和洋折衷と和魂洋才
…いきなり四字熟語を並べても、意味が分からないですよね(-_-;)。
下記に要約の引用文を掲載します。
わよう-せっちゅう【和洋折衷】
日本風と西洋風の様式を、程よく取り混ぜること。▽「折衷」は二つ以上の事物や考え方などのそれぞれよい所を、適度に合わせて一つにすること。「衷」は「中」とも書く。(三省堂:新明解四字熟語辞典より)
和魂洋才(わこんようさい)とは、日本古来の精神を大切にしつつ、西洋からの優れた学問・知識・技術などを摂取・活用し、両者を調和・発展させていくという意味の言葉である。(Wikipediaより)
ということで今回は、この二つの四字熟語から考えたコトについて書いてみようと思います。
最後までお付き合いいただけると幸いです。
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個人的な意見となりますが、和洋折衷という言葉は一つの枠に適度に混ぜた二つ以上の事物を当てはめるという構造だと思います。
すでに決められたその枠以上のものは作り出せない、という私の考えです。
とはいえ、その枠に適度・適切な量を分配すること自体は決して悪いことではありません。
例えば絵画などは、キャンバスという枠の中に、何をどのように配置・配色するかというものが美しさの一つの要素となっています。
同じように、この和洋折衷という考え方は、枠というものをいかに適切な状態にするかというものが、一つの重要な要素となっていると思います。
要するに、「和洋=異なる事物や考え方」を「折衷=折り合いをつける」と表現できそうです。
引用文にある「程よく」という言葉に表されるように、双方の特徴が残っている状態とも言えるかもしれません。
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一方、和魂洋才という考え方では、もっと尖った印象を私は抱いています。
つまり、和と洋の要素がお互いに主張し、一見すると、無秩序に感じるでしょうが、そこに、ひとつの美しさを備えている…といった印象です。
二つの言葉をビジネスに置き換えて考えてみましょう。
和洋折衷という考え方では、欧米の文化を日本の文化に合わせて、枠にはめて定義する行為だと思います。
ですから、本来の形とは違う状態になっていることもしばしばあるように感じます。
和魂洋才では、欧米の考え方をそのままに、さらに日本の文化を組み合わせ、より特化させた考え方になっているように感じます。
例えば「キャリア」という言葉は、日本では「経歴・肩書」といった印象が強いのですが、欧米では「人生そのもの」を指します。
和洋折衷で言えば、仕事から人生までという曖昧な表現になるでしょうか?
では、和魂洋才ではどうなるでしょう?
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おそらく、キャリアという言葉をそのまま用い、その言葉に日本独自の考え方を当てはめていくという作業になると考えています。
ですから「キャリアを日本語に直す」という考え方ではなく、キャリアという「ニュアンスを説明する言葉」が日本語であるということだと思います。
つまり、キャリアという概念を無理に日本語表記するのではなく、そのままの概念を保ったままに、日本文化に適したニュアンスを内包させたのです。
その結果、「キャリア=職業人生設計」という、仕事だけでなく人生を、さらにそれだけでなく、生きがいややりがいといったニュアンスまで含まれているように私は感じています。
今回お伝えしたいのは、和洋折衷を悪く言うつもりはありませんが、今のビジネス人材に求められている、一つの完成された姿だと思っているからです。
全ての能力が、適度に配分されている人材、どこにいても恥ずかしくない人材…そういったものを求めているのが、日本のビジネスパーソン像ではないでしょうか?
このような人材を求めた結果、企業はコモディティ化を重ね、生産性や効率性といったものを上昇させたいのに上昇しにくい市場になったように感じます。
似たような言葉に感じるでしょうが、和魂洋才という概念を用いることで、もっと貪欲に、日本に調和する思想にカスタマイズしていく…、そして、より特化し、尖った人材に変わるのではないでしょうか?
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ほとんどの科目の成績が「1」であっても、たった一つの「5」という評価を得た科目があれば、その人は素晴らしいキャリアを築いていけるということになるのではないでしょうか?
「枠」というのは、一つの安心材料でもあります。
その枠にはまっていれば、適当な評価を受けることができるかもしれません。
しかし、その枠以上の評価というのは練ることはできないでしょう。
和魂洋才とは、文字どおり、日本人の細やかで粘り強く、他者を思いやる心で、欧米で生まれたサービスや文化を、より洗練したものに昇華していく考え方なのではないでしょうか?
あくまでも個人的な意見であり、本来の言葉の意味とは違うかもしれませんが、このように、すでにある言葉から何かを考え、仮説を立てて行くという作業は、今後の市場で生き残るうえで、大切な作業になるのではないでしょうか?
あなたはどう感じるでしょうか?
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ということで、最後までお読みいただきありがとうございました。
今回の投稿は以上です。