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BUMP OF CHICKENの話をしよう

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BUMP OF CHICKENのリスナーとして感じたことや考えたこと。
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記事一覧

【ライブレポ】死力を尽くすと誓う福岡ドーム【BUMP OF CHICKEN】Sphery Rendezvous 24/10/27

ライブ最後のMC。 藤くんは、「死力を尽くして曲を書き続ける」と宣言した。 この日の演奏も、死力を尽くして奏でられ歌われた珠玉のライブだった。 2024年10月27日、「BUMP OF CHICKEN TOUR 2024 Sphery Rendezvous」福岡公演。このツアー5回目の待ち合わせは、福岡のみずほPayPayドーム。 ひとつも当たらないツアーもあるから、行けそうなところを全部申し込んだら、まさか全部当たるとはね。それはもう行くしかないよ。行けるときに行かなかっ

【ライブレポ】生きる理由を見付ける大阪Day2【BUMP OF CHICKEN】Sphery Rendezvous 24/9/29

リリースが古い曲ほど、ライブで対面したときのギャップの大きさに驚く。 普段はリリース時の音源をストリーミングで聴いているが、長いバンド歴を経て歌もバンドもクオリティが半端なく上がっており、深みも厚みも余裕も遥かに高いところで演奏されるからだ。 2024年9月29日、「BUMP OF CHICKEN TOUR 2024 Sphery Rendezvous」大阪公演2日目。このツアー4度目のライブ参戦。「Iris」アルバムを引っ提げたツアー。そこに収められた楽曲のよさや素晴らし

【ライブレポ】信頼と寂しさの名古屋2Days【BUMP OF CHICKEN】Sphery Rendezvous

楽しさと寂しさは同居する。 ひとつ曲が進むと、お別れの時間はひとつ近くなる。曲は聴きたいが、それが始まったら、その分演奏できる曲はひとつ少なくなる。 「セトリがだんだん削られていく…」 藤くんはそう表現した。観客の「やだー!」という声に、「それは俺が一番思ってる!」と感情をむき出しにして反応する。 2024年9月15日~16日、BUMP OF CHICKENの名古屋2Daysは、お互いへの信頼と寂しさを確かめ合う時間だった。 幸運にも、前週のベルーナドームに続き名古屋公演

【ライブレポ】ツアー初日「BUMP OF CHICKEN TOUR 2024 Sphery Rendezvous」は汗だくの夜

ツアー初日。 彼らが最初に音を鳴らすその場所で、自分がその時間と空間を共有できるのはこの上なく幸せな出来事だ。体を揺らし、拳を振り上げ、ともに歌い、汗と涙にまみれる。すべての感情を解放することが許される唯一の非日常。 時は止まり、一瞬は永遠になる。 2024年9月7日。新アルバム「Iris」を引っ提げて、「BUMP OF CHICKEN TOUR 2024 Sphery Rendezvous」はベルーナドームで開幕した。 なお、「Iris」について書いた記事はこちら。併せ

新アルバム「Iris」は壮大な物語だ【BUMP OF CHICKEN】

2024年9月4日、BUMP OF CHICKENの5年ぶりとなる新アルバム「Iris」がリリースされた。 収録されている13曲のうち11曲は、映画、ドラマ、アニメ、ゲームなどとのタイアップ曲で、NHK朝ドラ「おかえりモネ」のテーマソングとなった「なないろ」や同じくNHKのイベント「18祭」(フェス)の「窓の中から」が含まれる。 すべての作詞作曲を手掛ける藤原基央氏(以下「藤くん」)は、直近のインタビューで、このアルバムを「馬鹿正直な5年間のドキュメント」と語っている(音楽ナ

【ライブレポ】「BUMP OF CHICKEN TOUR ホームシック衛星2024」初日2.11@Kアリーナ横浜

※5000字超あります。ネタバレを含みますのでご注意下さい。 2024年2月11日、「BUMP OF CHICKEN TOUR ホームシック衛星2024」初日。横浜Kアリーナで開催された結成28周年記念日となるライブは、2008年「ホームシック衛星」のリバイバル公演。 まさしく時を超えて開催されたorbital period(公転周期)であり、ホームシック衛星であり、星の鳥だった。 総評今回の印象を一言でいうならば、とにかく演奏が素晴らしく見事だった。 4ピースのバンドが

”be there”の全容が明かされたBUMP OF CHICKENツアーファイナルとオリジナルアプリのリリース

「明日の君の日常に僕は付いていくことができない。でも僕にできないことが、僕の音楽にはできる。君が望んでくれさえすれば。」 バンドのフロントマン、藤原基央氏(以下「藤くん」)は最後のMCでこう言った。 「BUMP OF CHICKEN TOUR 2023 be there」、2023年2月11日に有明アリーナで始まったツアーは、同年5月28日にさいたまスーパーアリーナで幕を閉じた。 この最終公演は、メンバーと観客が信頼の絆で繋がり、安堵の空気で満たされたライブだった。すべて

