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飛び石?多角化?打ってしまった手をどうするか問題。
「飛石(とびいし)」というのは、日本庭園などで見られる足場…でもあるのですが、ここでは「囲碁」の用語の「飛び石」のことです。
ちなみに、日本庭園の飛石は「敷石」とも言い、配置によって様々な名前が付けられています。「二三崩し(ふみくずし)」や「雁金打ち(かりがねうち)」などで、検索してみてください。
いきなり余談ですが、以前、金沢に旅行に行った際、「兼六園」を散策する機会があり、絵葉書などでよく観られる「徽軫灯籠(ことじとうろう)」を「虹橋(にじばし)」から撮影しようとスマホを片手に橋上へ。
というのも、観光ツアー客でごった返している時に訪れたため、橋の上からじゃないと、景色に人が入り込んでしまう状況だったのです。
なんとかタイミングを見計らって、いざ撮影…と思った瞬間、ガタイのいい外国人観光客が後ろからアタックしてきまして、危なく池にダイブするところでした。
…観光地は、閑散期を狙いましょう(´-ω-`)。
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…余談でめっちゃ文字数使ってしまった(;一_一)。
囲碁で「飛び石」というのは、すごく簡単に言ってしまえば、「限りなく悪手」に近い打ち手のことです。
囲碁のルールを知らない方もいると思いますが、ざっくり説明すると「陣取り合戦」です。
ですから、自分の陣地を確実に広げていくには、遠くに石を置くよりも、切られないように繋げていくことが基本的な勝ち筋です。(「切られる」とは、相手の石によって陣地が分断されてしまうこと。)
これは、ビジネスにも言えることで、自分の身の丈に合わない儲け話に飛びつくことのないよう、留意するときに「飛び石を打つな」と言うこともあります。
一方、ビジネスでは既存のサービスとは一線を画す新たなサービス領域に手を付ける企業もあります。一見「飛び石」に見える打ち手でも、飛躍的な事業拡大に繋がれば、「多角化に成功した」などと報じられることもあるでしょう。
事業戦略として、ハイリスクでもある「飛び石」は、打たずにいることが盤石な経営(石だけにw)には求められるのかもしれませんが、すでに打ってしまった状況の場合、どうすればよいのでしょうか?
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…事業だと、私の手に余る話になってしまうので(笑)、もう少しミクロな視点として、個人のスタンスとして考えてみましょう(=゚ω゚)ノ。
よくあるのが、「儲かるという売り文句に誘われて、転売に手を出して赤字を出した」とか「今の職場よりも自分に合う仕事があると思って退社したら次がなかなか見つからない」といったことがあると思います。
私の例で言うと、「多くの資格を取得したものの、何がしたいのか分からない」と、よく言われます。これは、他人から見たら「飛び石」だと感じるのでしょうね。
さて、あなたならどうしますか?
諦めずに進みますか?それとも、計画を見直して、投資回収せずに損切りしますか?
…実際のところ、こういった問題に正解は無いのですが、自分の「信念」を今一度確かめる時間は必要だと思います。
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アメリカの臨床心理学者、アルバート・エリスは、「信念」についての考察をしています。
「私は、~でなければならない」のように、「思い込み」が介在する状態を「イラショナル・ビリーフ(非合理的思考)」としています。
他方、「できれば、~である方が良い」といった柔軟な思考を「ラショナル・ビリーフ」と呼んでいます。
自分を内省し、「信念」に「儲けたい」とか「後に引けない」のようなノイズが混じっていた場合、おそらく、あなたの行動は間違った信念(雑念)に囚われ、「飛び石=悪手(間違った選択)」になっているおそれがあります。
ですが、そうではなく、己の心に正直であり、柔軟な思考をもって臨んでいるのであれば、そのまま進むのもいいのではないでしょうか?
全ての答えは、心が知っているモノです。
「このままでいいのか?」と迷ったときには、一度、自分自身に問いかけてみてください。
私も、常に問いかけるようにしています。
ということで、今回の投稿は以上です。