【ライブレポ】死力を尽くすと誓う福岡ドーム【BUMP OF CHICKEN】Sphery Rendezvous 24/10/27
ライブ最後のMC。
藤くんは、「死力を尽くして曲を書き続ける」と宣言した。
この日の演奏も、死力を尽くして奏でられ歌われた珠玉のライブだった。
2024年10月27日、「BUMP OF CHICKEN TOUR 2024 Sphery Rendezvous」福岡公演。このツアー5回目の待ち合わせは、福岡のみずほPayPayドーム。
ひとつも当たらないツアーもあるから、行けそうなところを全部申し込んだら、まさか全部当たるとはね。それはもう行くしかないよ。行けるときに行かなかったら、次がいつあるかも分からないし、明日がどうなるかなんて誰にも分からないから。
ライブは、そこに行くことでしか得られない感動がある。毎回が最高に素晴らしく、来てよかったと心から思う。その瞬間瞬間を懸命に生きた結果、この日は終わったら喉がかれていた。
会場について
会場自体はこれまでのドームの中で最も快適。トイレもたくさん設置されているおかげで、混雑しておらず過ごしやすかった。
スタンド席ではあるものの、ダイヤモンドビューシートという選手ベンチ横にあるミニテーブル付きの特別席。ただ、防球ネットが張られたままだったので、視界がすべてアミアミになってしまったのが唯一の残念ポイント。
ライブ感想
すべてを書き残すことは到底できないが、いくつか書いておきたい。
「Aurora」
イントロが流れた瞬間、この曲なんだっけと思う前にもう涙が出た。
Auroraだと認識したのは数秒経ってから。この曲が持つサウンドそのものが自分の心に直接共鳴しているのかな。どうしてこんなに響くのか分からないが、いつもいつも困るくらい刺さってしまう。そして藤くんの歌い出し、「もうきっと多分大丈夫」の優しい声でまた泣く。
他の会場は2Daysであるところ、福岡公演だけは1Day。この時点ではAuroraが来ると認識しておらずニュートラルな状態でいたから、曲が始まった瞬間により強く感情が揺さぶられたのかもしれないが、この曲にはそれ以上のものをいつも感じている。
「青の朔日」~MC
大切な人の存在を強く強く大切に想う歌。
「朔日」は新月の意味を持つ。この言葉は、この世界で生きる私とそうでない世界にいる大切な人が交わることのできる瞬間の象徴として使われているように思える。その人はもう地球にいないかもしれない。それでもその想いの強さは常にあり続ける。
生命の持つ強さを感じられる名曲。
タイアップに使われる予定とのことだけれど、何のタイアップかは現時点で未発表。曲の印象だけでいうと、最近読んでいる漫画「3月のライオン」にぴったりハマるのだが、歌詞との繋がりという点では薄い。
歌詞と内容の関連性を想起させるものとして考えると、24年9月にアニメ第2期の制作が発表された「葬送のフリーレン」ではなかろうか。(ライブレポ中に勝手な妄想を入れ込むw)
さて、演奏後の藤くん。
「ひとつだけ確実なことがある。それは、セトリが確実に削れて過去になっていっているってことだ。砂時計があるとしたら、セトリの砂がこうやって下に落ちていって、『なないろ』とかはもう砂の下のほうよ。まだまだ上の方には何曲もあるんだけどね。ライブは本当あっという間に終わるからね。光陰矢の如しです。光陰矢の如しです。…いや、歌おう!」
「strawberry」
間奏部分、藤くんがメンバーを振り返りながら「スーパーバンド!BUMP OF CHICKENです!」と叫ぶ。
大阪では「めちゃくちゃカッコいいバンド、BUMP OF CHICKENです!」と言っていた箇所。
「飴玉の唄」
これは聴くたびに練度が上がり厚みが増す不思議な曲。
圧倒的な想いの渦に巻き込まれ、滝に打たれるように頭から浴びて魂まで浸る。何度聴いても素晴らしいが、今夜はさらに上回る表現力。もはや言葉では表現し得ない。
