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【自己回帰過程とは?】時系列マクロ経済分析の基礎モデル🌈:計量経済学✨No.3

Introduction:計量経済学への挑戦🔥

経済学部に通う私も
いよいよ大学「学部」最終年になり
学問に全力を注ぐ時間も限られてきました👍

「知は力なり」という言葉を信じて
残りの大学生生活を満喫したいと思います

学部レベルのマクロ経済学は
個人的によく理解できたつもりです

しかしながら、本当の経済の動向を理解するには、学部レベルの知識ではお話になりません😥

また、正しい計量経済学の知識やデータ分析
のリテラシーを会得しなければなりません💦

現実の経済データを、理論モデルと当てはめ
正しい計量手法によって実証分析できる力を
醸成したら、きっと将来どこかで活躍できる
人財になれる可能性を高めることに繋がると
思います

実際の経済動向や政治と結びつけながら
応用できる能力がなければ
知識を持つ意義も小さくなってしまいます💦

何事もアウトプット前提のインプットが
大事であると、noteで毎日発信してきました

これは、どのような内容で
あっても当てはまります👍

先行研究の論文を一概に読んでも
記憶に残っていなかったり
大切な観点を忘れてしまっていたりしたら
学習の進捗は滞ってしまうと思います

だからこそ、この「note」をフル活用して
自分の知識を1%でも、定着させ
誰にでもわかりやすい解説をアウトプット
できるように努めていきたいと思います

私がこれからアウトプットする
計量経済学において最重要なパートである
時系列分析のモデル理論解説を
どうぞ最後まで、ご愛読ください📖

本投稿作成における参考文献は以下の通りです


なぜ、計量経済学を学ぶのか??

計量経済学が時系列解析法を「理論なき計測」として退けるところからスタートしたことでよく知られているのです

1930年に創立された計量経済学会の規約
第1条では、計量経済学は「理論的数量的アプローチと経験数量的アプローチの統一」と
定義されていました📝

また、R・フリッシュによる『エコノメトリカ』創刊の辞では、「統計学、経済学、数学の三者の統合」と定義されているのです👍

このような定義においては
当時のハーバード景気予測に代表される
時系列解析法への批判が強く意識されていたとされています

すなわち、それが29年の大恐慌の予測に
失敗したのは,経済理論を無視し、
時系列データの形式的な解析のみに終始した
からであったということです

今後はそうした「理論なき計測」の立場を
退け、「理論に基づく計測」を重視していかなければならない、という見解の重要性が増しています
このような歴史を経て、計量経済学はスタートをきったのでした💖

そして、何よりマクロ経済変数は
その多くが互いに影響を及ぼし合う相互依存の関係にあり、また過去の変化の影響が持続するという傾向を持ちます

これらの動向を分析したり、将来を予測したりできるようになるためには、計量経済学
ひいては「時系列分析」に対する理論や正しい実証手法への理解が必要不可欠となります

「計量経済学」シリーズの投稿では、こうしたマクロ時系列変数の実証分析に必要な計量理論と手法を習得することを目的とします

これから私がアウトプットする
時系列マクロ経済分析に関する内容について
どうぞ最後までご愛読くださいね💖

前回の記事はこちらになります🎊
時系列分析における定常性やホワイトノイズ確率過程について解説しましたね
ぜひお復習いにご利用ください

時系列計量分析における基礎モデル🌟

今回は、時系列分析に頻繁に利用される
3つの基礎モデルをご紹介します

①自己回帰過程:AR(p)

①AR(AutoRegressive : 自己回帰)モデルは、ある時刻tのデータを、過去の時刻t-kのデータ(過去の自分のデータ)を説明変数として用いて回帰するモデルです

次数がpの自己回帰過程をAR(p)とします

$$
AR(p)  Model\\
y_t =\phi_1y_{t-1}+\phi_2y_{t-2}+・・・+\phi_py_{t-p}+u_t…(1)
$$

①式より、自己回帰過程の説明変数は、被説明変数の過去の値が用いられていますよね

つまり、自分の過去の値が、現在の自分を説明するような時系列モデルであるため、自己回帰過程と呼ばれるのです

②平均移動過程:MA(q)

