見出し画像

【適切なモデルとは?🌈】時系列マクロ経済分析における最適なモデル選択のプロセス:計量経済学✨No.4

Introduction:計量経済学への挑戦🔥

経済学部に通う私も
いよいよ大学「学部」最終年になり
学問に全力を注ぐ時間も限られてきました👍

「知は力なり」という言葉を信じて
残りの大学生生活を満喫したいと思います

学部レベルのマクロ経済学は
個人的によく理解できたつもりです

しかしながら、本当の経済の動向を理解するには、学部レベルの知識ではお話になりません😥
また、正しい計量経済学の知識やデータ分析のリテラシーを会得しなければなりません💦
現実の経済データを、理論モデルと当てはめ
正しい計量手法によって実証分析できる力を醸成したら
きっと将来どこかで活躍できる人財になれる可能性を高めることに繋がると思います

実際の経済動向や政治と結びつけながら
応用できる能力がなければ
知識を持つ意義も小さくなってしまいます💦

何事もアウトプット前提のインプットが
大事であると、noteで毎日発信してきました

これは、どのような内容で
あっても当てはまります👍

先行研究の論文を一概に読んでも
記憶に残っていなかったり
大切な観点を忘れてしまっていたりしたら
学習の進捗は滞ってしまうと思います

だからこそ、この「note」をフル活用して
自分の知識を1%でも、定着させ
誰にでもわかりやすい解説をアウトプットできるように努めていきたいと思います

私がこれからアウトプットする
計量経済学において最重要なパートである
時系列分析のモデル理論解説を
どうぞ最後まで、ご愛読ください📖

本投稿作成における参考文献は以下の通りです


なぜ、計量経済学を学ぶのか??

計量経済学が時系列解析法を「理論なき計測」として退けるところからスタートしたことでよく知られているのです
1930年に創立された計量経済学会の規約第1条では、計量経済学は「理論的数量的アプローチと経験数量的アプローチの統一」と定義されていました📝

また、R・フリッシュによる『エコノメトリカ』創刊の辞では、「統計学、経済学、数学の三者の統合」と定義されているのです👍

このような定義においては、当時のハーバード景気予測に代表される時系列解析法への批判が強く意識されていたとされています

すなわち、それが29年の大恐慌の予測に失敗したのは,経済理論を無視し、 時系列データの形式的な解析のみに終始したからであったということです

今後はそうした「理論なき計測」の立場を退け、「理論に基づく計測」を重視していかなければならない、という見解の重要性が増しています
このような歴史を経て、計量経済学はスタートをきったのでした

そして、何よりマクロ経済変数は
その多くが互いに影響を及ぼし合う相互依存の関係にあり、また過去の変化の影響が持続するという傾向を持ちます

これらの動向を分析したり、将来を予測したりできるようになるためには、計量経済学
ひいては「時系列分析」に対する理論や正しい実証手法への理解が必要不可欠となります

「計量経済学」シリーズの投稿では、こうしたマクロ時系列変数の実証分析に必要な計量理論と手法を習得することを目的とします

これから私がアウトプットする
時系列マクロ経済分析に関する内容について
どうぞ最後までご愛読くださいね💖

前回のお復習い🍀

時系列分析モデルの選択

時系列モデルにおいて正しい推計結果を得るために、適切なモデルを選択する必要があります
具体的には、自己回帰AR(p)モデルの次数pなどを決めることが該当すると言えますね

では、ここで「適切なモデルはどのように決定、選択されれば良いのでしょうか?」という問いが生まれます

計量経済学の研究において、具体的に2つの方法がよく用いられますので、今回の投稿内容で取り上げたいと思います

第1は、残差診断を用いる方法です
第2は、情報量基準を用いて分析する方法です

①残差診断に基づくモデル選択

推計したモデルが適切かどうかを判断するには、推定した残差の性質をチェックし
用いられたモデルが適切であったかどうかの
診断(diagnostic cheking)を行うことが
第1の方法です

