詩)優柔不断
目の前の扉
それはこの世界の出口なのか
それとも新たな世界の入口なのか
開けるべきか
開けずに踵を返すべきか
変わりたいと望んでいるのだろうか
変わらない生活こそが幸せなのかもしれない
いや変わりたいと願いつつ
変わらない生活に身を置く事を
パブロフの犬は苦痛に感じていたのか
慣れてしまえば
逃げるよりも良かったのかも知れない
浮かんでは弾け
弾けてはまた生まれ
選ばなかった未来を見る事は叶わず
選んだ先の後悔は右手をしっかりと繋ぎ
時々、此方に微笑み掛けるのだろう
扉に手をかけ
見える筈のない世界を見ようと
じっと動けずにいる
腐臭の漂う中を小蝿は戯れながら
もがく事さえをやめ
諦める事も出来ず
何気ない日々は淡々と流れ
あーでもない
こーでもないと
無意味な言葉が塵の様に積もっていく