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【知は力なり🔥】為替レートの決定理論と応用モデル解説:国際金融論💖No.12【最終回🌏】

今後、定期的に投稿していく
【国際金融論】シリーズにおいては
私が現在学習している内容である
「国際経済学の分野」について学んだことを
アウトプットしていきたいと思います👍

前回の記事は、こちらになります

はじめに:モデルの導入前に

開放経済における対外取引は、財・サービスに係る「経常取引:Current Account」と、金融資産に係る「資本取引:Capital Account」に大別されるということは、こちらの記事で解説しています💖

これらの取引の根本的な相違点は、次の2点です

  1. 資本取引の単位費用が、経常取引の単位費用より小さいこと

  2. 資本取引の所要時間が、経常取引の所要時間より短いこと

これらの相違から、国際取引に障壁(=資本規制や取引数量制限、莫大な取引費用の存在など)がない場合
内外の資産市場はほぼ常時均衡状態にあると見なせますが
内外の財(サービス含む)市場は必ずしも均衡状態にあるとは限らないのです
資本の移動というのは、時間が掛かることが多いです

「金融市場における資本」とは少しニュアンスが違うかもしれませんが、材市場における資本を考えるみます
工場や家を建てる時間が1年以上掛かるケースが多いことに対して、鉄鋼原料が貿易される時間は相対的に短いというイメージで良いと思います📝

短期と長期の違いについて

今一度、ここで「長期と短期の違い」について確認しましょう
国際マクロ経済学における「長期」とは、財市場と資産市場の両者が均衡状態 に達する期間を指します
その一方で「短期」とは、瞬時に均衡状態に達する資産市場のみが均衡す る期間を示していると理解してください

私が解説する内容は、内外の財市場・資産市場が共に均衡状態にある場合の為替レートの決定理論 を取り扱うことにします

以下では、まず為替レートの均衡に関する古典的な概念である
「購買力平価説」および購買力平価と密接な関係にある
「実質為替レート」について説明することを試みます

その次、貨幣市場に着目した為替レートの長期均衡理論である
「マネタリー・アプローチ(貨幣接近)」について考察してみようと思います

また、購買力平価説およびマネタリー・アプローチに基づく為替レートの実証分析についても言及します

そして、私が卒業論文を執筆するときに留意点を指摘しながら理解を深めていくことにします💝

為替レートの短期的均衡モデル:Part6 

為替レートの決定理論について、これから丁寧に解説していきたいと思います
長期均衡モデルで大切なことは「財・資産両市場の均衡」を考慮することでありました
しかし、実際の経済は「短期」的な変動によって
経済のファンダメンタルズが変化することも多いです


以下では、財(及びサービス)市場における均衡が成立せず、相対的に取引に係るコスト・時間が短い資産市場における均衡のみが達成されるような短期における為替レートの決定理論をご紹介することにします
ここでは、産出量、物価水準、内外金融資産の供給残高は所与と見
なされますので、ご留意ください

短期と長期とはまた異なる視点を持っていることは
上記で解説いたしましたが
今後は為替レートの決定理論における
長期のモデルではなく
短期のモデルを順番に解説していきたいと思います


登場する記号一覧は、以下の通りです

$$
i :  Nominal  Interest  Rate\\
(=Investment  or  Profit  of Asset )\\
r = Real  Interest  Rate\\
P_i : the  price  of  No.i  good    \\
S : Local  currency  exchange  rate \\
{P_i}^* : the  price  of  No.i  foreign  good \\
( i = 1, …, n )\\
* : Foreign  Variables \\
F : forward  rate \\
e :  Expectation  value\\
s,f : logarithm  of  S,F
$$

アセット・アプローチとポートフォリオ・バランス・アプローチ💴

以下では、為替レートの短期均衡理論に該当するアセット・アプローチとポートフォリオ・バランス・アプローチの解説を試みたいと思います


資産市場の均衡を巡る関係を用いて、為替レートの短期的均衡を求める考え方を、 アセット・アプローチ(資産接近)といいます📝

追加の参考資料はこちらもご参照くださいね📝

アセット・アプローチ
は、①内外債券が完全代替資産である(=UIPが成立する)ケース、②及び内外債券が不完全代替資産である(= リスク・プレミアムの存在から、UIPが成立しない)ケースに大別されます
したがって、これらのケースを丁寧に解説していきたいと思います

$$
Uncovered  Interest  Rate  Parity \\   \\
(1+i_t ) = (1 +{i_t}*)\times({S_{t+1}}^e/S_t)\\    \\
or,  change  rate  equation\\i_t  ≒ {i_t}^* + {s_{t+1}}^e-s_t・・・➀
$$

(1)内外債券が完全代替的な場合

まずは、まず内外通貨建て債券が完全代替資産である場合、すなわちカバーなし金利平価(UIP)➀式が成立するケースを想定して、為替レートの短期的均衡モデルを導出することに挑戦します

UIPの成立を示す➀式を整理し、左辺に為替レート、右辺にそれ以外の変数(国内外の利子率、為替レートの将来の期待変化))を移行して整理すると、以下の式②が得られます

$$
s_t≒ + {s_{t+1}}^e-(i_t -{i_t}^*) ・・・②
$$

②式のように、今期の為替レートに対する関係式を導出できたのですが、ここで問題が伴ってきます
すなわち、上式②では、為替レートの期待変化率を特定することができないということです
そこで、前回学習した実質金利の決定式=フィッシャー方程式の関係式を思い出してください

このフィッシャー方程式が国内外で成立していることを想定します

$$
Fisher  Equation\\  \\
r_t = i_t -(p^e_{t+1}-p_t)\\
r_t^* = i_t^* -(p^{*e}_{t+1}-p^*_t)
$$

これらの式を、②式に代入することを試みます
そして、整理することで以下の式③を得ます

$$
s_t +p^*_t -p_t  =\\({s_{t+1}}^e+p^{*e}_{t+1}-p^e_{t+1})-(r_t -{r_t}^*)…③
$$

③式のインプリケーションは以下の通りです
左辺は実質為替レート、右辺の第1括弧は期待実質為替レート、右辺第 2 括弧は、内外実質金利差を示していることがわかりますね📝

なお、期待実質為替レートとは、実質為替レートの長期均衡値であると解釈するようにしてください

従って、一定の値を取ることになります
ここで実質為替レートを re
実質為替レートの長期均衡値re-(バー)をと置くと、カバー無し金利平価(UIP)を仮定した実質為替レートの短期均衡式、式④を得ることができるのです

$$
Determinating  Equation   of \\ Real  Exchange  Rate  in  the  Short  Run\\   \\ re = \bar{re}-(r_t - r_t^*)…④
$$

これが、内外通貨建て債券が完全代替資産である場合、すなわち、カバーなし金利平価(UIP)が成立するケースを想定した際の実質為替レートの短期的決定メカニズムの説明になります

本日の解説は、いかがだったでしょうか?
為替レートの短期的決定理論の応用レベルに該当するアセットアプローチの前半になります

次回は、引き続きアセットアプローチに包括されるポートフォリオ・バランス・アプローチについて一緒に学習していけたらと思います💖

For You:マガジンのご紹介🌟

こちらのマガジンにて
【国際経済学🌏】の基礎理論をまとめています

また、経済学理論集などは
こちらをぜひご覧ください💖

今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます📚


Ending:最後までご愛読いただき誠に有難うございます!

あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏

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