もしこの残差診断をクリアした場合
推計したモデルが適切であると判断することができるのです

その一方で、診断にパスできないのであれば、正しい推計結果を得られないため
他のモデルを用いることになります

この際に、重要な役割を果たすのが
「系列相関の検定」です

研究者であるBox とPierceは
ARMA(p,q)モデルを推定して得られた
残差(et)に関して、s個の系列相関について、以下に示す帰無仮説(null hypothesis)を
対立仮説(alternative hypothesis)と共に
検定する方法を提示しました📝

$$
H_0: \rho(1)=\rho(2)=\cdot\cdot\cdot=\rho(s)=0 …①\\    \\H_A:\rho(1)\not =0  or \cdot\cdot\cdot or \rho(s)\not=0 …②
$$

このような帰無仮説と対立仮説を想定し
残差診断に基づくモデル選択をしていくことにしましょう

Box と Pierceは、帰無仮説H0が正しいときには、各自己相関の推定量( ρ^(k)、k=1,2…)を元にした統計量:③式が、サンプルサイズ(n)が充分に大きいとき、漸近的に自由度(sーpーq)のカイ自乗分布に従うことを示したのです👍

$$
Box\text{--}Pirece  Test\\    \\
Q(s) =T\displaystyle\sum_{k=1}^s\hat{\rho}^2(k)…③\\   \\if  sample  size:n   is  big   enough\\Q(s)\thicksimχ^2(s-p-q)\\   \\
Degree  of  freedom:s-p-q\\
p,q : Parameters  of  ARMA(p,q)  Model \\     \\even  if  the  model  has  a constant   term,\\
DF:s-p-q-1
$$

このような検定統計量をもとに
以下のような判断を行います

検定統計量が、自由度s-p-qのカイ自乗分布の上側 α%点の値以上であれば、有意水準 α%で帰無仮説を棄却します

反対に、自由度s-p-qのカイ自乗分布の上側 α%点の値未満であれば、有意水準 α%で帰無仮説を採択することになります

$$
Hypothesis   Testing\\
Q(s)\geχ^2(s-p-q)\\\to Reject  H_0  \\at  the  Significance  Level  α\%   \\  \\Q(s)< χ^2(s-p-q)\\ \to Accept   H_0 \\at  the  Significance  Level  α\%  
$$

このように、残差から作成された統計量Q(s)に基づく検定は、Box-Pierce検定と呼ばれています📝

直観的に説明すると、標本自己相関が高ければQ(s)の値が大きくなるということです
なお、ホワイトノイズの場合には
その値が0となります

検定の結果、残差に系列相関がなければ
モデルが適切であると判断することができるのです👍

しかしながら、残差に系列相関があれば
モデルのなかに重要な変数が含めれていない
可能性があると判断し、説明変数の数を増やす必要性が考えられるのです

Ljung-Box 検定(修正Box-Pierce検定)

ただし、Box-Pierce検定の問題点は
標本数(n)が小さいときには必ずしも
カイ自乗分布が良い近似を与えるとは限らないということです💦

そこで、LjungとBoxは、標本数(n)が小さいときでも良い近似を与える統計量として
以下の定式④を提案しました

$$
Ljung\text{--}Box  Test\\
Q(s)^*=T(T+2)\displaystyle\sum_{k=1}^s\frac{\hat{\rho}^2(k)}{T-k}\\  \\Q(s)^*~χ^2(s-p-q)
$$

この統計量Q(s)*も、漸近的に
自由度s-p-qのカイ自乗分布に従います

これは、Ljung-Box検定、または
修正Box-Pierce検定と呼ばれます

これら2つの検定は、多くの系列相関の検定を同時にまとめて行いますので
かばん検定(portmanteau test)と呼ばれる
こともあるそうです

②情報量基準に基づくモデル選択

かばん検定に基づいてモデル選択を行おうとすると、複数のモデルが、帰無仮説を採択する場合があります

つまり、必ずしもモデルを1つに絞り込むことができない場合があるということです😅

これに対して、以下で説明する「情報量基準」に基づくモデルの選択は、このような曖昧さを排除し、一定の基準に基づいて選択を行うものになります👍

情報量基準のなかでよく用いられるものに、AICとSBICがあります

なお、AICは、Akaike Information Criterion
SBICは、Schwarz Bayesian Information Criterionの頭文字になるので、ちょっとだけ
頭の片隅に覚えていただけたら嬉しいですね📝

$$
Information   Criterion\\   \\AIC=In(\hat{\sigma}^2)+(p+q)\frac{2}{T}\\      \\SBIC=In(\hat{\sigma}^2)+(p+q)\frac{In(T)}{T}\\     \\
\hat{\sigma}^2 \equiv(1/T)\sum e_i^2
$$

