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糖尿病教室に入院、生徒は私一人

この記事では、糖尿病一年生の私が、医師のすすめにより、治療の第一歩として受講した糖尿病教室の内容や、私の気持ちの変化をお伝えします。

糖尿病教室(教育入院とも言います)と聞いたことがある方もいらっしゃるかと思います。
糖尿病と診断されると医師からすすめられる入院での教育です。
私も、HbA1Cの数値がとても悪かったので、主治医のすすめもあり入院しました。
糖尿病教室でどのようなことをしたのか書いてみたいと思います。


そもそも糖尿病教室って?

「病気についての知識を深め、血糖値が上がらない生活をやっていきましょう!」の合宿です。
医師や看護師、薬剤師さんに理学療法士さん、心理士さんまで、それぞれの分野の専門家が、授業形式で病気について教えてくださいます。

「他の患者さんとも交流できますし、いい機会ですよ。」
と先生がおっしゃっていたので、どんな人がいるかな~と少し楽しみにして入院しました。

「健康診断でひっかかったんですか?私もです。」
といったやり取りしたりするのかなとか、想像したりしていたわけですが……

オリエンテーションに来られた看護師さんから告げられた言葉は

「今回の糖尿病教室は ごごさん だけなので、オリエンテーションは教室を使わず病室で行いますね」

という言葉でした。
なんと、その月の生徒は私ひとり! マンツーマンの 逃げられない  贅沢な 授業が始まったのでした。

このようなカリキュラムでした

糖尿病教室の授業は3日間。
病院にもよるかもしれませんが、私の入院した病院のカリキュラムはこんな感じでした。

【1日目】
〇 看護師さんによる糖尿病オリエンテーション
 ※ 糖尿病ってこんな病気ですよ
〇 管理栄養士さんによる入院中の食事療法のお話
 ※ あなたが摂取していいカロリーはこれだけなので、
 それに沿ってお食事を出しますよ
 ※ 食べる順番や、必要栄養素はこれです、バランスよく食べましょうね。
〇 理学療法士さんによる運動療法のお話
 ※ 運動療法をするとこんなにいいことがありますよ
 ※ 有酸素運動ができなければレジスタンス運動をしましょうね。
  レジスタンス運動とは:筋力トレーニングのことです。例)スクワット
〇検査技師さんによる SMBG・尿糖測定のお話
 ※ SMBGとは:機械で指から血液をとり血糖値を測定する方法

【2日目】
〇 薬剤師さんによる薬物療法のお話
 ※ こんなお薬がありますよ。この薬はこんな働きですよ
〇 看護師さんによる合併症についてのお話
 ※ 糖尿病になるとこんな合併症が起こることがあります
〇 心理士さんによるストレスと向き合う方法のお話
 ※ ストレス解消法や向き合い方・めいそうの方法とか
〇 看護師さんによるフットケアのお話
 ※ 高血糖状態が続くと足に異変が起こることが多く見られます
〇 医師による合併症のお話(応用編)
 ※ これは写真付きで見せてもらったので、壊死した写真とかあって怖い授業でした

【3日目】
〇 看護師さんによる日常生活の注意点と災害について
 ※ 肥満・禁煙のお話や旅行時・災害時の注意事項。
 ※ 糖尿病手帳とお薬手帳の重要性など。
〇 看護師さん同席で決意表明・修了式

ちゃんと修了証もいただきました。
いただいた資料はA4穴あきファイル1冊分ほど。
繰り返しみて勉強してくださいね。と言われてその気になっていたのですが、現状は記事を書くため半年ぶりに開いてみたダメダメな感じです。

