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無意識と意識で生まれる判断の差

 今日のテーマは「無意識と意識で生まれる判断の差」です。無意識に感覚的な判断をしているのであれば、論理的で意識的に判断できるような状態にしておくことが大切だということをお話ししたことがあります。意識的にプレーを判断するすることで、無意識のうちにやってしまっている無駄な動きや無駄なプレーを削ることができるのです。プレーがシンプルになると、プレーに速さが生まれます。ここまでは、以前お話した内容で、今日はこのお話の続きとなるさらに高いレベルについて話をしたいと思います。

 幻冬舎から出ている、橘玲(たちばな あきら)さんの著書「スピリチュアルズ」という本をご存知でしょうか。この本には、無意識と意識の話がでてきます。本の中で、「頭は瞬間瞬間に、1100万個以上の情報を無意識のうちに受け取ってる。目からだけでも1秒間で1000万個以上の情報を受け取って頭に送っている。」というお話が出てきます。
 無意識のうちに受け取っている1100万個以上の情報は、逆に、意識的に「これを見よう!」と思ったときに「1秒間で、最大40個しか情報を受け取れなくなる」そうです。衝撃的な減りようですよね。無意識のうちに受け取っていた1100万個の情報が、たった意識的に情報を得ようとした瞬間40個になってしまうのです。意識的に受け取れる情報は少なく、無意識のうちに受け取れる情報は多いというのがわかります。つまり、最強なのは、無意識のうちに必要な情報を受け取ってしまうことなのです。

 では、サッカーの中ではどうでしょうか。やはり、無意識のうちに情報を取り入れて判断したほうが良いプレーができるのでしょうか。
 無意識のうちにやっているプレーを意識的に取り入れる理由は、「自分はこんな動きをしているのか」「なぜこんな動きになったのか」と考えていくことで、改善することができます。意識的にプレーしていくと、先ほどの話でいう「得られる情報が40個だけの状態」が続きます。そうすると、当然、これまでよりも悪い動きになる可能性も高く、悪いプレーになることもあります。ですが、ここで諦めずに続けて「意識的に改善し続ける」ことで、改善にたどり着くのでレベルアップになります。
 意識的にプレーすると、改善された状態で癖づいていくのです。そこうやって強制していった状態で癖づいてくると、いつの間にか「意識的にやってたこと」が考えなくてもできるようになってくるのです。つまり「無意識のうちに体が動く」ようになります。得られる情報が最大40個の状態だったものが、改善した状態で無意識になると、1100万個の情報を得て「水を得た魚」状態になるのです。頭が自由になれば、もう無敵状態です。1秒間に1100万個の情報を受け取って判断し、無駄の無い技術で実行に移すことができるようになります。

 話をまとめると、
 無意識のうちにやってしまっている今のプレーを、一度意識的に考えて改善していくことで、無駄を削ることが大切です。でなければ、高いレベルに到達することはできません。意識的にプレーすると、一度は「さっきよりも悪い状態」に陥ってしまいます。ここで、ほとんどの人は諦めてしまうか、そもそも無意識の中でプレーする楽な道を選びます。ですが、意識的にプレーして改善し続けることで、正解であるプレーが癖づいてくると、今度は意識的にやっていたことを考えずにやっていけるようになるのです。全て無意識のうちにやれるようになると、さらにレベルアップした状態で、あなたは無敵の状態になります!というお話でした。
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「サッカーの動画を見ても、どうやっているのかわからない…」「これからサッカーを始めようと思う」「感覚的にではなく、サッカーを論理的に理解したい」「通勤通学の合間にサッカーを勉強したい」「もっとサッカーが上手くなりたい」といった人におすすめのラジオ、ポッドキャストです。スペインバルセロナにあるアカデミーやアルゼンチンのクラブでプレーして学んだことを、海外サッカー経験者から直接お届け致します。

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