MA(moving average : 移動平均)モデルは、ある時刻のデータが、過去の時刻での誤差項を用いて表現することができます

なお、次数qの移動平均過程をMA(q)と表記します

$$
MA(q)  Model\\
y_t = u_t +θ_1 u_{t-1}+・・・+θ_qu_{t-q}…(2)
$$

②式より、移動平均過程の説明変数は
ホワイトノイズの線形結合が用いられていることがわかります

③自己回帰平均移動過程:ARMA(p,q)

ARMA(Autoregressive integrated moving average、自己回帰和分移動平均)モデルとは、AR(Auto Regressive/自己回帰モデル)モデルとMA(Moving Average/移動平均モデル)モデルから構成されるモデルです

次数(p,q)の自己回帰平均移動過程を、ARMA(p,q)とします

ある時点の出力が、過去の出力と、現在および過去の入力に対する和で表現されるモデルの特徴と言えますね📝

$$
ARMA(p,q)  Model \\
y_t =\phi_1y_{t-1}+\phi_2y_{t-2}+・・・+\phi_py_{t-p}\\+u_t +θ_1 u_{t-1}+・・・+θ_qu_{t-q}…(3)\\    \\u_t ≡White  Noise
$$

③式より、自己回帰平均移動過程(ARMA)は、自己回帰過程と移動平均過程の組み合わせによってモデルが構築されていることになるのです

ただし、全てのモデル①~③における
誤差項utはホワイトノイズであるとします

ラグ演算子(L)によるモデル表記

ここで、ラグ演算子
(lag operator:L)を導入します😌

$$
Lag  Operator:
L^k y_t = y_{t-k}\\k=1,2…(4)
$$

これは以下の定式化のように
時点を遅らせる変換として定義すると
上記で説明した3つのモデルをより見やすい
ように変換させることができるのです

$$
By  using  Lag  Operator:L \\    \\(1)AR  Process:\phi(L)y_t =u_t\\   \\(2)MA(q)Process:y_t = θ(L)u_t \\    \\(3)ARMA(p,q) Process:\phi(L)y_t=θ(L)u_t \\     \\where \\\phi(L)=(1-\phi_1L-\phi_2L-…-\phi_pL^p\\
θ(L)=(1+θ_1L+θ_2L +…+θ_qL^q
$$

例題:MA(1)過程

MA(1)過程において、期待値、分散
自己共分散、自己相関を求めます

$$
MA(1) Process\\   \\
y_t = u_t +θ u_{t-1} \\
u_t ~i.i.d.(0,σ^2) \\       \\
Expected  Value:E(y_t)\\=E(u_t +\theta u_{t-1})\\=E(u_t)+\theta E(u_{t-1})=0\\      \\
Variance:V(y_t)\\
=E[(u_t +\theta u_{t-1})^2]\\=E(u_t^2)+2\theta E(u_t u_{t-1})+\theta ^2 E(u_{t-1}^2)\\=(1+\theta^2)\sigma^2\\       \\Auto  Covariance:Cov(y_t,y_{t-1})\\=E(y_t y_{t-1})=E[(u_t +\theta u_{t-1})(u_{t-1}+ \theta y_{t-2})]\\   \\=
E(u_t u_{t-1})+\theta E(u_t u_{t-2})\\+\theta E(u_{t-1}^2)+\theta^2 E(u_{t-1} u_{t-2})\\
=\theta \sigma^2   \\   \\where,Cov(y_t,y_{t-s})=0, s≧2 \\       \\Corr(y_t,y_{t-s} = \begin{cases}
1 &\text{if } s=0 \\    \\
\frac{Cov(y_t,y_{t-1})}{V(y_t)}=\frac{\theta}{1+\theta^2}&\text{if } s=1\\0  &\text{if } s=2,3,・・・
\end{cases}
$$

