんな生徒の中には、勉強ができないことを親に怒られて自信をなくし、自己肯定感がとても低い子がいて、「勉強」のあり方に疑問を抱いていました。
本来、子どもたちの可能性を広げるはずの勉強が、逆に自信を失わせ、自分自身を否定する要因になっている・・・。そんな現状に頭を悩ませる日々。
竹森さんがこの状況を放っておけなかったのは、竹森さん自身も同様の経験をしたからです。
実は僕自身も、過去に勉強ができずに自信をなくし、不登校の時期があったんです。
そして、この状況を乗り越えたエピソードが、今のビジネスモデルにつながっています。
ある時、物理の先生が「この1問だけでいいから、解いてみ」と言ってくれたんです。
それを解けたことがうれしくて、自信を持てるようになりました。
「1問だけ」という無理なく取り組める形から始めて自信をつけ、勉強習慣の定着につなげる、というビジネスアイデアの原点は、ここにあったのでした。
「こんな先生に出会いたかった」と思った人も多いのではないでしょうか。
起業を志した原体験とビジネスモデルがキレイにつながって、とても説得力のあるプレゼンテーションでした。
近年、ITを使って教育の課題解決に挑むスタートアップも増えています。いわゆる「エドテック」と呼ばれる分野です。
その起業家たちの話を聞いていると、(私が話を聞いた中では)みんな自分が子ども時代に学校に対して抱いた疑問や不満が原点になっています。
今、学校に対して何らかの疑問や不満を持っている人も、その気持ちを否定することなく、新しい教育を創り出す原動力にしてみるのもいいかもしれません。教育分野で起業した人の話を聞いていると、本当にそう思います。
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ちなみに、先ほどの竹森さん率いるtakeforest株式会社は、この大阪大会で見事1位に輝きました!