花はウタウ
私は小説よりエッセイが好きだ。
多くのエッセイの中で琴線にふれたひとつが
染色家の志村ふくみさんの「語りかける花」。
京都の本屋さんで出会った本で
手から、日々の暮らしから絞り出し
紡ぎだされているような生きた言葉の輝きにはっとさせられた。
この本に出会って志村さんの展覧会に出向いたり
その後出版された著書を何冊も読んだ。
自然の色や織物、着物の世界にも興味が広がった。
単純なので、
うわ~と一度感激すると、
その著者の本を端から読みまくりかなり影響を受ける方である。
どうしてまた「語りかける花」なのかといえば
今朝の朝焼けの雲が
まるで飛翔する不死鳥のような姿をして
ベランダの朝顔が今年一番たくさん咲いてくれたからだ。
まさに花が語りかけてくるようで
志村さんの著書のタイトルを思い出したのだ。
「あなたは花が好きなのね」と。
昨日は小さなガラスの花瓶を壁からかけたり
割けてしまった竹筒の花入れを紐で縛って
試験管のようなガラスを入れたりと工夫して
秋の草花を活けて楽しんでいたからかな。
なんといっても毎日
朝顔が咲くのを楽しみにしてるからね。
そう。
愛があるところに花は咲くのよ。
花にもきっと意思がある。
花はウタウ
それは喜びのうた。
愛のあるあなたの場所に
きっと花は咲く。