時系列モデルの定常性&反転可能性条件🌟

以下では、上記で説明した時系列モデルを
説明する上で大切な条件などをまとめていきたいと思います

AR(p)過程における定常性の条件

以下では、ファーストステップとして
任意の次数pの自己回帰過程を考えます

それらが全て定常性を満たしているわけでは、当然ありません😓

ただ、定常性を満足するためには
一定の条件が必要となります

ここで、ラグ因子④式を用いながら
AR(p)モデルの定常性について考えて行きます

$$
AR(p)  Model \\
y_t =\phi_1y_{t-1}+\phi_2y_{t-2}+・・・+\phi_py_{t-p}+u_t\\   \\
(1-\phi_1L-\phi_2L-…-\phi_pL^p) y_t =u_t  …(5)\\    \\Stationary  Conditions\\1-\phi_1z-\phi_2z^2 - ・・・- \phi_pz^p = 0 …(6)
$$

上記の定式化より
AR(p)過程の定常性の条件は(6)式において
zのすべての根の絶対値が1よりも大きいことになります

例として、次数が1の自己回帰過程モデルを
考えて行きましょう

$$
AR(1)  Process\\
(1-\phi L) y_t = u_t …(7)\\       \\Stationary  Condition   for  AR(1)\\1-\phi z =0  \\  \\therefore,\\|z|=|\frac{1}{\phi }|>1 ⇔|\phi|<1
$$

これが次数1の自己回帰過程モデルが
満たすべき定常性の条件となります

よって、(7)式:AR(1) モデルが定常的であるためには、|Φ|が1より小さくなければならないことがわかるのです

この定常性の条件が満たされていれば
次数が1の自己回帰過程は(7)式より
以下のように書き換えることができるのです📝

$$
Stationary  AR(1)  Process\\    \\
y_t = \frac{1}{1-\phi L}\\  \\=
\displaystyle\sum_{i=1}^∞(\phi L)^i u_t
=\displaystyle\sum_{i=1}^∞\phi^i u_{t-i}…(8)\\    \\\to MA(∞)
$$

(8)式を見て、何か気づくことはありませんか?

そうです、なんと次数が1の定常的な自己回帰過程は、次数が∞の移動平均過程として表現することができるのです📝

つまり、自己回帰過程:Autoregressive  Processは、定常性の条件を満たしていれば、移動平均過程:Moving Average Processとして表現することができるのです

AR(1)モデルの自己相関関数の特徴

ここで、次数が1の定常的な自己回帰過程
モデルにおける自己相関関数の特徴を説明したいと思います

まず(8)式より、以下の2つの関係がわかります

$$
y_t =\displaystyle\sum_{i=1}^∞\phi ^i  u_{t-i}\\    \\y_{t-s} =\displaystyle\sum_{i=1}^∞\phi ^i  u_{t-s-i}
$$

上記の2つのような関係が成立しているので、このモデルにおける期待値E( ) と分散V( )は、それぞれ以下のように与えられます

$$
E(y_t) = E(y_{t-s}) =0 \\   \\
V(y_t)=V(y_{t-s}) =\frac{ \sigma^2}{1-\phi ^2}
$$

また、被説明変数とその過去の値にあたる
説明変数との「自己相関」は、次のように与えられます

$$
Auto  Correreation:γ(s) \\=E(y_t y_{t-s})\\     \\
=E[(\displaystyle\sum_{i=1}^∞\phi ^i  u_{t-i})(\displaystyle\sum_{i=1}^∞\phi ^i  u_{t-s-i})]\\     \\=[\phi^s +\phi^{s+2}+\phi^{s+4}+…]\sigma^2\\   \\=\frac{\phi ^s }{1-\phi ^2 } \sigma^2…(9)
$$

したがって、分散Vの値と
自己共分散(9)式より、次数が1の定常的な
自己回帰過程モデルの自己相関関数を以下に
導出することができるのです

$$
Autocorrelation  Function \\  \\
ρ(s) = \frac{Cov(y_t,y_{t-s})}{V(y_t)}=\phi^s…(10)
$$

(10)式より、自己相関関数の形状はΦの値に
依存しており、この値が1に近いほど
自己相関関数は時間の差sの増加と共にゆっくりと0に近づいていくことがわかるのです👍

