フリッパーズ・ギターがチャゲ&飛鳥だとしてもいい (あるいは聖なる普遍の小沢健二)
https://youtu.be/p3t9B2DXteQ?si=Of5W1ouXPR03G9dB
昭和56年5月10日、日曜日。夕飯どき。NHKの『レッツゴーヤング』を観ていた。その日は近田春夫さんが出演していて『星くず兄弟の伝説』を披露する順番が来た (ニューウェーブ! )
が、しかしそこはアイドルの聖地、会場全体がチルアウト的な空気のなか「ハイ、拍手 拍手~」などとクールダウンしてるお客を自分で盛り上げようとする、かわいい近田春夫さんを覚えている (そしてそれは確かにネゲントロピーだった)
先週、宮台真司さんの「界隈塾」に再び参加でき、ゲストの近田春夫さんにお会いすることができた。前にも書いたがわたしにとっての近田さんは『平凡』と競合するアイドル雑誌『明星』に付いてくる「歌本」の、毎月の新曲に寸評を加えるコラムで知った、鋭い批評家だった (『考えるヒット』のずうっと前から)
そこで佐野元春さんを絶賛されてたのをよく覚えている。つまり日本で一番最初に佐野元春を評価したのは近田さんだ。また一時期は 水道橋博士のコラムにあったように (行きの電車で調べててヒットした)「たけし、タモリ、近田春夫」の時代すらあった。
わたしは1966年 (昭和41年) 2月、小泉今日子さん (近田春夫さん的にはキョンちゃん) と同い年月生まれなのですが、キョンキョンがデビューした高校生のころ、炭酸が大好きな厚木のヤンキー感ありありの (当時だからツッパリか) 月刊『明星』の記事を読んでいたのを思い出します。その日の議論にちなんで言えば、当時はまだまだ情報が少なく、好きなもの (=サブカルや当時のモード) を貪欲に探し求め、さらに読書 (=教養) を続け、努力の末に今の小泉今日子がある、のがわかる。尊敬しかない。
その上で、近田春夫さんがポツリ (その二人だったら)「宮台さんのほうがかわいい」っておっしゃったのが印象的だった。わたしも宮台真司セトリでノンストップ・ミックスをやると聞いて、近田さんとキョンちゃんのラジオを聴いて感じてしまったことだったから。さっき尊敬するって言ったことの裏返しで、近田春夫さんに講釈たれてる感あって (キョンちゃん近田先生の話を聴こうよ! )
初回に続きその日も開場の1時間前には到着し、もういいかなと受付を済ませ、着席しようと前方に目を向けると…近田先生が! 何とすでに席についておられるではないか。
ビビったのはそれだけではない。運営に不手際があったのかスタッフにお怒りの様子ではないか (というか怒られてるのは塾長の加藤さんや宮本さん達だ。ちなみにこの日の感想として宮本さんが『ただ者ではないなとシビレた! 』と話してくださったことでここにも書ける (それも流石だった! )
配信の終了後、わたしも質問をさせていただいたのだが、シビレるといえば、この日は会場からの質問でトップバッターだった青年がやたら攻撃的な雰囲気で、何に怒ってるのかよくわからないまま帰ります! と退場していく場面もあり (あんなことがあったのにまったく怯まず手加減せず (怒りを込めて!) 応える宮台先生も、こういうの久しぶりだねぇ、最後まで聞こうよ! と寧ろ止めるのを制止しようとされる近田先生のどちらにもシビレたが)
わたしはあの青年に絶対にかなわない。
前回ご一緒してくれた友人、名前はまだ無いさんに、宮台塾への初参加にあたり、必要以上のプレッシャーをかけてしまったが (わたしのビビリを移してしまった🙇♀️)、紹介してくださった (登壇者の!) 中谷友香先生がとても優しく、緊張をほぐしてくださったこともありその日は杞憂に終わったものの…
やはり「人生ずっと緊張してろ」(園子温『エッシャー通りの赤いポスト』より)
ちなみに若く頭脳明晰な宮台塾の参加者 (そういえば進行を務めていた yujean さん? お若いのに凄まじい知識量だったなぁ) を差し置いてでも、わたしごときができるだけ質問しようと挑むのは「あなたの失敗もかならず誰かの役に立つ」というコーチングで学んだ考えかたがあるからだ。
というわけで、やっと「レッツヤン」のことが書ける (といってもレッツゴーヤングそのものじゃなくて)
今年の夏、90年代の煌めきをリリカルに描くツイートをさせたら右に出るものがいない「なかむら」さんの DJ を四谷ドクターヘッドまで観に行った (最高でした⚡️⚡️⚡️)
その際、たまたま手にとった「ナツメロナイト」のフライヤーに「これは行きたい~」となり、翌週また四谷まで足を運んだ。
その日、松田聖子『夏の扉』がかかったときの、爆発的な盛り上がりに驚いた。フロアに下りてきたDJにそれを伝えると「テッパンですよね」のひと言。夏の扉かぁ。
サニーデイ・サービスの素晴らしさにわりと最近気づいたという、こういうイベントの常連っぽい女性が話しかけてくれて「レッツヤン (なんかダサっ! でもここがミソだった) 知ってる? ぜひ行ってみて! 小西康陽さんや野宮真貴さんも来たりするから」
そこで教えてもらった。
この人たちは‘80年代の歌謡曲を「ロックンロール」と捉えているんだ。それは本当に「天啓」だった。トシちゃんもマッチもシブがき隊も、チェッカーズもシャネルズもビューティペアも、サザンもBOØWYも「とんねるず」も (中略) 大の苦手だったピンクレディーでさえも、すべては「ロックンロール」あるいは「ティーンエイジ・スピリットの発露」だと思って聴くと、その破壊力はとてつもない、と理解できた。
(小西康陽『レッツヤン ディスクガイド』レコードショップ芽瑠璃堂より引用)
わかる! 夏の扉♪
(小西さんのお墨付きを得られた~)
そこは皆で、ベタで、盛り上がれる解放区だった。といって「本当はみんな、こういうのが好きでしょ?」みたいにただ回すのとはワケが違くて、元の職業作家のポテンシャルが最大限に感じられるような、DJ の技術やセンスありきのもの。
結果、自由になれた (みたいな)
ついにスーパーフラットになれた。
こういうものが好きだったわけです、から。
tiny desk concerts JAPAN小沢健二ゲスト:スチャダラパー
https://plus.nhk.jp/watch/st/g1_2024111830360
ということを書いたら、小沢健二が NHK でライブをやって、もう声を聴くだけで泣いてしまう (やっと観はじめたのに、アルペジオはやっぱダメで…堪えきれず中断😢)
「小沢健二は90年代で立ち止まったまま美し
い青春を商売道具にしてるディナーショーのおじさん芸能人みたいになってしまっていて」
という謎批判も旧ツイッターあったりして…
小沢健二は聖なる普遍である。
今年は⚡️やすすさん⚡️にも出会えました!
(Dr.ヘッド、なかむらさん DJ のあの日に)
思いっきり泣いたり笑ったりしようぜ。
(あ、そっちも観なきゃだった📺️)
アルペジオ貼って終わります。
ありがとうございました✨
(追伸) そういえば界隈塾の懇親会で隣り合った方に話しかけたらドラマーだという。いろいろやってると。ちなみに? 訊ねると「大森靖子」「えーっ! 」何とピンクトカレフのドラマー、川畑usi智史さんでしたよ! 偶然って凄い(でも必然って、導いてくれた中谷先生に言ってもらえました✨)