ナミビアの砂漠
最近、観たい映画をちゃんと、映画館へ観に行けている。
サブスクの配信で観るのも良いけど、やはり映画は、映画館で観るのが一番良い。
「ナミビアの砂漠」を観た。
以下、大量ネタバレなので、よろしくです。
登場人物、誰ひとり好きになれなかった。それは、何とも言えない嫌なリアリティがあったからかも。
共感できるような部分はあまり無かったし、自分の周りにも似てるような人は居ない。が、心の奥底にある何かを針でチクチクされる感覚もあった。
物語で出てくる最初の彼氏。あまり詮索もしないし、穏やかで、世話焼きで、一見物分かり良さそうに見えるが。出張のお土産は何が良い?の件でなんだかメンドクセ〜と思った。
出張後のお家で、風俗に行った話を懺悔する。あのシーンは本当に観ていられなかった。カナは一般人のセフレ(次の彼氏)のような相手が居るわけやから、悲しむ権利はそもそも無いし、実際まじで何も感じてなさそう。
むしろ、これがきっかけ(言い訳?)に縁を切れて、ラッキーぐらいだったのでは。
最終的に彼が車で待ち伏せしたり(怖すぎ)、車内で大声を出したり(怖すぎ)、普通に怯えた。そして彼は阿鼻叫喚。何だ、そういう風にカナに依存していたのか。
俺はカナを理解してる的な台詞を吐いたけど、そんな事を本人に言う時点で。何も理解していない。
黙って同棲していた家を出て行ったのは、あらあらそうだったのね、です。まあ、カナは全然そういう事をしそう。衝動で生きている。考える前に行動。
しかし、次の彼氏も次の彼氏で。今までは自由奔放なカナを受け入れてくれる人だったから。何とか成り立って、良かったものの。
次の彼氏は、ほぼ同じ熱量で向き合ってくるタイプの人種なもんだから。最初のやり合いは目を背けてしまったが、後半になると見慣れてくるもんで(そもそも、カナはこんなに目に見えて暴力的だとは思わなかったので驚くが)。
終わり際、長めのやり合い格闘シーンは、もはやアクションであり。笑ってしまった。彼が本気を出せばきっとカナはあっという間にやられて、DVに成りかねないが、そこまではやらない冷静さが。彼にはあって良かった。
お互いカッとなるから、長くは持たなさそうだけれども、そこを除いたとしても。バックボーンも全く違うし、自信家で夢みがちな彼との生活。身も心も不安定になっていく姿、勝手にこっちまで病んでしまいそうだった。
ホンダと付き合ったまま、ハヤシと美味しいところだけを食べ合うような関係が最も良かったと。私には思えた。安心して帰れる場所がカナには必要だ。それが退屈であったとしても。ホンダには、ごめんかもやけど。
あとシンプルに、外で立ちションするような奴とは、絶対に付き合うべきではない。
今気付いたけど、新たな彼とは一緒に用を足したりとか。下品な場面が目立ったな。
それと、やたらカナが自分で落とした物を、ハヤシに拾えと命令しまくっていたが。あれはどのような意図があったんだろうか。分かりそうで、分からない。
にしても、137分は長かった。主演の俳優を好きだから観られたけど。河合優実さんのカナを、137分観られたのは良かった。
河合さん、本当にすごいや。めちゃくちゃに、カナだった。何から何まで、カナでしかなかった。
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監督のインタビューとか読んだら、この作品に対してもっと解像度が上がるはず。今のところは、まだ、だいぶ、粗め。
これからも、誰と付き合っても。カナは自分自身に踠くことになるだろうな。
そういえば、カウンセラーの女性、「悪は存在しない」のグランピングを持ち掛けてくる会社の人だ。顔ではわからなかったけど、あの声色と、読点をたっぷり含む喋り方で。気が付いた。
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