MA(q)過程における反転可能性の条件

自己回帰過程が定常性条件を満たしていれば、移動平均過程として表現できたように
平均移動過程(Moveing  Average Process)も、ある一定の条件を満たしていれば
AR過程として表現することができるのです

この条件は、反転可能性の条件を呼ばれ
以下のように与えられます

$$
Moving  Average  Model \\   \\
y_t =(1+\theta_1L + \theta_2L +…+\theta_qL^q)u_t\\  \\
Invertibility   Conditions  for  MA(q)  Process\\  \\
1+\theta_1z +\theta_2 z +…+\theta_qz^q=0…(11)\\root  of  \forall z  is >0
$$

次数がqの移動平均過程の反転可能性条件は、(11)式より、この式のzのすべての根の絶対値が1よりも大きくなることです📚

ここで、例として次数が1の移動平均過程MA(1)モデルについて考えて行きましょう

$$
MA(q)  Model \\     \\
y_t (1+\theta L ) u_t …(12)\\   \\therefore,1+\theta z =0 \\   \\Invertibility   Conditions  for  MA(1)  Model\\  \\
\to |z| = \frac{1}{|\theta|}>1 ⇔|\theta|<1 …(13)
$$

よって、次数が1の移動平均過程(12)式において、|θ|< 1が反転可能性の条件であるということがわかります😊

よって、この反転可能性条件が満たされていれば、MA(1)過程は、以下のように表記し直すことができるのです

$$
MA(1) Model \\  \\
u_t =\frac{1}{1+\theta L}y_t \\
=\displaystyle\sum_{i=1}^∞(-\theta L) ^i  y_t=
\displaystyle\sum_{i=1}^∞(-\theta ) ^i  y_{t-i}\\  \\
\to AR(∞)
$$

よって、反転可能性条件を満たす次数が1の
移動平均モデルは、次数が∞の自己回帰過程へと書き直すことができました💖

つまり、移動平均過程は、反転可能性条件を
満たしていれば、自己回帰過程として表現することができるのです🌈

本日の解説は、以上とします📝
この時系列分析の基礎モデルを理解した先に
マクロ経済学の実証分析ができるようになるのです
このレベルを目指して取り組んでまいります🔥

付録:私の卒論研究テーマについて🔖

私は「為替介入の実証分析」をテーマに
卒業論文を執筆しようと考えています📝

日本経済を考えたときに、為替レートによって
貿易取引や経常収支が変化したり
株や証券、債権といった金融資産の収益率が
変化したりと日本経済と為替レートとは
切っても切れない縁があるのです💝
(円💴だけに・・・)

経済ショックによって
為替レートが変化すると
その影響は私たちの生活に大きく影響します

だからこそ、為替レートの安定性を
担保するような為替介入はマクロ経済政策に
おいても非常に重要な意義を持っていると
推測しています

決して学部生が楽して執筆できる簡単なテーマを選択しているわけでは無いと信じています

ただ、この卒業論文をやり切ることが
私の学生生活の集大成となることは事実なので
最後までコツコツと取り組んで参ります🔥


本日の解説は以上とします
今後も経済学理論集ならびに
社会課題に対する経済学的視点による説明など
有意義な内容を発信できるように努めてまいりますので、今後とも宜しくお願いします🥺

おすすめマガジンのご紹介🔔

こちらのマガジンにて
卒業論文執筆への軌跡
エッセンシャル経済学理論集、ならびに
国際経済学🌏の基礎理論をまとめています

今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます📚

また、こちらに24卒としての私の就職活動体験記をまとめたマガジンをご紹介させていただきます👍
様々な観点から就職活動について考察していますので、ご一読いただけますと幸いです


改めて、就職活動は
本当に「ご縁」だと感じました🍀

だからこそ、ご縁を大切
そして、選んだ道を正解にできるよう
これからも努力していきたいなと思います🔥

最後までご愛読いただき誠に有難うございました!

あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏

この投稿をみてくださった方が
ほんの小さな事でも学びがあった!
考え方の引き出しが増えた!
読書から学べることが多い!
などなど、プラスの収穫があったのであれば

大変嬉しく思いますし、投稿作成の冥利に尽きます!!
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今後とも何卒よろしくお願いいたします

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