このサビに至る歌詞でもう泣く。
舞台上が全編通じて濃く赤い照明で染められ、想いの切実さと切迫感をより鋭くする。前方スクリーンに映し出されるカメラワークも秀逸で、サビでは藤くんの姿が細かく切り替えられる。ここは、いつか発売されるであろうBlu-rayもぜひチェックしたい。
進化を続ける名演。願わくば再レコーディング&再リリースしてほしい。
君と僕の唄「アカシア」
リスナーとバンプを繋ぐ信頼の証、それが「アカシア」。
イントロと同時に「君と僕の唄だ!君と僕の唄だ!」と藤くんが繰り返し熱く叫ぶ。中間部でもまた観客に呼びかける。
「君はどこだい?声を聴かせてくれ!」
この曲のシンガロングは本当に熱くなるよ。
aurora arkツアー直後に書かれたこの曲については、こちらにも書いたのでぜひお読みいただきたく。
「天体観測」
曲中に銀テープが舞う演出は最高に盛り上がって素敵なのだが、長い時間中を舞っており、その間はどうしても注意がそちらに向いてしまう。自分が演奏に集中できていないので、メンバーに対しても失礼な振る舞いをしているのではないかと毎回思うのだが、欲望にまみれた凡人なので許して…。
アンコール呼び込み
本編終了からアンコールでメンバーが舞台に再登場するまでの過ごし方、呼び込み方について、最近はいくつかの主張を耳にする。僕の考えを結論からいうと、「各自好きなようにしたらよい」ということに尽きる。
拍手でも「supernova」でも「fire sign」でも、バンドメンバーへの感謝がそこにあればなんでも。
それで僕自身はというと、このツアー初日のベルーナドームから「窓の中から」の中間部をツレと一緒に勝手に歌っている。ライブのオープニングで流れている「らーらーらー、らーらーらー」のところ。
オープニングが「窓の中から」で、フィナーレも「窓の中から」なので、これが一番しっくりくるように思う。もっとも、これが会場で周りの賛同を得て伝播したことはないw
「流れ星の正体」
アンコール1曲目。
おお…!この曲を聴けるのは2019年の「aurora ark」ツアー以来では…!
数日前、アンコールに合う曲は何があるかなと考えていたときにこの曲が浮かんだのよ。歌い出しは他のメンバーの演奏がなくても進行できるから、打ち合わせなしのダブルアンコールでもいけるんじゃないかなと勝手な妄想をしていた。
曲の途中までPixmobが全く光らなかったので、これもしかしてサプライズの演奏だったのでは?と一瞬思ったがそんなわけはない。サビの部分で客席をキラキラとした光が星空のように埋め、曲の最後の瞬間には流れ星が斜めに走る演出。美しい。
ラストの言葉
最後の藤くんの言葉。
「死力を尽くす」と藤くんは言った。
今日の演奏も、死力を尽くして奏でられ歌われた珠玉のライブだった。
これまでの楽曲もきっとそうやって生み出されてきたに違いない。
最近の曲には「青の朔日」や「邂逅」など、もう二度と会えなくなってしまった大切な人への想いを綴る曲も含まれていて、どうにも切なくやり切れない気持ちになることもある。ただ、そこにあるのは暗く陰鬱なものだけではなく、「あなたのいない未来を生きろと謳う」「ならば私は戦える たとえその時 側にいないとしても」と前向きな気持ちも込められていて、すべてを抱えながら進んでいこうとする姿が見える。
死力を尽くして届けられた楽曲を全身で受け止め、それが正しく届いたことを彼らに伝えるためにまた会いに行きたい。
セトリ
2024/10/27「BUMP OF CHICKEN TOUR 2024 Sphery Rendezvous」福岡公演(みずほPayPayドーム)
さいごに
最後までお読み下さりありがとうございました。
このツアー最後の待ち合わせは、12月の東京ドームファイナルです。
メンバーがどうか無事に過ごせますように。
埼玉、名古屋、大阪のライブレポも載せておきます。
こちらもどうぞお読み下さい。