源氏物語

『源氏物語』について

みなさんは読まれたことありますか??

私はつい先日、ようやく読破しました。

こんなことでも私にとっては大きな達成感の一つです。

あまりに壮大すぎて、なかなか書評というかたちでアウトプットできませんが、それでも感じたこと、調べたこと、勉強したことをご紹介させてください。

1. 光源氏の一生が物語ではない

端的に申し上げると、光源氏の死後も物語は続きます。いわゆる光源氏の子孫たちの物語が。大きな先入観ですよねぇ。。

私は与謝野晶子訳を読みましたが、訳者の表現をかりると、現人神である源氏の死の描写はないとのことです。

2. 『源氏物語』というタイトル

著者とされる紫式部がタイトルしたという同時代史料での裏付けはありません。そもそも紙が貴重な時代に、1帖1帖ゆっくりと書き進めていってたそうです。54帖もの巨大な絵巻をそもそも一大叙事詩と最初から銘打って
書き出したかどうかも…

また「雲隠」は本文が存在しません。もちろんそれはそれで様々な議論をよんでいます。仮に…本文が従来から存在していないのであれば、その帖を含め、『源氏物語』とタイトルするということは、かなりの…創造性ですよね。。

3. 著者複数説

読破された方はわかるとおもいますが、そもそもあのような一大巨編を一人で書き上げれたのか?という点とストーリー的にも、そう考察してしかたないと思う部分があります。やはり、光源氏 → 薫 にスイッチする場面などは…しっかりひかえてなかったことを少し後悔していますが、「竹河」だったかな?明らかに描写が違う帖がありました。与謝野晶子もその帖(おそらく竹河だったと。。)に関しては別の筆者である点を概ね認めざるをえないと解釈していました。

そしてこれはウィキペディアの受け売りですが、藤原道長の庇護を受けていた紫式部にしては確かに物語中での藤原氏への扱いなど…私個人としてどの説を推すということはできませんが、考察の余地は明らかにあるとおもいます。

4.恋愛だけではない


たしかに前半は源氏の恋焦がれがメインかもしれません

ただ、それだけではありません

・源氏の恋愛を通じた、お互いの考え方や立ち居振舞い
・取り巻く人々たちの人間模様
・男女それぞれの人生観
・宮廷内の出世争い、人生観

そういった部分を、紫式部は全て和歌で表現します。源氏物語54帖でTOTAL何首の和歌が詠まれているのでしょう??相当数です。まさに圧巻。

本当に日本文学史上、最高傑作といわれる由縁がよくわかります。紫式部にただただ完敗です。

与謝野晶子の訳も非常に読みやすかったです。

源氏物語 = 寂聴さんの訳
と思っていましたが、与謝野晶子はじめ、他の著名な方もたくさん訳しておられます。

1回の読破で
光源氏の恋愛マンガ → トップクラスの読書経験・源氏物語への造詣
となりました。

ちなみに図書館でかりたのですが、寝ている間に愛犬にかじられてしまいました(苦笑)上記写真の右下

長い人生で、初めて弁償金をお支払いしました。

今回で源氏物語にすっかりハマってしまったので、再読や、違う訳者でのチャレンジ。そしてミュージアムをはじめ、所縁の地へ訪問したいなとおもいました。

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