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【本レビュー】『切手デザイナーの仕事』を読みました

なかなか興味深い本を読みました。
日本に8人しかしない「切手デザイナー」さんを取材して、仕事ぶりや人柄などをまとめた本を読みました。

切手の絵をデザインする人がいて、専門の職業があることまで考えたことがなかったので、自分の知っていることが広がりました。切手やデザインに関係ない人でも、「仕事」をする人であれば共感できる部分も多そうです。

あらすじ
日本の切手をつくるのは、たった8人のデザイナーたち。はじめて本になる、彼らの物語。

ひとりの作家が日本郵便のドアを叩き、丁寧な取材から導き出した、切手デザイナーたちの想いと仕事。
切手やデザイン、印刷、紙ものが好きな人は必読です。
一見すると、遠い存在にも思える珍しい職業ですが、その働く姿には多くの人が共感できるストーリーが詰まっています。毎日仕事と向き合う、すべての働く人に贈る1冊です。

出典:Amazon
https://www.amazon.co.jp/%E5%88%87%E6%89%8B%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%81%AE%E4%BB%95%E4%BA%8B-%E3%80%9C%E6%97%A5%E6%9C%AC%E9%83%B5%E4%BE%BF-%E5%88%87%E6%89%8B%E3%83%BB%E8%91%89%E6%9B%B8%E5%AE%A4%E3%82%88%E3%82%8A%E3%80%9C-%E9%96%93%E9%83%A8-%E9%A6%99%E4%BB%A3/dp/4766137167/ref=sr_1_1?crid=LZ8FGQPH3QS5&keywords=%E5%88%87%E6%89%8B%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%81%AE%E4%BB%95%E4%BA%8B&qid=1675599670&s=books&sprefix=%E5%88%87%E6%89%8B%2Cstripbooks%2C564&sr=1-1

知らなかったことだらけ

切手制作は「発行年の約2年前に、各省庁から切手の題材となる記念行事の推薦・提案を受けて社内検討」されるところから始まるようです。
その後、有識者や内部検討の末、切手制作が決定されて、実際に制作に取り掛かるようです。

外部の有識者のチェックが厳しいらしいです。
これは全然想像できなかったです。

動植物を写実的に描く場合は、とにかく正確性が求められる。とくに、動物の場合は、骨格や毛の色、毛の流れまで、正しく描けているかどうか、専門家のチェックが厳しい。切手の難しさの1つだ。

『切手デザイナーの仕事』p61

美しさやかわいさの前に、正確性があって切手ができあがるようです。引用部分はうさぎの切手の制作過程が記載された部分です。読み進めると、星座や石垣まで外部の専門家のチェックが入っていて、正確性がだいぶ担保されているようです。

そして、外部のチェックを受けてもなお、デザイナーの個性が表現されているところがすごく好印象でした。
また、指摘箇所を直す流れも仕事スタイルが出ているようです。絵をどう仕上げるかの記載も多いですが、仕事の進め方や信念なども記載されていて、自分もまねできそうなテクニックもありました。

見えない仕事があるって気づけたこと

切手をデザインしている人がいるって、考えたことはありませんでした。

普段使う頻度は少ないけど、切手はなじみのあるものです。
生活に溶け込んでいるごく小さいものでも、誰かの仕事の結果であって、巡り巡って、自分の元にたどり着いています。

その「誰か」の仕事が本になっているってすごく素敵なことだと思いました。だって、普通は成果物以上のものは触れられないからです。

制約がある中で工夫して解決している姿、切手とは直接関係なさそうな知識を駆使して、正確にデザインする姿など、仕事に対する情熱を感じられた一冊でした。

知らないことを知るって、楽しいなと思えた読書体験でした。

最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。


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