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大沢在昌に見る「余白の美」~読みたくなる文章の秘密

こんにちは、ぱんだごろごろです。

読んでくれる人の存在


タナカアユミさんの添削を受け、ないと倶楽部に入会したことで、
最近、あらためて、文章について、考えるようになりました。



この記事を書いたあと、「親心」からコメントをくださったタナカアユミさんに、返信をしたのですが、

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タナカさん、
今まで、「ひとに読んでもらえる文章」という概念が、まったくなかったことに気がつきました。
書きたいから書くんだもんね。
でも、読んでくれる人の身になってみたら、やっぱり読みやすい文章の方が親切だよね。
清少納言にしろ、紫式部にしろ、仲間内の女房や貴族たちが、読んで、面白い、と言ってくれたから、書き続けたんだよな、とふと思い付きました。🐼

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こう書いて、送信したあとで、「つくづく私、読んでくれる人の存在を考えていなかったわ」と思い至りました。

反省しながら、「清少納言や紫式部じゃ、いくら何でも、古すぎるな、今の人で言ったら誰かしら」と、考えて。

「そうだ、大沢在昌がいるじゃない」と思い付いたのです。

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大沢在昌の魅力


現代の作家の中で、「とにかく読んで面白い」本を書く人。

皆さん、それぞれにお気に入りの作家があるでしょうが、私にとっては、「大沢在昌」です。

どうして、大沢在昌だけが、特別なのでしょう?

普段の私は、基本、ハードカバーの本は買いません。
価格も高いし、場所も取ります。
文庫本になるのを待つか、電子書籍になっていれば、クーポンを使って、安く買います。

ところが、先日、駅の本屋さんで、平積みになっている彼の新作、「悪魔には悪魔を」を見かけた私は、一瞬の逡巡ののち、レジに向かっていたのです。

どうしても読みたい。
値段が高くても、今忙しくても。

そう思わせる力が、大沢在昌の本にはあるのです。

なぜ、読みたいのか?

読んだら、面白くて、楽しい思いができるから。

純粋な愉悦は、人を惹きつけるのです。

大沢在昌ワールドの特徴としては、以下のようなものがあります。

主人公が格好いい。
やくざ、スパイ、殺し屋など、一般人なら、決して出会うことのない人物が登場する。
裏社会が生き生きと描かれ、読者は主人公と一緒に、現実では見ることもない世界や出来事に遭遇できる。
謎解きが楽しめる。
主人公は次々に困難を切り抜けていくので、爽快感がある

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大沢在昌の文章――「余白の美」


今回、私は、タナカアユミさんの添削を受け、読みやすい文章にするために、次の項目をすすめられました。

◇改行を増やす
◇漢字表記をひらがなやカタカナにする
◇固い言い回しは避け、柔らかい言い方にする

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ふと、思い付いて、「悪魔には悪魔を」のページを開いてみました。
会話文が多く、動作は短い言葉で表されます。
今まで気にしたこともありませんでしたが、言われてみれば、漢字が多過ぎないせいで、ほどよい空白がそこここにあります。


そういう目で見なければ、決して気付かない点だったでしょう。

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日本文化には、「余白の美」という言葉(概念)があります。

わざと、すべてを描かず、見る者の想像力のはたらく余地を残しておくのです。

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リアルな会話と、そっけないまでの、短い情景描写。

与えられる情報が少なければ、読む人の方でおぎなってくれる。


大沢在昌はまさしくプロ中のプロです。

わかってやっているに違いありません。

その結果、テンポのはやい、疾走感あふれる物語が展開されるのです。

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まとめます。


今まで私は、noteの記事を書くときに、「読む人」の存在を、まったく考えていませんでした。

タナカアユミさんの添削を受けたことで、そのことに気付き、「読者が読みたくなる文章」とはどんなものかを考えた時、浮かんだのが、大沢在昌です。

彼の文章の魅力について、「余白の美」という観点から、論じてみました。

大沢在昌お薦めシリーズ
「魔女」シリーズ・・・ヒロインの水原がとにかく格好いい。相棒の星川も魅力的。
「狩人」シリーズ・・・一見格好良くない刑事の佐江だが、読むほどに頼りがいが増す。

大沢在昌の出世作は、「新宿鮫」シリーズですが、実は私は、こちらはあまり・・・。
主人公の彼女があまり好きなタイプではないため、感情移入できない、というのが理由です(近頃、別れたようですが)。

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