上記の定式化におけるσ^2は
モデルの誤差項の分散の推定量になります📝

情報量基準に基づくモデルの選択はAICまたはSBICを計算し、それが最小になるようにモデルの次数(p,q)を選択する方法になります

AIC または SBICは、分散の推定値の部分(σ^2)の部分と、パラメーターの次数(p+q)に関する部分とで構成されています

ここで、モデルの次数を上げていくと、分散の推定値の部分(σ^2)が減少する傾向にありますが、モデルのパラメーター数が増加することになります

ここから私たちが理解すべきことは
「モデルの当てはまりの良さとモデルの次数の大きさには、トレードオフの関係にある」ということです💚

この両者のバランスを取るように
モデルの選択を実施しようとすることが基本的な考え方になります

AICとSBICとでの基本的な違いは、パラメーターの増加に対するペナルティの部分です

SBICのほうが、パラメーターの増加について、より大きなペナルティを課しているために、AICと比べて短い次数のモデルを選択する傾向があるのです

最後に、まとめになりますが
①残差診断に基づく選択と
②情報量基準に基づく選択という2つの考え方は、必ずしも矛盾するものではありません

例えば、②情報量基準に基づきモデルの選択を実施した後に、その残差に対して①残差診断の検定により、系列相関の有無を確認することも有力な計量手法選択の方法の1つであると考えられるのです🌟

付録:私の卒論研究テーマについて🔖

私は「為替介入の実証分析」をテーマに
卒業論文を執筆しようと考えています📝

日本経済を考えたときに、為替レートによって
貿易取引や経常収支が変化したり
株や証券、債権といった金融資産の収益率が
変化したりと日本経済と為替レートとは
切っても切れない縁があるのです💝
(円💴だけに・・・)

経済ショックによって
為替レートが変化すると
その影響は私たちの生活に大きく影響します

だからこそ、為替レートの安定性を
担保するような為替介入はマクロ経済政策に
おいても非常に重要な意義を持っていると
推測しています

決して学部生が楽して執筆できる簡単なテーマを選択しているわけでは無いと信じています

ただ、この卒業論文をやり切ることが
私の学生生活の集大成となることは事実なので
最後までコツコツと取り組んで参ります🔥


本日の解説は以上とします
今後も経済学理論集ならびに
社会課題に対する経済学的視点による説明など
有意義な内容を発信できるように努めてまいりますので、今後とも宜しくお願いします🥺

おすすめマガジンのご紹介🔔

こちらのマガジンにて
卒業論文執筆への軌跡
エッセンシャル経済学理論集、ならびに
国際経済学🌏の基礎理論をまとめています

今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます📚

また、こちらに24卒としての私の就職活動体験記をまとめたマガジンをご紹介させていただきます👍
様々な観点から就職活動について考察していますので、ご一読いただけますと幸いです

改めて、就職活動は
本当に「ご縁」だと感じました🍀

だからこそ、ご縁を大切
そして、選んだ道を正解にできるよう
これからも努力していきたいなと思います🔥

最後までご愛読いただき誠に有難うございました!

あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏

この投稿をみてくださった方が
ほんの小さな事でも学びがあった!
考え方の引き出しが増えた!
読書から学べることが多い!
などなど、プラスの収穫があったのであれば

大変嬉しく思いますし、投稿作成の冥利に尽きます!!
お気軽にコメント、いいね「スキ」💖
そして、お差し支えなければ
フォロー&シェアをお願いしたいです👍
今後とも何卒よろしくお願いいたします!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?