【連結会計 Part⑥】難易度マックス!非支配株主持分への按分を考慮しながらのアップストリーム💦:エッセンシャル会計学 No.47
会計・財務についてもっと学びたい🔥
会計業務や経理、財務、簿記についての基本的な知識を持つことは、ビジネスパーソンにとって重要であると感じています。
今後、定期的に投稿していく【エッセンシャル会計学シリーズ】では、会計業務の重要性から経理や財務の役割まで、私が勉強したことをわかりやすくアウトプットしていきたいと思います🔥
さらに、経理業務の具体的な内容や財務業務の目的、簿記の種類と特徴についても詳しく掘り下げていきたいです💛
そして、日商簿記検定2級合格を最終的な目標として会計学を勉強していきたいと思います!
ビジネスにおける財務情報の管理や経営判断の基盤となる知識を身につけるため、ご一読いただけますと幸いです💖
前回のお復習い📑
アップストリームによる未実現利益の消去🍎
前回の投稿において、連結修正仕訳では未実現利益は消去しなければならないということを確認しました!
なお、これはアップストリーム(SからPへ)、ダウンストリーム(PからSへ)に関係ありません。
よって、どちらにおいても連結修正仕訳を行います。
しかし、アップストリームとダウンストリームでは異なる点は未実現利益である「子会社の利益」を消去するということです。
よって、消去した未実現利益に対する非支配株主の持分比率について、非支配株主持分を減額させるということが必要な会計処理になるのです。
まずは、結論から整理しましょう。
ダウンストリームのときと同じく、アップストリームによる未実現利益の連結修正仕訳は、3つの論点があります。
①商品の取引
②土地の売却
③貸倒引当金の消去
以下に、使用する勘定科目の概要を整理しておきましょう。
※非支配株主に帰属する当期純利益を「非支配株主利益」と省略している点にはご留意いただきたいです🙏
$$
\\アップストリーム\\
①商品の未実現利益\\\begin{matrix}\\期首商品&売上原価××&商品××\\&非支配株主持分××&非支配株主利益××\\ \\期首商品&利益剰余金××&売上原価××\\&非支配株主利益××&利益剰余金××\\ \end{matrix}\\ \\②土地の売却\\\begin{matrix}\\土地売却益××&土地××\\非支配株主持分××&非支配株主利益××\\ \end{matrix}\\ \\③貸倒引当金の消去\\\begin{matrix}\\貸倒引当金××&貸倒引当金繰入××\\非支配株主利益××&非支配株主持分××\\ \end{matrix}\\
$$
このように、利益の修正に合わせて、「非支配株主に帰属する当期純利益」を修正していくのです📝
アップストリームにおいて非支配株主に帰属する当期純利益(非支配株主利益)は未実現利益の消去(子会社利益の減少)の際には、貸方に計上し、減少させます。
反対に、未実現利益の実現(子会社利益の増加)の際は、借方に計上し、非支配株主利益を増加させます。
それでは、以下にアップストリームの例題を3つほど演習して確認しておくことにしましょう💛
Q1. P社とS社は支配従属関係にある。
そこで、次の資料に基づき、必要な連結修正仕訳を示しなさい。 <前提事項>
・P社はS社株式の70%を保有している。
・当期からS社はP社に対して商品を販売している。
その利益率は25%である。
⑴S社のP社に対する商品販売高(アップストリーム)は20,000円である。
⑵P社の期末商品棚卸高には、S社から仕入れた分が10,000円含まれている。
$$
\\解答:アップストリームによる\\商品取引における未実現利益の連結修正仕訳\\ \\\begin{matrix}\\No.&借方:金額&貸方:金額\\(1)&売上:20,000&売上原価:20,000\\(2)&売上原価:2,500&商品:2,500\\&非支配株主持分:750&非支配株主利益:750\\ \end{matrix}\\※非支配株主利益≡非支配株主に帰属する当期純利益
$$
Q2. S社の当期純利益は3,000円である。
P社の期末商品のうち、1,000円はS社から仕入れた商品である。
なお、S社における利益率は30%である。
また、P社はS社株式の70%を保有している。
$$
\\解答:期末未実現利益の消去(アップストリーム)\\
\begin{matrix}\\<S社純利益の振替>&\\非支配株主利益:900&非支配株主持分:900\\ \\<未実現利益の消去>&
\\売上原価:300&商品:300\\非支配株主持分:90&非支配株主利益:90\\\end{matrix}\\
