努力しても出来ない事があるのは当たり前
誰にでも苦手な事がある。
歌を歌うのが苦手、絵を描くのが苦手、お酒が苦手、高いところが苦手、走るのが苦手、数字が苦手、などなど。
感覚的な苦手や体質的な苦手や能力的な苦手。
練習や慣れではどうしたって克服出来ない苦手もある。
パクチーが苦手な人に
無理矢理食べさせて克服させようとする人はあまりいないと思う。
苦手だからパクチーの入っていないメニューを選ぶ人を
責め立てる人もほとんどいない。
犬が怖いと怯える人に、
初めは犬の可愛さを説いたとしても、
生理的に拒絶するほどの恐怖感を持っていると知ったら
それ以上無理強いする事は諦めるだろう。
どうしたって克服できない
どうしたって出来る様にならない
人にはそれぞれ向き不向き、好き嫌い、得意不得意がある
その事をほとんどの人が当然のように分かっているハズなんだ。
ハズなんだけど、
ふと見渡してみるとどうだろう。
仕事や勉強の事になると
「出来ないのは努力が足りないから」
「頑張れば苦手じゃなくなる」
そんな空気がないだろうか。
自分の出来る事が出来ない人を見ると
「なぜこんな事ができないの?」
「このくらいは出来て当たり前だよね」
というマウンティングが生まれる。
先輩が新入社員にそう思うように
課長が先輩に「当たり前が出来ていない」
部長が課長に「当たり前が出来ていない」
社長が部長に「当たり前が出来ていない」
会長が社長に「当たり前が出来ていない」
尽きないループ
仕事や勉強が顕著に感じるんだけど
他の事についてもそう。
一般的に出来る人が多い事を
出来ない人がいれば
努力が足りない
工夫が足りない
頑張れば克服できる
そんな風に思ってしまったり
出来ない自分を無能な人間だと
信じ込んでしまう
そんな事ってないだろうか
世界が始まって今まで
人類は1000億人以上生まれたそうだが
誰1人として全く同じ人間はいない
違って当たり前
頑張ったって出来ない事があって当たり前
頑張る気にすらなれない事があっても当たり前
それでもなお努力とチャレンジを重ねて
壁を乗り越える人もいる
夢を掴む人もいる
それは素晴らしいこと
努力なんて無駄だと言いたい訳じゃない
人それぞれの特性を無視して
他人を傷つけたり
自分を傷つけたり
そういうの良くない
楽しくない
そう思うのです。