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「堕ちた果実」レビュー
予告編
監督
アナイス・バルボ=ラバレット
キャスト
ケリー・デポー
キャロライン・ネロン
ノーマンド・ダムール
エレオノール・ロイセル
ロビン・ルモー
感想
フランス映画かと思って最後まで観て、いざ調べてみたらカナダ映画だった。
が、全編フランス語で内容もフランス映画っぽく、例によって視聴後「だから何やねん…」となんかちょっと鬱な気分にさせられるところもフランスっぽい。
ストーリーは、両親の不和から家庭に居場所をなくしたカトリーヌという10代の少女が、学校の不良グループと仲良くなり、簡単にドラッグやSEX、アルコールに溺れていくというもの。
なんとなく「KIDS」に近い印象もあったが、あれを再現しようとしたのだろうか?
前半は両親の喧嘩から不良グループに近づくまでサクサクとストーリーが進み、誰でも理解しやすい展開となっている。
フランス文学的な微細な心理描写が散見されるも、そこまで分かり辛くはなく、誰でも「ああ、あの感情か」とすぐに共感できる感じ。
そこらへんがカナダっぽいところなのかも。
ナイーブな女の子が簡単にドラッグに手を染めていく様子が生々しくて、親世代としてはちょっと背筋がゾっとした。
個人的にはカトリーヌの母親の演技がとても自然で、娘に対して見せる感情や表情に母性がにじみ出ていてよかった。
娘を更生させようと努力しながらも、お洒落や派手なお化粧を教えるところが母っぽかった。
中盤からフランス映画的な中だるみというか、気怠さが延々続く。
なんかいまいち上手くいかないカトリーヌ、いつまでも仲直りしない両親、警察も出てくるけど別に逮捕されるわけでもない、大事件が起こるわけでもない……
最後に<ネタバレ>が起こってグループが崩壊するかと思いきやなんかそうでもない。
結局カトリーヌがどうなったのかも分からず、ラストは目一杯余韻を残して終了。
このもやもや感はかなりフランス映画っぽく、個人的には「これこれww」となんか嬉しくなった。
「大団円?なにそれ?それがいいならハリウッドでも観とけば?」という感じ。
フランス映画って何?という人や、試しに一回観てみたいという人には入門編としていいかも。
カナダ映画だけど。