「心配性」に対して「心配事の9割は起こらないから大丈夫」というアドバイスは何の解決にもなっていない話。
タイトル通りの内容ですが、記事を書く前に検索したところ、下記の書籍を発見しました。
…このような書籍があることを知らずに書く、これからの内容に価値を感じられない方は、他の方の投稿へお進みくださいm(__)m。
とりあえずポチったので、そのうち訂正記事を出すかもしれません(笑)。
ということで、今回は本質的じゃないアドバイスについて書いてみようと思います。
最後までお付き合いいただけると幸いです。
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最近になって、仕事としてキャリアプランやライフプランについての面談を行う様になって、改めて「助言」や「指導」という類の声掛けの難しさを感じます。
そもそもですが、誰かの相談を受けるにあたり聴き手として最も必要な能力って何だと思いますか?
傾聴力ですか?
提案力ですか?
…私は「見立て力」だと思います。
「見立て」を辞書で引くと、「選び定めること」となっていることと思いますが、「選ぶ」ためには聴き手の知識や経験の質や量が大切で、「定める」には聴き手の責任感や決断力、ときには覚悟が必要です。
見立てが間違っていたり甘い場合には、助言や指導を行っても、それは本質的なものではない可能性が高いです。
昨今、コミュニケーションにおいて「傾聴力」が注目されていますが、これは「傾聴力」が技術であり誰でも習得できる反面、「見立て力」はセンスが試されます。
「て・に・を・は」が違うだけで、相談相手の心に助言や指導は届かなくなるのですから、面談は常に全集中です。
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さて、タイトルにある例示について掘り下げてみます。
「心配事の9割は起こらない」というのは、「ハインリッヒの法則」に沿った考え方だと思います。
ハインリッヒの法則は、労働災害における経験則の一つである。
1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常(ヒヤリ・ハット)が存在するというもの。
(出典:Wikipedia)
心配性の人は「1割は起こる可能性がある」ことが心配なのだと思います。
ですから、起こる・起こらないという議論を持ち出すのではなく、心配だと感じている当人が、何をどのように心配されているのかを見立てることが肝要です。
先日、自分のことを心配性だという相談者の面接を行いました。
本人は、自身の心配性な性格を「ネガティブ」だと表現しました。
しかし、面談をして感じたのは、発言自体は「ネガティブ」な傾向にあるものの「自己否定」といった後ろ向きな状態ではないというものでした。
この方が心配していたのは、起こる・起こらないではなく「他人と比較してしまう性格から自分に自信が持てない」という自己効力感の低さが原因でした。
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少し補足しますが、「自己否定」とはゼロ以下に位置することで、「自己効力感の低さ」はプラスの方向に進みづらいというニュアンスです。
同じようで、少し違う。
この違いが相談者にとってはとても大事で、汲み取って言葉に変換するときは、いつも緊張します。
僅かな違いで、信頼関係を築くことが困難になるからです。
信頼関係がなければ、何も話してはくれません。
なにより難しいのは、相談者の言葉が、必ずしも適切ではない表現である可能性があるということです。
話していただくために信頼関係は大切ですが、鵜呑みではなく受け容れる姿勢が問われます。
この「鵜呑み」と「受け容れる」の違いからも、「心配性」という言葉をどう捉えるか、変わってくるのではないでしょうか?
…本当に言葉って難しいです(;´・ω・)。
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悩みや迷いがある方ほど、用いる言葉の裏に何らかの感情が潜んでおり、その感情が言葉に現れると私は考えています。
ですから、心配性だという言葉に対して「心配事の9割は起こらないから大丈夫」などと返してしまっては、相談者の本質的な部分には届かない…という話でした。
私も「ちゃんと伝わるかな?(>_<)」などと思っているので、適切な表現ではない部分があるかもしれませんが、そこはご容赦くださいませ(笑)。
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ということで、最後までお読みいただきありがとうございました。
今回の投稿は以上です。