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【研究結果】好きだから習慣化されるわけではない

●人の習慣はその行動が「好きだから」
 長く続くわけではないようです。
●消費者に使い続けてもらうためのキーワードは
『快・近・効 』(カイ・キン・コー)です!

今日はとても興味深いレポートをご紹介します。

https://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2015/03/20150325.pdf

東大と大手広告代理店の博報堂が
出した研究結果ということで、
「商品やサービスを売る側が
知っておくべき消費者の行動習慣」
を調査した、という前提で読んでみてください。

※2015年のもの。少し古いです。

【調査条件】

結果だけ知りたい方は飛ばしてください。

本レポートの調査の仕方については
リンクをご覧くださればと思いますが、
調査内容を簡単に書きます。


ジャンルに関わらず共通の「習慣化」モデルが
存在することを検証するために類似性の低い
3 カテゴリー

「習い事(18種)」
「コーヒー(7業態)」
「ノンシリコンシャンプー(25ブランド)」
を定量 調査にかけ、行動を促進/阻害している要因を抽出。

●調査方法:インターネット
●調査対象:首都圏
(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県) 
20~69 歳の男女
(※習い事は男女、コーヒーは男性、
・ノンシリコンシャンプーは女性に調査を実施) 

●調査サンプル:
・習い事 540 サンプル(男女、均等割付)
・コーヒー 300 サンプル(男性、均等割付)
・ノンシリコンシャンプー 300 サンプル
(女性、均等割付)

【習慣行動には3つのステージがある】

生活者の習慣行動は、
リソース(時間・お金など)投入量の
変化によって、3つのステージが存在。
ここはこの後の文章を読んでいただく上で
大事な前提になります。

①学習期・・・リソースをさらに増やしたい。興味を持ってる時期。
②安定期・・・増えも減りもしない。惰性で続けている時期。
③離脱期・・・リソース投入がどんどん減っている。ほかへ行く時期。

生活者の「行動の習慣化」モデルに関するレポートより

本調査では、それぞれのステージの存在を前提に、
80~90 の意識項目、行動項目を調査、
ステージごとの生活者の反応の変遷を探った。

【結論:好きだから続くわけではない】

●結論:
生活者の好意(意識)と行動はリンク
しないことが明らかに。


好きだから長く続けている or 続くとは
限らないってことです。


意識項目で「とても好き+やや好き」と
回答したものの、

同時に「頻度を減らすつもり/頻度を減らした/やめようと思っている」と
回答した人は、好意を持っている
総数の6割程度に及ぶ。

=> 好きなんだけどやめてしまうってことですね。

生活者の「行動の習慣化」モデルに関するレポートより

また、他方で「学習期」→「安定期」にかけて
「習い事」に好意を持っている人は 
22.1%→10.6%で半減、
「コーヒー」は 6%→1.7%まで減っている。

=> 好きじゃなくなってきてるけど
習慣は惰性的に続けているということです。


つまり、
生活者に最初の認知や理解を促すために
「好意」を高めることは重要ではあるものの、

継続的な習慣として根付かせるためには
「好意」とは異なるアプローチを
追求する必要があるようです。

【習慣化の肝は「快適」「近さ」「自己効用」】

以下3つの要素を強化することが
人にリピートして使ってもらうために
大事なようです。

①快感 
(楽しい、気持ちいい、自分の可能性が拡がる、等) 

②近さ・買いやすさ
(自宅から近い、価格が安い、自分にカスタマイズされている、等) 

③自己効用
(リフレッシュできる、(髪が)さらさらする、
自分の年齢にあっている、等)

特に②の部分ですが、

今回の調査では
「価格が安い」といった「価格要因」が、
実は「自宅や職場から通いやすい」
「自分の都合のよい時間に学べる」などと
同じグループに属することが分かった。

生活者は純粋に効用と費用を比較して経済学的に
「安さ」のみを評価しているわけではなく、
「手を出しやすい、払いやすい、
コンビニエンスな価格」を評価している。

コンビニエンスストアの「100円コーヒー」の
成功には、「近くて、安い」というダブルの
“手頃”を提供している
好例と言える。

【習慣化の促進/離脱を防ぐヒント】


●学習期(初期):目移りを防ぐ施策を!!

消費者が興味をもって利用することを
楽しんでる時期。
使い始めたのの他者商品と
比較検討もしている状況で

目移りを防ぐためには
「これがあなたには一番」と常に
言い聞かせる仕組みが必要。

●安定期(中期):離脱期のはじまり“永遠の学習期”を狙え!!
消費者が「今さらやめられない」
という意識が芽生えている頃。
安定期に入る前の、高揚感のある学習期を
いかに引き延ばせるか、が
売上拡大のポテンシャルを秘めている。
課金型のソーシャルゲームなどは
「ここでやめたらもったいない」という
意識を刺激している例。

●離脱期:離脱期から再復帰はあきらめた方が得策!
「自己適合感」「快感」要素が大きく減少し
モチベーションが下がっている時期。
ネガティブな意識が強くなってくるので、
ここにマーケティングの予算をリターンが少ない、とのこと。

●離脱を防ぐよりも、相手先からの再離脱を狙う!
あるサービスを離脱したい、と思っている時や
すでにほかのサービスを試しているような時期は、
「スイッチ先のブランドでほんとに
満足できていますか?」
「本当にその選択が正しかったと
言い切れますか?」などの
問いかけで理性に訴え、
すぐに競合の離脱期に向かわせる
コミュニケーション/プロ モーションが有効?

【さいごに】

言われてみれば納得という感じでした。

こういうことを理解する上で前提となるのは
う人のことをいかに理解しているかですよね?
一般消費者相手ではなく法人向けのビジネスでも。

あと 商品を買っていただくという意味では
消費者は自分が欲しいモノを
いつも自覚してるわけじゃないので
「推測すること」を含めて重要だから
より難しいな、と。

また、習慣化という意味で
ビジネスではなく個人に当てはめてみた時、
習慣を続けるうえで重要なことは
共通してるな、とも。

「快・近・効」
●「やって楽しい・気持ちいいか?」
(気持ちよさとか、やりやすさ)
●「習慣化したいことがいつも身近にあるか?」
(ジム行くなら通勤途中にあるか?など)
●自分にとって意味があるか?

好きなことが必ずしも続くわけではない
●ある程度好きなものでも 忙しいやめちゃう
   => 仕組みが大事

など。

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