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Designship 登壇レポート

本日10/12より開催のデザインカンファレンス「Designship 2024」の登壇レポートです。(登壇直後に書きました)


私は「感情を喚起するブランディングデザイン」というテーマのパネルディスカッションに登壇させていただきました。ご一緒したデザイナーの方々はこちらです。

私が現在「感情」というテーマにとても興味があり、業務でもプライベートでも深掘りしている最中であったため、このテーマはとても嬉しかったです。今の自分に適しているなと思いました。


微かな感情を設計する

現在私はサービスデザインに注力しています。我々のビジネスモデルには現場(職場)があり、そこで生まれる「働く人の微かな感情」を良い感情にしたい。そのように考えています。

感情とは何かを定義する。ここで指す微かな感情は、Emotion(喜怒哀楽)ではなくAffect(微かな感情)です。言葉にすることが難しい小さな感情が生まれたとき。その感情をポジティブなものにデザインしたい。

それは、働いた後に感じる「働いて良かったな」「また働きたいな」そのような感情です。この感情は、良い意思決定に繋がると考えます。つまり、リピートに繋がるということ。

現場で生まれる感情を設計する。現場の課題を探索し、現場体験を向上させる。この決意によって、デザイナーの存在自体が事業成長を実現する競合優位性になると信じています。


感情のグラデーション

当日はお答えできなかったのですが、「ワーカーアンケート」を実施しています。職場体験に満足したか・どちらでもない・不満だったなど、5段階や10段階の選択形式でご回答いただいています。

定量データを集計することで「働く人の感情のグラデーション」が読み取れます。その結果をもとに、提案した仮説確度を見極めながら徐々に体験をアップデートしていくというサイクルです。


感情を言葉に変換する

言葉にすることが難しい微かな感情も、デザイナーは言葉にする必要があります。なぜなら、感情を生み出すためのクリエイティブを創造していくからです。そのプロセスとして言語化があります。

私は「感情を書く」という行為を大切にしています。無意識下に生まれた微かな感情を無視しない。言葉に変換すると、感情が可視化され、それがどのように大切か理解できるようになる。

そして、その感情を「伝えたい相手」は誰なのか。これが最も重要なのだと考えます。伝えたい相手がどのような人か。つまりユーザーです。伝えたい相手も言語化できたならば、デザインは迷うことなく加速するでしょう。


無意識に生まれる感情に向き合う

感情は無意識に生まれていると思います。ともすれば「無意識を意識すること」も重要だということ。行動経済学で説明されるシステム1が発動する瞬間は、論理よりも感情が動いており、無意識が働いているともいえる。

直近VI刷新を発表したMIMIGURIさんの探究メディア「CULTIBASE」は、見た瞬間に心が動くとても美しいVIでした。私は「素敵だな」と感じてクリックし、コンセプトを読むことでメッセージの意味に共感しました。

これはどういうことか。「感情が論理より先にある」ということです。私は、論理的に思考し「それを見る」という選択をしていない。感情で選択した後、論理的に納得しているに過ぎないのです。


登壇を終えて

とても多くの方々にご清聴いただきまして本当に感謝の気持ちで溢れております。ありがとうございました。

私が今回話した内容は、広義のデザインであり、UXリサーチの文脈が大きかったのかなと振り返ります。一方で、「言語化」というテーマは全デザイナー必須のスキルであり、山口さん・貫さんのお話を隣で聞かせていただきながら、終始共感しておりました。

昨年に続き登壇させていただきましてとても楽しかったです。今後も、自分の感情に向き合いながら、言葉に変換し、noteに書き綴っていきたいと思います。




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