$$
この問題のポイントは2つあります。
まず、①未実現利益考慮前において、S社の当期純利益(3,000)をもとに、振替額を考えていくことです。
そして、非支配株主持分比率(30%)を乗じて、900円となるのです。
②売上原価として費用を計上することでS社当期純利益の減少を示唆しています。
期末商品は1,000円であり、その利益率は30%です。
そして、S社の当期純利益が300円減少していますので、振替額も減少させます。
したがって、当期純利益減少額(300)に非支配株主持分比率(30%)を乗じることで、非支配株主持分を90だけ減らす、という連結修正仕訳となるのです。
では、このケースの翌期を考えて見ましょう。
すなわち、アップストリームにおける期首未実現利益の実現です。
Q2.の続きを想定して、演習します。
※確認事項
S社の当期純利益:3,000円
P社の期首商品のうち、1,000円はS社から仕入れた商品
S社における利益率:30%
P社はS社の株式70%を保有
$$
\\解答:期首未実現利益の実現(アップストリーム)\\
\begin{matrix}\\<S社純利益の振替>&\\非支配株主利益:900&非支配株主持分:900\\ \\<未実現利益の消去>&
\\利益剰余金:300&売上原価:300\\非支配株主利益:90&利益剰余金:90\\\end{matrix}\\
$$
この問題において、金額の算定式は以下の通りです。
S社の利益調整額:期首商品1,000×利益率30%=300
振替額の調整額:利益調整額300×非支配株主持分比率30%=90
そして、この仕訳を直観的に整理してみましょう!
まず、借方の利益剰余金(300)は、S社の前期純利益の減少を表しています。
そして、貸方の売上原価(300)は、未実現利益の実現によるS社の当期純利益の増加を反映していると言えますね!
そして、貸方の利益剰余金(90)は、前期の振替額の減少と対応しています。また、借方に計上された非支配株主に帰属する当期純利益(非支配株主利益:90)は当期の振替額の増加となっているのです。
このように、仕訳の流れをイメージできるようになれば、成果連結(ダウンストリーム、アップストリーム)についてもっと理解を深めることができるのではないでしょうか?💛
なお、最後にアップストリームおける貸倒引当金の消去について確認しておきます。
この論点、貸倒引当金の消去(アップストリーム)について以下の例題を演習しておきましょう!
Q3. 連結修正仕訳においてS社の売掛金とP社の買掛金を5,000円相殺消去した。
S社は売上債権の3%を貸倒見積高として貸倒引当金を設定している。
また、P社はS社株式の70%を保有している。
$$
\\解答:貸倒引当金の消去(アップストリーム)\\
\begin{matrix}\\借方:金額&貸方:金額\\買掛金:5,000&売掛金:5,000\\貸倒引当金:150&貸倒引当金繰入:150\\非支配株主利益:45&非支配株主持分:45\\ \end{matrix}
$$
なお、金額の算定ならびに考え方は以下の式に基づきます。
貸倒引当金:売掛金5,000×設定率3%=150
S社の当期純利益が150円増加したため、振替額も増加させます!
よって、非支配株主に帰属する当期純利益は150×非支配株主持分比率30%=45円となるのです📝
本日の解説は、ここまでとします!
成果連結(アップストリーム)について、ざっくりとでもご理解いただけたでしょうか??
基礎的な考え方さえわかれば、あとは数値を大きくするだけですね💛
私が考える会計学を学ぶ意義💖
会計知識は、経理や会計士だけが理解していればいいというわけではありません🔥
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そして、その予算の仕組みも、売上の処理も、全て会計が関係しているのです。
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総じて、会計を知ることで、会社にどれほどのインパクトをもたらしているのかを把握でき、予算の作成においても精緻に行えるようになると言えますね💖
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そして、会計の知識を洗練していけば将来的に経営者の視点を手に入れることができると思いますので、新規プロジェクトにアサインされたり、昇格のきっかけにもなり得るかもしれません🔥
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