BUMP OF CHICKEN「be there」長野2日目(4/2)出がらしになった藤くんレポ

「出がらしです。俺がお茶っ葉だったならば水に入れても色も出ません。」 すべての曲目を終えたあと、両手を広げながら藤くんは満身創痍の姿を披露した。 ここまで出しつくしてふらふらになった姿を見たのは初めてのこと。 2023年2月11日の有明から始まった「BUMP OF CHICKEN TOUR 2023 be there」ツアーは、4月1日〜2日の2日間のライブで折り返しとなる。 4月2日に参戦した長野ビッグハットでのライブは、演奏がとにかく熱くエネルギッシュで、観客の熱とぶつ

BUMP OF CHICKEN 18祭の収録日変更に伴う運営面の影響を勝手に考える

2023年、BUMP OF CHICKEN「be there」ツアー折り返しとなる4月の長野でのライブ。 「ずっとやりたかった曲をやります」 ボーカルの藤くんがそう言って始まったのは、「BUMP OF CHICKEN 18祭(フェス)」で放映・公開されたばかりの楽曲、「窓の中から」。 18祭はNHKの企画で、アーティストが1000人の18歳世代と一緒にパフォーマンスする一度きりのステージ。2016年からほぼ毎年開催されており、過去にはRADWIMPSやあいみょんなどのアーティ

BUMP OF CHICKENツアー「be there」有明アリーナ初日(2/11)感想&レポ

BUMP OF CHICKENライブツアー「be there」。 バンド結成27周年にあたる2月11日が有明アリーナで開幕。 最高でした。2019年11月の「Aurora Ark」以来で観る単独ライブ。 ライブが素晴らしいのは、遠慮なく感情解放できるところ。 普段抑制されている日常を解き放ち、心のままに身体を揺らし、歌い、叫び、涙を流す。それがどれだけ自分に必要なことだったのかと、その場で体験して初めて気付く。生きているってこういうことかって真に感じられる。 日常でも僕は比

勇気の曲「Aurora」を読み解く【BUMP OF CHICKEN】

ロックバンドBUMP OF CHICKENによる「Aurora」は、勇気の曲だ。 劣等感と孤独感もし、言葉にするのも憚られるようなネガティブな感情をあえて単語として表現するなら、「劣等感」「孤独感」といった形になると思う。孤独感は「寂しさ」と言ってもいい。 ウルトラマンでも、戦隊ものでも、勧善懲悪の世界ではいつでも正義の味方が現れて、ピンチを救ってくれる。でも、救われる主人公を自分に投影することができないし、ヒーローが悪役をやっつけても気分は晴れない。 理由は明白。それは

ロッキン2022 BUMP OF CHICKENレポ~バンプは今日もバンプだった

初の夏フェス参戦、Rock in Japan Fes 2022。 お目当ては8/11夜のBUMP OF CHICKEN。 出演発表後の第3次抽選先行受付で運よくチケットが取れて、さらに運よく前方エリアも当選。ひとつ前のライブ「Silver Jubilee」は抽選がことごとく外れてチケットを取れなかったので、そこで次の運を貯めていたのかも。 この夏、最高の時間を過ごすことができた。2019年の「Aurora Ark」以来、3年ぶりのライブ。バンプはどこまでもバンプだったし、セト

ロッキン2022参加レポ

千葉県の蘇我スポーツ公園で開催された3年ぶりの Rock in Japan Fes. 2022。 感染症の影響で、ステージエリアはマスク必須とされ、歓声やコール&レスポンスも禁止されたものの、「音楽を止めない。フェスを止めない。」という運営、アーティスト、そして参加者の強い意思で開催された。 運営には本当に感謝しかない。 BUMP OF CHICKENレポについては別記事に書きました。 総じてスムーズな運営僕自身は初めての参加なので、例年との比較はできないが、電子チケット

「なないろ」は虹色ではない世界の話

2021年7月号の「MUSICA」と「CUT」に、立て続けにBUMP OF CHICKENの藤原基央氏(以下「藤くん」)のインタビュー記事が掲載された。 これを読んで感じたことと、新曲「なないろ」を聴いて感じたことや自分なりの解釈を書いていきたい。 それぞれがそれぞれでしかないっていう事実藤くんが書く歌詞は、一見何を指していっているのか分からなかったり、理解しづらいことがよくある。それが今回のインタビューを読んで、はっと腑に落ちたのは、 という言葉。前後の文脈もあるので、