入院中の検査

入院中にいろいろな検査をしました。
〇 30分安静にしての採血。
 ※ 採血前30分間ピクリとも動いてはいけない検査方法の採血。
〇24時間尿量検査
 ※ トイレは必ずお部屋のトイレで行わなければならず、500mlの
  プラスティックコップに都度尿を取り、大きな容器にためていく検査。
〇 食前30分前の血糖値検査
 ※ 基本指先から血を取ります、当たり所によってはすごく痛いことも。
〇 朝昼夜の血圧測定・酸素量測定・体温測定
 ※ これは入院患者さんが、みんな定時で行っているもの。
〇 合併症の有無を確認するため眼科検診
 ※ 緑内障になっていることが発覚しました。

その他に歯科がある病院なら歯科検診を行うこともあるそうです。
歯科治療で糖尿病の数値が良くなることもあると教わりました。

楽しみはご飯、だけど……

病院で唯一の楽しみといえば食事。
なにより献立を考えなくても、自分で作らなくてもいい。
温かい食事が時間にきっちり出てきて上げ膳据え膳状態。

2月に健康診断結果が届いてから、糖尿病なのは間違いがないと食事制限を行って4月の入院を迎えました。
カロリーもちゃんと「あすけん」さんに計算してもらっていたので、楽にできるのではないかと思っていたのです。

ところが現実はそんなに甘くなく、ご飯・汁物・主菜・副菜・たまに果物の食事内容でしたが、圧倒的に量が足りませんでした。

自分でとる食事は、

野菜サラダ山盛りでおなかいっぱいにして←これは悪いことではない。
ご飯やパンは毎食食べず、食べてもこカロリーカットご飯をチン。
残ったカロリーを主菜に使う。
お肉大好き、お魚嫌い。
お汁も副菜もめったに作らない。

品数よりもおなか一杯を優先した食生活だったのです。

ですので、病院のカロリー計算されたバランスの良い食事は、視覚的にも満足せず、ゆっくり食べてくださいねと言われましたが、10分もあれば余裕で食べ終わる感じ。

生野菜パックでいいから山盛りで食べさせて~!!と毎食思っていました。

入院の成果

入院期間中に何度か採血を行ったのですが、データをいただけませんでした。
手元にあるデータを記載します。

【HbA1c】
 入院前:12.9%→入院3週間後:9.9% 1カ月で3.0ダウン
 ※ 基準値:4.6~ 6.0%
【血糖随時】
 入院前:282mg/dl→入院3週間後:118mg/dl 1カ月で164mg/dlダウン
 ※ 基準値:70~ 110mg/dl

入院時の説明では、毎日体重測定します。
と記載があったのですが、小児科病棟の個室しか開いていなかったためか
体重測定はなく、帰宅して計測した結果は以下のとおりです。

【体重】
入院前体重:127.4kg→退院日体重:125.6kg 6泊7日で1.8kgの減量
 ※ 基準値:……53.26Kg らしいです。

そして退院

入退院がちょうどゴールデンウィーク前だったので、

「もう一週間入院して体重を落として帰りますか」

と先生からご提案をいただきましたが、山盛りサラダ生活が恋しかったので、丁寧にお断りをして退院しました。

まとめ

教育入院は、糖尿病の知識を得るためには本当に役に立つ体験でした。
なにより段階を踏んで、事象ごとの専門家の方のお話が聞けたのは大きかったです。
こんな機会でもなければ、自分の食生活をもう一度見直したり、これからの未来をどう過ごすかを考えたりすることもなかったと思います。

病気のことを正しく理解し、適切に恐れることが大切だと学びました。
また、規則正しい生活を心がけ、自己管理をすれば数値も改善されることも知り、充実した1週間でした。

糖尿病教室なんて、面倒だからいいやと受講されない方もいらっしゃると聞いています。(※現に私の弟は受講の機会があったのに断ったそうです。)
あくまで個人的な意見ですが、それぞれの専門家が3日間、自分の体の現在と未来について考え講義してくださる。
もしも糖尿病にと診断され、糖尿病教室をすすめられたのであれば、こんな貴重な体験はないかと思いますので、ぜひ受講してください。



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